21日、日本プロ野球選手会会長新井貴浩は、
次回、第3回以降のワールド・ベースボール・クラシックに
参加しないことを発表しました。
今年のオールスターで、
かつての近鉄の本拠地に帰ってきた
中村紀洋のMVP2ランホームランに感動した後でしたので、
かなりの衝撃でした。
こうなりはしないかなあ、と心配はしていたんですが、
現実となってしまいました。
WBCは大リーグ機構の下部組織のWBCIが運営しています。
そして、収益の66%は大リーグと大リーグ選手会の取り分となり、
日本へは13%となっていて、
さらにグッズなどの収益は、各国組織ではなく、
WBC=大リーグに入ることになっています。
昨年から度々、この問題は紙面でも取り上げられていましたので、
代表監督の人選よりも、そもそも参加出来るのか、
気になっていたんです。
お金の問題といえばそうなんですが、
私は根本的に大リーグ機構に対する不信感があるんだと思います。
1年前から主催者側に要望を出していたが返事がない。今後もあるとは思えず、苦渋の決断をした
とは新井会長。
返事すら寄越さないとは如何に軽く見られているかということでしょう。
WBCIの言い分では、アメリカと日本の取り分に偏りはないそうです。
大リーグには世界各国からの選手がいるため、
カナダ、ドミニカ共和国、ベネズエラ、プエルトリコなどなどの代表が出場し、
その数は250人にものぼり、日本の場合は25人に過ぎない、と。
選手たちのための多額の保険金も必要であり、
また、サッカーのワールドカップの方式で、
各出場国、組織に出場のための出費をさせた場合、
経済的にWBCに出られるのは4ヶ国ほどになってしまう、と。
WBCの目的は世界への野球の普及、振興であるので、
それらの国を支援のためにも資金が必要だ、というものでした。
そう言われてしまうと、納得出来る部分もあるんですが、
しかし、具体的な
支出報告書
は出さないんですよね。
口頭でさえ、金額や割合について説明していないのでは。
これで、この言い分を信じろというのは無理な話です。
WBCには多くの日本企業がスポンサーとして関わっています。
日本が出場しないことで、それら企業の多くは資金を出さないでしょう。
そのあたりで、私は向こうが折れてくるかと期待していたんですが、
暖簾に腕押し、糠に釘だったのでしょうか?
一方、日本プロ野球機構(NPB)もWBCIと交渉していて、
昨年12月に出場すると発表済みでした。
しかし、選手会の態度はまだわからなかったんですよね。
NPBはどのような条件で、WBCIと合意したのでしょうか?
明らかにしていただきたいですね。
日本は2連覇中であり、極めて残念ではありますが、
メジャーの搾取の可能性がある限り、
このまま続けていてもしかたがないと思います。
しかし、日本抜きで大会は成立するのでしょうか?
これで成立するようであれば、
いよいよ"Japan passing"が深刻だということですね。
もしも、WBCの開催が不可能になり、
あるいは、形骸化してしまうようであれば、
NPBが旗振り役となって、
世界大会を開催すればいいのではないかと思います。
初回は日本で行われることを希望しますが、
全て立候補と投票で決めても良いでしょう。
アメリカが取り仕切るWBCよりもフェアな大会にすれば、
と思います。
ただ、今回の不参加表明は賭けでありますね。
野球の人気は安泰ではなく、
これで全国民にアピール出来る機会を失うことになります。
そして日本人は「日の丸背負って」の戦いが大好きです。
そういう人たちの期待を裏切る訳で。
選手会は不参加の理由を、
もっと明確にわかりやすく説明しておかないと、
思っていたほどお金が貰えないので不参加にした
だけだと思う人も多いことでしょう。
それが野球離れを加速させるようではいけません。
でも、この説明は難しいですね。
会長には同情します。
今後の最良の展開は、
日本の不参加発表を受けて、
メジャーが考えを改めるということですが…
そういえば…、統一球、やめます?
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WBC不参加と日本プロ野球選手会が発表! 現状では致し方なしか…?
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