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音楽業界は「知ってもらう」ことを諦めるな

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紅白歌合戦はたいへん好評だったようで、
私も近年稀に見る大成功だったように思います。
今回の目玉は米津玄師さんで、
個人的にも最大の楽しみでした。

彼が登場するまでに、彼の提供曲が2曲もあり、
それ込みで出演を口説いたということでしょうか。

ただ、今年も「今年の曲」は少なく、
それら少ない「今年の曲」でも
初めて聞いたという人が多かったのではないかと思います。
今年のヒット曲で、多くの人が知っている曲といえば、
DA PUMPの「U.S.A.」と、
かろうじて米津玄師さんの「Lemon」ぐらいではないでしょうか。
皆さんは知らない曲やアーティスト、どうやって知りますか?


昨年10月、アップフロントのアイドル集団ハロー!プロジェクトから
「CHICA#TETSU」「雨ノ森 川海」が結成され、
これら2ユニットを合わせ、
さらに3名を加えた「BEYOOOOONDS」も誕生しました。

この出来事を知る人は少ないのではないでしょう。
知る人が少ないということは、
BEYOOOOONDSのファンになる人の多くは
元々ハローのほかのグループのファンの人で、
掛け持ちか乗り換えたということになります。
つまり、ハローのグループ間でファンや
ファンが落とすお金の奪い合いが起きていることになります。
これでは、BEYOOOOONDSのみならず、
ファン以外の人に、ほかのグループを知ってもらえるはずはありません。

 

 

ハローのファンたちが投票する年間のベストソングを選ぶ
「ハロプロ楽曲大賞」で、2018年の大賞となったのが
アンジュルムの「46億年LOVE」でした。
この曲は10月31日の発売で、動画はその前の12日に公開。
公開から約3か月が過ぎても再生回数は増え続け、
本日、155万回を突破しました。

この曲が注目されているのは確かのようです。

とはいえ、アンジュルムの認識度は高くありません。
アンジュルムは夏や年末など、
外での大きなフェスやライブイベントの出演が多く、

蒼井優さんがファンであることを公言され、

主題歌にも起用。
注目度が上がり、ファンが増えてはいるものの、
もっと外への発信力を持たない限り、
ファンが急増するようなことはないと思います。

ハローに限らず、
全てにおいて「ファン以外知らない」という状態に陥っています。
昨年は平成を代表するアーティストである安室奈美恵さんの引退が
メディアで大きく採り上げられましたが、
ファン以外で、ここ5年の彼女の曲を1曲でも知っている人は
かなり少ないのではないかと思います。

一つにはテレビの音楽番組が少なくなったこと、
ラジオ番組でも過去のヒット曲ばかり流していて、
ゲストとして出演しない限り、
新曲が流れることはあまりありません。

実際にはあるにはあるんですが、
ヒットチャートを紹介する番組ばかりで、
そこに上がらない限り、私たちは新曲を知る機会はありません。

年々、新曲を知るにはたいへんな努力が必要になっています。
昨年はもう不可能なのではないかと思うようになりました。
最大の問題は、音楽業界がこの状態を「仕方ない」と考えていることです。

ファン以外の人に知ってもらおうという努力が全く見られません。
お金を落としてくれる可能性が高いファンのみを相手にしているほうが
お金を落としてくれるかどうかわからない人を相手にするより
費用対効果が高いからです。
そして、どのアーティストにおいても、
「ファン以外知らない」曲ばかりになってしまいました。

音楽なんて結局は好き嫌いで、
歌唱力がどうとか、技術的にどうとか言ったとしても、
結局、根底にある好き嫌いの要素を除去することはできません。

聞いてみないと、好きになるかどうかわからないのが音楽です。
音楽は嫌いな曲でない限り、
繰り返し耳に入ってくる曲は好感度が高くなる傾向がありますが、
それだけでは、好きな曲との出会いが果たせるものではなく、
聞くことさえできていれば、
好きになれたはずの曲に出会えないのが現状です。

私は藤本恭子さんや東京Qチャンネルを聞き続けています。
知名度は低く、いずれもずいぶん前から活動していません。
特に藤本恭子さんは活動当時から知名度は低く、
今も聞いているのは
私ぐらいなのではないかと思うようなアーティストですが、
当時の私が貪欲に新曲を聞こうとしていたから、
見つけることができたんです。

東京Qチャンネルを見つけることができたのも、
スマイレージ、アンジュルムを見つけることができたのも、
曲を聞く機会があったからですが、
今、同じことができるかといえば、
絶対に無理でしょう。

レコード会社各社の中には
YouTubeに公式チャンネルを持っているところも
少なくありません。
ただ、それとて目当てのアーティストの動画を見るためにアクセスするのであり
知らないアーティストを知るためにアクセスする人は少ないでしょう。

レコード会社、音楽出版社、所属事務所など、
この事態を何とかしようという努力が見られません。
努力して失敗したという形跡もなく、
YouTubeならYouTubeでも、
所属にかかわらず、新曲が聞けるチャンネルを協同で設けるとか、
業界として最低限の努力もなされていないと思います。
特に大きな予算が必要だとも思いません。
オリコンあたりが旗振り役になってもいいと思います。
商業音楽の世界に「知ってもらう」という意欲が蘇らない限り、
その世界の規模は縮小する一方ではないかと思います。

 


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