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軽率な「イスラム国」の表示、発言は直ちに停止を -それはイスラム教ではない-

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日本でもイスラム教徒が害を被る事例が頻発しています。
各イスラム団体にはいわれのない抗議や中傷が続いているようですし、
大相撲の大砂嵐関は「おい、イスラム国」と野次られました。
現在、このブログではかのテロリスト集団について、
日本政府が用いることにした呼称"ISIL"とし、
説明が必要な部分については"イスラム教徒を自称するテロリスト"や
"自称「イスラム国」ISIL(ISIS/IS/Daesh)"と表現しています。
それは彼らの組織が「国」ではないこと、
そして、彼らがイスラムを代表する考え方の持ち主ではないからです。
彼らの呼称は何でもいいと思うんですが、
「国」であると思わせるもの、
そして、彼らがイスラム教の教えに沿った
行動をしていると思わせるものはいけません。
現在、ほとんどのマスコミが使用しているのが

「イスラム国」

というもの。
"「」"で、自称しているに過ぎないと言いたいのかもしれません。
ただ、今現在、多くのイスラム教徒が
誤解による被害を受けていて肩身の狭い思いをされている現状を見れば、
とっくにこの呼び方を改めていてしかるべきだと思います。

Büyükelçilik Duyurusu(大使館からのお知らせ)
http://tokyo.be.mfa.gov.tr/ShowAnnouncement.aspx?ID=226985

在京報道各社各位 , 06.02.2015

在京報道各社各位



前略

シリアで日本人が殺害されたことに深い悲しみを覚えています。御親族並び日本国民へ追悼の意を表します。この卑劣なテロ行為は断じて許されるものではありません。

一方、人口の殆どをイスラム教徒が占める国が世界に50カ国以上あり、世界中に15億人のイスラム教徒がいます。イスラム教は平和を訴え、平和に呼びかける宗教であり、まさに「イスラム」という言葉自体の意味も平和であります。イスラム教もイスラム教徒もテロと何ら関係がなく、テロを非難するものであります。

今回の事件でもイスラム諸国とその国民が様々な形でこの卑劣な蛮行を強く非難しました。しかし、日本のマスメディアが最近の報道のなかで、この蛮行に及んだテロ集団を「イスラム国」と表現していることが非常に残念であり、誤解を招きかねない表現であると強く認識しています。テロ集団の名称として使われるこの表現によって、イスラム教、イスラム教徒そして世界のイスラム諸国について偏見が生じ、日本滞在のイスラム教徒がそれに悩まされています。いわば、これも一種の風評被害ではないかと思われます。

平和を重んじるイスラム教の宗教名を汚すこの「イスラム国」という表記を、卑劣なテロ行為を繰り返す一集団の組織名としてどうか使用されないよう切に願います。世界の他の国々において「イスラム国」ではなく、DAESH、ISIL等の表現を用いる例があるように、このテロ組織に関する報道で誤解が生じない表現の仕方について是非検討いただき、イスラム教徒=悪人を連想させるようなことがないよう配慮いただきたいところです。

何卒ご理解とご検討の程、心よりお願い申し上げます。

草々

2015年2月4日

トルコ国営放送
MURAT HAN
ムラット ハン
Muhabir/Correspondent/
特派員
NEWS/SPORT JAPAN



以上は在日トルコ大使館HPに掲載された「お願い」です。
日々、弱者のためにと、多くの人権活動家が
人権侵害が疑われるような事案に対し、
その是正について活動されているようですが、
この問題について、
そういった活動家の運動をしているという話は聞きません。
お金にならない、
得にならないことはしたくないということでしょうか。
メディアも人権侵害は許さないというような態度らしいですが、
「イスラム国」という表現を
頑ななほどに変えようとはしません。
さすがにISILの宣伝映像と宣伝メッセージの垂れ流しは収まりましたが。
最近、日本国内の誤解をなくすよう、
イスラム教の基本的な解説をしている番組が出てきました。
だったら、誌面、紙面の文字、
テレビ画面に表示されている「イスラム国」の文字、
出演者が口にするそれを止めることも必要だと思います。


ISILが先日公開したヨルダン軍カサースベ中尉の焼殺動画。
これについては先月3日に既に殺されていたというのが
ヨルダン政府の見解です。
人工衛星からの情報があったのでしょうか。
実際、動画には手の込んだ編集がなされていて、
とても実行後数日での公開は無理だったと考えられています。
これが事実ならば、シリア政府は中尉の死を知りながら、
テロリストたちと交渉しようとしていたことになります。
なぜでしょうか?
それは後藤氏の生存に可能性があったというのも、
その大きな要因の一つだと思います。
湯川氏、後藤氏の死には
多くのヨルダン人がその死を悼みました。
彼らには後藤氏に縁はなかったでしょうが、
それでも彼の国のイスラム教徒は彼の死に対して追悼したんです。
中東の多くの国は親日的立場です。
特にヨルダンはそれが顕著で、
その国の人たちの多くが信仰しているイスラム教を誤解し、
それを敵視することは許されません。
世界の親日国ということでは、外すことをできないのがトルコです。
現在、日本とトルコの合作で製作中の映画「海難:1890」は、
明治23年、現在の和歌山県串本町沖での
トルコ軍艦エルトゥールル号遭難事故を題材にしたもので、
それが後のトルコの親日的立場の要因の一つとなっています。
東日本大震災の時にもたいへんなお世話になった国でもあります。
そのトルコが、トルコを代表している大使館のサイトに、
このようなお願いが掲載されている訳ですから、
いい加減に各メディアもその態度を改めなくてはならないでしょう。

あのカサースベ中尉の焼殺について、
イスラム教学者、宗教学者、中東の専門家たちがどう感じるかについて、
注視していましたら、口を揃えて、
それが反イスラム的行為であるというコメントになっていました。
イスラムの考えでは死者を焼くことが出来るのはアッラーのみであり、
また、それは死後の転生の妨げになるとして、
土葬や風葬が行われてきました。
火葬は刑罰として存在しているイランなどのイスラム国家もあり、
それは、かつての晒し首ような死刑に追加される刑罰でもあるようです。
先の大戦で、日本軍はゲリラ兵を火葬しましたが、
それが戦争犯罪として取り上げられたこともあります。
焼かれた者は地獄へ行くとされ、ISILはそうすることで、
外への精神的な攻撃を目論んだもの思われますが、
その行為自体が唯一神を冒涜するものであり、
逆に、これがわずかながらも存在していたISIL寄りの考え方の持ち主をも、
ISILから遠ざけるものになるのではないかということです。
イスラム教学者の中には、
あの焼殺はISILに対する空爆が行われているので、
ハンムラビ法典、あるいは
キリスト教でいうところの旧約聖書「出エジプト記」における
「目には目を歯には歯を」だと言いたいのではないかと指摘する者もいますが、
この「目には目を」の考え方自体、
報復が無制限に拡大することを禁じているものでもあり、
それならば、湯川氏後藤氏を含む
彼らに害を与えていない者たちへの殺人行為が説明できません。
つまり、ISILはイスラム教など信じていないか、
イスラムの教義よりももっと権力であるとか、
金銭であるとかを優先しているということなのです。
先週の「たかじんNOマネーBLACK」では、
ご出演のお笑い芸人でイスラム教徒の
エマミ・シュン・サラミ(デスペラード)さんが
ISILなどの残虐な行為を行う組織について、

本当に、日本人の方がオウム真理教を見ているのと同じ感覚

と話されていて、隣のフィフィさんも同感のようでした。
日本人皆がオウム真理教のような価値観の持ち主だと
他から思われていたとすればどうでしょう?
誰よりも、ISILに迷惑を被っているのはイスラム教徒なのです。
そのISILをいつまでもイスラム教徒一般であるかのような誤解を招くような
「イスラム国」表記と発言を
各メディアは直ちに止めなくてはなりません。





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