機密ではない日報を隠蔽?
相変わらず時系列を無視して、真実を報道する気なんてさらさらないマスコミですので、ここで主だった問題とされている点をまとめておきたいと思います。まずは自衛隊のPKOにおける「日報問題」について。現在、問題視されているこの点では、森本敏元防衛相をはじめ、退官した自衛隊の元指揮官などが「問題ない」と口を揃えています。
そもそも、ここで言われている日報とは、機密文書でもなんでもありません。必要があれば参照するものですし、そのために多くの指揮官がPCにコピーを作っています。中には念のためにと孫コピーを作っている人も。朝日新聞や民進党などは、「削除されているとしたものが出てきた。隠蔽だ」と騒いでいますが、閲覧自由、複製も自由であれば、削除が命じられても、PCに残っていたなんてことがあってもおかしくありません。
この騒ぎで大臣、事務次官、統合幕僚長の首が飛びました。今後、このような日報のファイルは形式化していくと思います。詳しいことを書くと、こんな目に遭うかもしれないからです。よって、PKOの実態はより一層、国民や議会に見えないものとなっていくでしょう。
制服組が不満だとしても
辞任の稲田氏は特定の方面への知識はお持ちだったものの、大臣職に不適格だったと思います。それは都知事選の応援演説の時を含め、行動が軽いんです。それに、蓮舫氏、小池百合子氏と共通で、自分の能力を高く評価しすぎている傾向があります。ただ、小池氏は政局を自ら作り出す能力、政局の中での立ち回りなどの才能に長けており、もしも、小池氏なら、この問題をどう乗り切ったかと考えていたところ、彼女がこの問題について「スピード感が足りなかった」とコメント。豊洲・築地を動けなくさせ、さらに2兆円規模の支出をしようとしている面の皮の厚さも彼女の特徴です。
ただ、この問題で稲田氏を「辞めさせる」ことは適当ではないと思います。文民統制、シビリアンコントロールに問題があるからです。文民統制は軍事力を持つ組織を武官に統制させないという考えですが、この問題は自衛隊内部の不満からとされていて、もしも、そうであるなら「気に入らない大臣ならダメージを与えられる情報をリークすればいい」ということになってしまいます。たとえ、不適格者であっても、確実に不適格だという理由を提示した上で、「辞めさせる」べきです。
今回の稲田氏はあくまでも「辞任」。罷免ではありませんので、形の上では筋は通っているのですが、今後、このようなことが繰り返されないよう、大臣任命は適材適所でないといけませんし、組織の統制についての再認識が必要でしょう。
「悪魔の証明」を求める朝日や民進党
加計学園問題はこのまま何一つ問題点を提示できないまま、何となく終了しそうです。何しろ、朝日新聞や民進党などは「疑惑をかけられれば、無実である証拠を出せ」という態度を続けています。
加計疑惑、証拠なき否定 政府側「首相の指示なし」
http://www.asahi.com/articles/ASK7S5JHTK7SUTIL040.html
朝日の「証拠なき否定」という言葉に目を疑います。「否定するなら証拠を出せ」ですから。彼が「共謀罪」と騒いだものより、よほど恐ろしい考え方です。いわゆる魔女狩りです。たとえば、あなたが横領の疑惑をかけられたとすれば、追求者はその証拠を提示する必要があります。「あなたが横領していないというのであれば、横領していないという証拠を出せ」という理窟はおかしくありませんか? 「ないものをない」と証明する証拠を求めることは、「地球に宇宙人が来ていない事を証明せよ」と同じなのです。
「悪魔の証明」を求める朝日や民進党
財務省近畿財務局のミスと、籠池氏らによる犯罪であった公算が高くなった森友学園問題。そして、前川前文科省事務次官による自爆攻撃といい、ここのところ政権がダメージを受けるケースが続いています。第一次安倍政権が崩れた大きな要因の一つに、「消えた年金」問題がありましたが、この問題は極めて重要な問題ではあるものの、当時、その時の社会保険庁による自爆テロだという噂がありました。
社保庁の出鱈目なデータの取り扱いを一部の職員が自らリークしたという噂です。霞ヶ関や永田町でまことしやかにささやかれていたとされるこの噂と、現在の安倍政権攻撃は酷似しています。第一次安倍政権も官僚の権限を縮小し、官邸主導の人事を拡大しようとしていました。
そして、消費税増税延期。安倍政権はまた増税を延期しようとしているとされていて、これに賛同しないのが財務省です。現政権でも内閣人事局による政治任用の拡大が行われています。また、特区構想など、各省庁の官僚の許認可権を飛び越えて実施される制度もあります。前川はこれに反発し、自身の考えである「今治市が適当ではない」ことについての理由を提示することを命じられていながら、何年間も無視し続けていた訳です。そして、天下りを含めて咎められると、自爆テロに及びました。
問題の根幹は一部の官僚の不満にあるのか
今回の支持率低下の原因は官僚の反発にあるのかもしれません。そう考えると、防衛省や自衛隊組織の問題だけでなく、国家統治の問題として、これらを見るべきなのでしょう。民主党政権になる時に
官僚から政治を取り戻す
という言葉がウケました。今、民進党は自分たちが
政治を霞ヶ関に取り戻す
ことを目標に暗躍している、一部の官僚たちの手足になっていることに気づいているのでしょうか。民進は国家戦略特区の廃止を訴えています。本来、官僚が公正に適切な判断で仕事を行っていれば、特区なんて不要です。私自身も、選挙で選ばれたわけではない「民間議員」の声が反映される制度は好きではありません。しかし、前川のように、公正とはかけ離れた思惑で恣意的に仕事をするような輩がいるのも事実なのです。
朝日新聞や毎日新聞には改憲を阻止したい、正確には改憲は国民投票が必要ですので、改憲の発議を阻止したいという動機があります。正しい事実を理解しようとせずに、雰囲気に載せられて批判だけしていると、こういった輩の思う壺だということです。
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