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「家政婦のミタ」40%で終了。フィクションの可能性を再認識。

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最終回視聴率は関東で40%、
関西で36.4%でした。
この作品では、東>西となりました。
全般的に、関西のほうがテレビをよく見ているとされますが、
これは違いましたね。
「マルモのおきて」もこういう傾向だったように記憶しています。

40%という数字は、
「ビューティフルライフ」以来の40%超えで、
これは2000年の作品でしたので、
今世紀初の40%超えドラマとなった訳です。


「JIN-仁-」の時に思ったんですが、
フィクション、「嘘」には無限の可能性があると思うんですよね。

特にしっかりした「嘘」であることが重要だと思います。
そして、現実と、
その「嘘」と他の「嘘」、これらが矛盾しないこと、
さらに「嘘」の描写にテキトー感を漂わせないこと、
これも肝要でしょう。

大河ドラマ「江」は、
そもそも、記録の少ない人物が主人公でしたから、
脚本面では自由度が高い描写が可能でした。
つまり嘘がつきやすい題材だった訳ですが、
一貫した嘘というよりは、
ダラダラと嘘を垂れ流しているという印象でした。
史実との整合性、
嘘と嘘との整合性にも疑問があり、
その点の脚本の甘さが目立ちました。


「家政婦のミタ」が始まる前に、
新聞で松嶋菜々子さんのインタビューを読んでいまして、
松嶋さんが「家政婦は見た」のファンであると仰っていて
それでこの作品のことを知ったんですが、
タイトルが「家政婦は見た」の捩りであることが気に掛かり、
録画だけはしておきました。
3回ぶんをまとめて見て思ったのは、
こういう題材は「世にも奇妙な物語」で扱われるような、
小説ならばショートショートが得意の設定だと感じました。


仕事を完璧にこなし、雇い主の命令は何でも実行する家政婦

というあり得ない「嘘」が
まず下敷きとして、視聴者に提示されました。

そして、二日酔いの薬から特殊洗剤まで、
何でも出てくる彼女のバッグや、
ジャグリングやバスケットがいずれも超人的であり、
従う命令には殺人や自殺も含まれるという嘘が描かれました。

いずれもあり得ない嘘ですが、
一貫した嘘であることから、
最初の

仕事を完璧にこなし、雇い主の命令は何でも実行する家政婦

を受け入れた視聴者には、
その嘘がプラスになることはあっても、
マイナスに働くことはなかったんだと思います。


面白い面白くないは別にして、
「小さな話」ばかりのドラマばかりであるように思います。
よくいえば現実的、リアリティーがあるということなんですけれど、
フィクションならではの可能性を
狭めていることもあるかもしれません。


もっと自由な設定のドラマがあっても良いと思います。

同じ恋愛を描くにしても、
これまでに見たドラマと大同小異に近い印象のものが多いです。

それでも面白いものもたくさんありますが、
もっと自由な発想があって良いかと思います。

家族間の絆を描いてみせるにしても、
この「家政婦のミタ」のような描き方もあった訳です。
橋田壽賀子さんの王道とは違う、
ホームドラマの可能性を見せてくれました。

アメリカのドラマのブームがあり、
そして、韓国のドラマのブームが起こりました。
それらは日本の狭い世界のドラマ視聴者に、
別世界を見せてくれたと思います。

日本は特に恋愛中心のものが多いですけれど、
それならそれで、
アクションシーンが見ものの恋愛ドラマがあっても良いはずですし、
時代劇を勧善懲悪は無視して、
恋愛ど真ん中で描くのもアリだと思います。

もっと、いろいろな「嘘」を楽しませてもらいたいです。






ねてしてタペ


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