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ビーバップ!ハイヒール 「ニッポンの底力!技と心の老舗企業列伝」 その1 世界最古の企業・金剛組

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現在、会社の寿命はアメリカで5年、
日本では7年だとされています。
グローバル経済の中で戦わなければならない現代では、
企業の命も短命であるようです。

しかし、そんな時代の変化にも負けず、
現在まで活躍し続ける企業もたくさんあります。

フランスのシャネルは約100年、
イギリスのバーバリーは約150年です。
そして、イタリアの金細工業エトリーニ・フィレンツェは
西暦1369年創業で640年以上。
この創業の年には中国で明が成立し、
日本では足利義満が征夷大将軍に就いています。
これがヨーロッパ最古の企業だとされています。

このエトリーニ・フィレンツェよりも長い歴史を誇る企業が、
我が国にあります。
たとえば、京都・宇治茶の通圓の創業は1160年。
昨年大河ドラマで扱われた平治の乱が起きた年です。
元々は宇治川に架かる宇治橋のたもとで橋守を任され、
道行く人に無料で茶を振る舞っていたのが始まりだそうです。

江戸時代。

宇治橋東詰 通圓茶屋『宇治川両岸一覧』
(右上には平等院も描かれています)

これが大正時代。

ビーバップ!ハイヒール 「ニッポンの底力!技と心の老舗企業列伝」

そして、現在の通圓も

ビーバップ!ハイヒール 「ニッポンの底力!技と心の老舗企業列伝」

宇治橋の袂にほとんど変わらない姿で営業されています。

さらには山梨・西山温泉慶雲館の創業は705年。
長い歴史の中の湯治客には、
武田信玄や徳川家康も含まれるんだとか。
この慶雲館が世界一古い宿泊施設としてギネス登録されています。

世界には創業から200年以上の老舗企業が約7200あるといわれ、
そのうちの3900が日本に存在しています。
この日本には世界中の長寿企業の半数以上が
営業を続けていることになります。


今回の講師は拓殖大学国際学部教授の野村進先生。
野村先生は

老舗というと古い伝統を守り続けているようなイメージを持たれがちなんですけれども、そうではなくて変わり続けることで新しい文化を創っていると、そこが日本の老舗の大きな特徴だと思います。

と語ります。
なぜ、日本に老舗が多いのか、
それは我が国が島国であり、一度も侵略されたことがないこと、
そして、自ら「手を汚す」ことで何かを生み出すことを
尊ぶという価値観が理由として挙げられます。
意外にも、後者の考え方は世界では珍しいんだとか。

ビーバップ!ハイヒール 「ニッポンの底力!技と心の老舗企業列伝」

これが日本の企業を古い順に並べたランキングです。
このランキングでトップに輝き、
そして、世界最古の企業が大阪府の寺院建築、修理を請け負う

金剛組

です。
西暦578年創業です。
1435年もの長大な歴史です。

ビーバップ!ハイヒール 「ニッポンの底力!技と心の老舗企業列伝」


仏教を広めたいと考えていた聖徳太子は、
寺院の建築のために、
当時の最先端技術を求めて、
百済から指導役として宮大工を招きました。
この時に建てられたのが、
日本最古の寺院・四天王寺です。

四天王寺の仕事を終えた百済の職人たちの一人を、
太子は引き留めたとされています。
今後の寺院建築のため、
修繕のためにまだまだ技術が必要だと考えました。
この時に日本に残ったのが

金剛重光

で、彼が日本の寺院建築のパイオニアとして、
最先端の技術を広め、
日本における建築の歴史を拓くこととなります。
彼が始祖となった金剛組は、
四天王寺が天災や火災に見舞われるたびに再建し、
平安、鎌倉、室町の歴史の流れの中で、
金剛組の技術は全国の建築に生かされていきます。
江戸時代でもその存在感は薄れず、
名字帯刀を許されています。

しかし、明治になると金剛組に試練が。
大陸由来の仏教を捨てて、
日本固有の神道を重んじるという廃仏毀釈が
彼らを苦しめました。
プライドを捨てて、
金剛組は一民間企業として再出発することとなり、
その技術を武器に、看板を守り続けます。

昭和に入ってからも金剛組は苦境に立たされています。
昭和初期の昭和大恐慌。
第37代目当主・金剛治一は無類の職人気質として知られ、
一方の営業活動には疎い棟梁でした。
業績は悪化の一途。
倒産寸前までに陥ります。
先人たちに申し訳ないとして、
治一は白装束に身を包み代々の墓前にて切腹。
当主を失った金剛組、職人たちも途方に暮れ、
その存続が危ぶまれました。
そこで立ち上がったのが、治一の妻・よしえでした。

彼女が金剛組で初めての女性当主となります。
自分は大工仕事は出来ないけれど、
営業なら出来ると、今まで手がけたことのない企業から
仕事を獲得してきました。
ここで息を吹き返した金剛組は、
日本中の名だたる建築物の仕事を任されていきます。

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「金剛組」倒産の危機

そんな金剛組について、
突然、新聞でこんな報道がされました。
2006年のことです。

その危機を救わねばならないと決意したのが、
当時の髙松建設社長・髙松孝育(たかやす)です。

金剛組を潰すことは日本建築の歴史を潰すこと

それは

大阪の恥

だとして、大阪の建築業というだけで、
縁もゆかりもない金剛組を救おうと考えたのです。
彼は社内の精鋭を招集します。
そして彼らに言い渡したのが

辞職勧告

でした。

うちの会社を辞めてくれ

出向という形にしなかったのは、
彼らに、金剛組に骨を埋める覚悟も求めたためでした。

このようにして、
現在まで文化と技術は守られ、
伝え続けられています。







奈良県往馬大社での金剛組による作業が写っていますね。

なお、金剛組については、

歴史秘話ヒストリア「みんなでいい国にしよう! ~プリンス聖徳太子 ニッポン補完計画~」 その2
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-10954920726.html

こちらでも触れています。
このビーバップハイヒールでも
ヒストリアの曲がたくさん使われていました。



その2については、明晩は無理かもしれませんが、
その後ぐらいに作成する予定です。



ねてしてタペ



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