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舌足らずのチコちゃんを補足する「なぜ夜は暗いのか?」

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先週の「チコちゃんに叱られる!」では
「なぜ夜は暗いのか?」という疑問に対し、
チコちゃんは

宇宙に果てがあるから

と回答しました。

微妙なところで、正しいといえば正しいのですが、
おそらく、単純に文字通り

この「宇宙に果てがあるから」という言葉を理解した場合には、
正しい理解とはいえないでしょう。

もしも、ひと言で正しく説明するとすれば

光よりも速く宇宙は膨張している

とすべきでしょうか。
それとも

地球から見られる宇宙には限界がある

とすべきでしょうか。

恒星には寿命がある

恒星の数は有限である

とも説明でき、
これらを総合することで、
夜が暗い理由とすることができそうです。

チコちゃんの回答のように、
宇宙に果てがあるだけではこの疑問の回答にはなりません。

実はこの「なぜ夜は暗いのか?」を説明するのは
かなりたいへんです。

宇宙には無数の星があるから夜は明るいはずだ

この逆説を最初に唱えたのは18世紀のスイス出身の天文学者、
ジャン=フィリップ・ロワ・ド・シェゾーだとされています。
ただ約80年後に同様の疑問を提唱した
ドイツの天文学者・ハインリヒ・オルバースの名を冠し
「オルバースのパラドックス」と呼ばれています。

自分が森にいると想像した場合、
小さな森では木と木の間から森の外を見ることができますが、
ある程度の大きさの森であれば、
木と木の間からはその向こうの木が見えることでしょう。
その木と別の木の間からもさらに別の木が見えることになり、
これを夜空に当てはめると

宇宙には無数の星があるから夜は明るいはずだ

という逆説が生まれます。
ただ、この説明も舌足らずで、この逆説を正しく把握するためには
「星は距離の2乗に反比例して見かけの面積が小さくなる」と
「距離が遠い星の数は距離の2乗で増える」という前提への理解が必要です。

番組では宇宙物理学者の佐治晴夫先生が出演され、
この逆説を解説されましたが、
私の手元にも先生の著作がいくつかあります。
中でもお気に入りは

 

 


この一冊で

この中に「夜の空はなぜ暗い」の部分があり、
解説が行われています。ただ、それでも充分とはいえないかもしれません。
この「宇宙の不思議」にはなぜ星が輝くのか、
私たちはどこから来たのか、宇宙人に会うことはできるのか
「1/fゆらぎ」「フラクタル」などについて
面白く書かれているのでおすすめです。
数式もありますが、読み飛ばしてもなんとかなるでしょう。
中学生以上なら大丈夫だと思います。
絶版だと思いますが、お読みになってみてください。
また、夜が暗い理由について、
正しく理解するのであれば、
こちらをおすすめします。

 

 


 


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