その1 世界最古の企業・金剛組
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こちらから続いております。
老舗の企業が長い歴史を刻み続けることが出来ているのは、
頑なに伝統を守ることだけにこだわっているからではありません。
金剛組も様々な試練を変革で乗り越えてきました。
その時代ごとに合うスタイルで、
生き残ってきた企業なんです。
時代が求める製品にも、
老舗企業の技術が生かされていることもあります。
神奈川県にあるセラリカNODAの創業は1832年。
大塩平八郎の乱やモリソン号事件の6年前です。
この会社が扱っているのが、蝋です。
ウルシ科のハゼノキの実から
作られるのが木蝋で高級和蝋燭には欠かせません。
その他、鬢付け油の原料でもあります。
その製法は機械化されているものの、
基本的には昔から変わらないものです。
約5時間原料の蝋を溶かして精製、
これを巨大なローラー表面に付着させて乾燥、
出来た膜が木蝋となります。
この木蝋は現在、蝋燭や鬢付け油以外にも広く用いられています。
コピー機のトナーやヘアワックスでは、
木蝋の固まる力を利用しています。
この企業では今、木蝋以外も扱っていて、
ハチが巣作りで生み出す蜜蝋は、
チョコレートや錠剤、中華饅頭の表面などに使用され、
接触した部分が癒着することを防いでいます。
これらを手にした時に、
べたつかないのは蜜蝋のおかげだったんですね。
そして、CD。
コンパクトディスクにも蜜蝋が。
CDの記録層のピット(窪み)に書き込まれたデータを
保持するために蜜蝋が使用されていて、
世界中の多くのCDには、
セラリカNODAの蜜蝋が使われているそうです。
東京・銀座などに店舗を構える田中貴金属は、
金やプラチナなどのインゴット、
それらが使用されたアクセサリーで、
私たちにもよく知られた企業です。
この企業の本当の姿はこれだけではありません。
創業は1885年、元々は両替商でした。
ただ、他の同業者と違っていたのは、
創業者の田中梅吉がアイディアマンで、
金のかんざしを溶かし、延べ棒にして販売していたことです。
以後、金や銀を精製、
様々な金属の特性の技術を蓄えていきます。
その技術は、私たちの生活に欠かせない製品でも、
欠かすことの出来ない部品に生かされています。
携帯電話に振動機能のためのモーター内部には、
田中貴金属の極小部品が使用されています。
これも携帯電話の部品です。
薄さはティッシュペーパーほど、
大きさは1.6mm。
金8:錫2の合金製で、
これが携帯電話内部の水晶振動子の蓋の枠となります。
また、田中貴金属の十八番といえば、
創業当初から精製してきた金ですが、
これを薄く細く長く引き延ばし、
この金極細線となります。
その太さはなんと髪の毛の8分の1ほど。
田中貴金属が国内で初めて生産に成功したの部品は、
今やPCの集積回路、精密機器には欠かせない部品となっていて、
もちろん携帯電話にも使用されています。
このように、携帯電話一つだけでも、
田中貴金属の金属部品が約100ヵ所も使用されていて、
そのシェアは世界一を誇っているんだとか。
伝統を守るだけではなく、
その伝統を生かし新しい技術を生み出すことで、
これらの老舗企業は今も第一線で活躍し続けているのでした。
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ビーバップ!ハイヒール 「ニッポンの底力!技と心の老舗企業列伝」 その2 現代で輝く技術
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