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大河ドラマ 平清盛 第二十一話「保元の乱」 その背景~信西と頼長の孫子読み対決~

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保元の乱に至るまでの経緯と、
源平の各勢力がどのようにして、
いずれに参陣するかを3回に分けてお書きしてきました。
今回の放送では、その保元の乱が描かれ、
史実では、短時間の戦闘で勝敗が決していて、
そのように描かれていました。

今夜の記事では、史実よりもまずは劇中の描写のお話から。
信西と藤原頼長の"孫子読み"が見所でしたね。

大河ドラマ 平清盛

この時代きっての俊才である信西と頼長、
その対決という形になっていました。

大河ドラマ 平清盛

この部分、画面に見入ってしまいました。
「藤本有紀」という脚本家としての色、
長所が出ていた部分であろうかと感じました。

孫子読みの孫子知らず

なんて言葉がありますけれど、
たとえ、それを暗誦出来たとしても、
その真の意味を理解出来ている人は少ない、
そんなシーンでした。


崇徳天皇・藤原頼長を前に、
源為朝が夜討ちの決断を迫っていました。
同じ頃、その兄の源義朝が後白河天皇・信西に
同じく夜討ちを進言しています。

頼長は孫子を引き合いに出します。

利に合えば而ち動き、利に合わざれば而ち止まる

この教えは文字通り解釈すれば、
「有利な状況であれば兵を動かし
不利であれば機会を待つ」
となります。
劇中の藤原頼長は、崇徳上皇方の軍議でそのとおりに解釈し、
手勢が寡兵であることから、
大和からの軍勢を待つことにしています。
また、

夜呼ぶものは恐るるなり

夜中に声を上げているのは恐れの証、
いや、孫子に倣うまでもなく、
夜襲は卑怯であると断じます。
これは天皇の位を巡る戦であるから、
崇徳院の器に疑問を抱かせるような策は
採るべきではないとしています。

大河ドラマ 平清盛

他方の信西は後白河天皇方の軍議で同じく、

夜呼ぶものは恐るるなり

を引いて、

夜通しこうしてピィピィと論じ続けるのは臆病者のすること

と解釈。続けて、

利に合えば而ち動き、利に合わざれば而ち止まる

こちらを引き、

たとえ夜明けを待つにせよ、ぼんやりと待つことを、
孫子は良しとはせなんだのじゃ。
ならば動くがよし! 今すぐ!


と、義朝の夜襲の策を採用、
頼長とは全く逆の結論に至ります。


もしかすると、孫子の解釈については、
頼長のほうが正解なのかもしれませんが、
頼長は所詮、旧時代の政治家であったということなのでしょう。
信西は新しい世の始まりを感じ取っていて、
これから政治力を得るためには、
何が必要で、そのためには手段は選べないということを知っています。
信西がこの戦に期するのは、敵対する勢力の根絶。
卑怯であろうが、狡猾であろうが、それを手にする。
それぐらいの意気込みが見られます。

それは、この時夜討ちをさせているということだけではなく、
もう少し前、源義朝、平清盛らが招集される以前のお話で…

話は少し遡りますが、
また、そんなお話をお書きしたいと思います。








ねてしてタペ





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