日曜日の第27話「宿命の対決」の前に、
平治の乱の源義朝挙兵後について考えてみましょう。
平治の乱に至るまで
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11290283974.html
平治元年末12月9日(1160年)深夜、
上の記事にあるような経緯で、
義朝は兵を挙げました。
当然、このクーデターは、
最大の敵である平清盛が熊野詣のため
京を空けた軍事的空白を見てのことでしょう。
源義朝の源氏の軍が後白河上皇の三条殿と、
信西邸に火をかけました。
突然のことに、中にいた官人や女房たちは逃げ惑いますが、
そのような者たちには、男女の区別なく
矢を射掛けたとか。
しかし、信西らはすんでのところで虎口を脱します。
藤原信頼は後白河院と二条天皇を軟禁するという暴挙に出ます。
朝になると信西の息子たち4人が捕縛されますが、
信西は自身の荘園・山城国田原(京都府宇治の南)へと逃れます。
しかし、既に三条殿が焼かれていることを知ると、
今後の再起に絶望し、藤原師光(信西の乳兄弟)らに命じ、
穴を掘らせました。
その穴の中に入る信西、彼は師光に法名・西光を与えています。
そして、穴を埋めさせ自害しました。
自害するのに、なぜ穴の中で生き埋めなのかということですが、
これは死後に自分の遺骸を発かれることを避けるためとも。
しかし、追手の源光保が穴から信西の遺体を掘り出し、
首を刎ねられてしまうことになります。
なお、異説としては穴は掘らせましたが、
その穴の中に箱を埋めて、
その中に信西が入り、信西は竹筒で息をしていて、
追手が穴を掘り返した時に、
最期を悟り、自ら首を突いて自害したというものがあります。
劇中の描写はこちらに近いですね。
いずれにしても、首だけになった信西は、
梟首となり、
後に息子たちも配流の沙汰が下ります。
余談ですが、保元の乱において敗れた
彼のライバル・藤原頼長の遺体は埋葬されますが、
発かれて検死されているんですよねえ。
その検死を命じたのが、信西だったりして…
乱が勃発した時、平清盛は熊野への道中、紀伊国にいました。
既に上皇と天皇の身柄を押さえられていることから、
清盛は落ち延びることも考えたようですが、
京へと戻るうちに、
周辺の平氏ゆかりの武士たちが協力を申し出てくれました。
また、劇中にあったように、
平家貞が「こんなこともあろうかと」
長櫃に武具を隠して運んでいて、
それが役立った…という出来過ぎた話も。
そして、悪源太の異名を持つ義朝の長男・源義平が
戻ってくる清盛を待ち伏せているという報が知らされてきますが、
実はそれは来たる決戦に向けて結集していた平氏の軍勢だったのです。
しかし、清盛には最大の問題がありました。
それは天皇や上皇の勅旨などがないこと、
このまま京での戦に及べば、
それは清盛の軍が賊軍となってしまうことに…。
一方、京では藤原信頼が政治の中心にいました。
自身は信西の反対で就けなかった近衛大将に。
この勝利の論功行賞としては
源義朝を(清盛の)播磨守に任じるなどしましたが、
そもそも、義朝の軍は秘密裏に招集されたため、
少数に過ぎませんでした。
そして、信頼の専横に業を煮やした内大臣・三条公教は、
藤原経宗と惟方に接触します。
彼らは二条天皇親政派です。
信西憎しで後白河院政派の信頼と結託しましたが、
既に信西はこの世にはいません。
二条天皇親政派の藤原経宗、惟方にとって、
次に邪魔なのは誰でしょうか?
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