今は小学校でも必修の英会話、
どうすれば私たちの英会話は上達するのでしょうか?
今回はそんなお話です。
街では
ただただ英語を聞く
という意見が。
意味が分からなくても、繰り返し聞いていれば、
耳が慣れて分かってくるといいます。
そして、
英語の歌を歌う
という意見も。
発音なども歌から覚えていけると。
まずは
ただただ英語を聞く
という方法から検証します。
英語が苦手だという男女2人ずつの高校生で実験です。
まずはどの程度苦手なのかを確かめます。
一般的な高校入試レベルの問題を解いてもらいました。
すると、苦手を自認しているだけあり、
かなり苦戦している模様です。
そして、ついには4人とも眠ってしまいました…
これがその結果。
最高が21点、最低は2点でした。
ここからが実験本番。
4人には携帯プレイヤーが手渡され、
そこには欧米人お馴染みの「トムソーヤーの冒険」が
延々と朗読されているものが収められています。
もちろん、4人は何を言っているのか分からないと言っています。
午前11時から聞き始め、
4人には普段の生活をしてもらい、
その中でずっとこの朗読を聞き続けてもらいます。
24時間後、再び集まった4人にテストが行われます。
その問題とは、出題者が5つの英文を読み上げ、
その中に一つだけある物語の中に出てきた文を答えるというもの。
そして20問の結果がこちら。
英語が不得意だとは思えない成績です。
問題を聞いた瞬間にすぐに分かりました
と笑顔で答える4人、
これはたまたまなのかもしれないということで、
この英語で書かれた経済学の本でも実験、
このような結果が出ました。
トムソーヤーも、経済学の本も問題は五択ですので、
全て当てずっぽうでの回答を行った場合の期待値は
5/20で4点ということになります。
この4点を超える6~10という成績が得られました。
しかし、重大な問題が。
この4人は、文章の意味を全く理解出来ていないんです。
明星大学人文学部の田中宏昌教授によりますと、
何回も聴くことによって知っている単語であれば聞き取れる。
だから点数が上がったんだと思います。
じゃあ、意味が理解出来ているかというと、
それはちょっと疑問ですね。
聞いているだけで文法が伸びるとか
新しいボキャブラリーが増えるとか、
そういう証拠はないですね。
とのこと。
次は
英語の歌を歌う
という方法です。
英語が苦手という4人、
今回は20代男性に集まってもらいました。
実力を測るため、高校入試のリスニングテストをしてもらいます。
このリスニングは中学3年生なら、
平均点60点は取れるものだそうです。
比較的簡単なこのテストの結果が、
このようになりましたので、
たしかに英語が苦手であるようです。
そんな彼らが聞かされたのがこの曲です。
Huey Lewis & the News - The Power of Love
4人は全く知らないと言っています。
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この映画シリーズを象徴する曲でもあるんですが…
時代ですねえ。
この曲をカラオケ屋で歌い続けてもらいます。
歌詞にはカタカナはありません。
英語が並ぶのみです。
歌い続ける時間は9時間、
100回以上繰り返し歌ったことになります。
翌日、歌の歌詞を正確に聞き取れるかどうかをテストします。
これも五択形式、元の歌詞のわずかに変えてあります。
問題の読み手は女性で、メロディもありませんが、
結果はどうなるでしょうか?
これが4人の成績、英語が苦手にもかかわらず、
細かい発音の違いに気付く事が出来たようです。
関西学院大学大学院言語コミュニケーション文化研究科、
門田修平教授によりますと、
洋楽を歌うことはシャドーイングに近い効果を得られる
とのこと。
このシャドーイングとは、聞き取った英語に対し、
自分も声を出す学習法のことを言います。
私たちが英語の教科で学んだ方法ですと、
まず
apple
という文字があって、それを
アップル
と読みますが、シャドーイングでは、
文字はなく、ただ発音があり、
それを復唱していきます。
カタカナ英語の矯正にも役立ちます。
ということで、これも意味はともかく、
聞き取る能力向上には大きな効果があるようです。
最後に
留学
についても検証します。
英語を学ぶ手段の最も効果的な方法が
英語圏への留学であろうかと思います。
なぜ、留学が英語の習得に優れているのでしょうか?
アメリカ人とレシピに沿ってショートケーキ作りをしてもらいます。
使っていいのは英語だけ、時間は90分です。
この疑似留学に対し、比較として
英語が出来る日本人でも同じ条件で行ってもらいます。
アメリカ人3人とケーキ作りをしている彼女は
ボウルが必要になったようです。
ここで彼女は
bowl
を要求しました。
しかし、出てきたのは
このような茶碗でした。
英語で"bowl"といえば、
こんなにもたくさんの意味があるのでした。
丸くくぼんでいるものなら、
"bowl"といってしまいそうです。
アメリカ人に囲まれた女性の手には
なかなか求めるボウルがやってきません。
彼女がボウルを手にするまでに発した
単語は11にもなりました。
それに対し、日本人相手の場合は、
bowl
の1語で目的を達する事が出来ました。
英語しか使用していなくても、
日本人にとっての"bowl"といえばわかるという訳です。
この後、イチゴの切り方でも意思の疎通に苦労し、
一口にショートケーキといっても、
かの国では様々な形、イチゴの切り方をするのに対し、
日本でショートケーキ用にイチゴを切るとすれば、
ほぼ"slice"ひと言で通じます。
たとえ英語でも、日本人相手では、
言葉数も少なくて済むという訳です。
ショートケーキが出来るまでに
発した語数は
アメリカ人3人と 875
日本人3人と 246
と3倍以上と大きく差が付きました。
文化的背景が異なるアメリカ人が相手だと、
日本人ならわかる暗黙の了解がないため、
その結果、言葉の数が増えます。
つまり、そのぶん、
英語の習得に留学は優れているといえそうです。