軍師官兵衛第38話「追い込まれる軍師」その背景～黒田家を襲う宇都宮の呪い赤壁・合元寺～

黒田官兵衛自ら、城井(宇都宮)鎮房嫡子・朝房の命を奪いました。
一方の鶴姫は逃亡、その実、光により逃がされたということに。
御家大事ということで、この部分はドラマの難所だったと思いますが、
切り抜けられたように思います。鶴姫が生き延びたという話もありますし。

この一連の黒田家による謀殺については

軍師官兵衛第37話「城井谷の悲劇」その背景～黒田による宇都宮鎮房・朝房、鶴姫謀殺～
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11927579583.html

こちらでも触れていますが、
今回は「呪い」のほうのお話を。

城井鎮房は黒田長政に騙し討ちされ、
その時、鎮房はわずかの供しか連れておらず、
本来の供たちは合元寺に留め置かれていました。
主を待っていると、やって来たのは黒田の軍勢、
この時、合元寺の家臣らは主が既に討たれていることを知るのでした。
合元寺を囲む黒田軍、元より数の上で勝ち目はありませんが、
それでも、鎮房の弔い合戦として果敢に戦いながらも、
黒田家により全滅させられたのでした。

この黒田家による皆殺しでは、
その舞台となった合元寺にはその時の刃の跡が今も残されています。
そして、この合元寺の異名

赤壁寺

は、その壁が真っ赤なことで知られます。
戦闘の血飛沫が無数に散ったこの寺では、
その後、その血痕を洗い落としましたが、
何度洗っても、その血痕が壁に浮き上がったんだとか。
そこで、合元寺では壁を赤にすることとしました。
今でも外壁だけでなく、部屋の壁も赤にされています。
一方、鎮房謀殺を実行した黒田家には暗雲が垂れ込めます。
長政の嫡男・忠之が福岡藩第3代藩主となりますが、
家臣たちとの軋轢で元後見役に
「忠之、幕府に謀反の動きあり」とまで
上訴されるに及び、藩は忠之は狂人だと主張、
黒田家取り潰し、あるいは改易のお家騒動を収束させたのでした。
以後、黒田家は続きますが、
第6代藩主継高が次々と継嗣を亡くし、
一橋家から徳川吉宗孫・隼之助を
養子として迎えることとなります(黒田治之)。
ここに初代黒田官兵衛から続く血統はここに絶えるのでした。
これらが宇都宮氏の呪いだと噂されることになります。