この授業の先生は国際医療福祉大学の渡邊雄介教授でした。
同大学の東京ボイスセンターセンター長で、
耳鼻咽喉科がご専門です。
気象庁のデータによりますと、
ここ50年で東京の平均湿度は約17%も低下。
都市部は喉に厳しい環境になっているということなのでしょうか。
喉には1/1000mmほどの繊毛が並んでいて、
この繊毛が1秒に15回運動することで、
粘液の流れを作っています。
喉にウイルスなどが侵入しても、
繊毛が押し出してくれるという仕組みです。
しかし、それも繊毛が潤っているから可能な機能であり、
潤いが充分でないと、それらが体内の奥に入り込み、
感染症に至る事になってしまいます。
また、異物が肺に入ってしまうことで起こる誤嚥性肺炎による死者は、
2011年だけで約2万5000人も。
その原因ともなる声帯の老化、酷使なども馬鹿には出来ません。
そして急激なダイエットも…
番組では一つのテストが行われました。
ぜひ、皆さんも試してみて下さい。
この渡邊先生のように、
透明なコップの縁を鼻の下に当てて、
いつもどおりの呼吸をしてみましょう。
具志堅用高さんの場合は、
このように中が白く曇りました。
このテストは、鼻呼吸か口呼吸かを判定するものでした。
白く曇った場合は口で呼吸していることになります。
鼻には3つの空気の通り道があります。
その通り道は粘膜で覆われ、
ここを通った空気は加湿されて喉の方向へと流れていきます。
口にはそのような機能はありません。
喉に到達する空気はほとんど外気と同じで、
乾燥した環境なら、
乾いた空気が喉に到達することになってしまいます。
では、どれぐらいの人が口で呼吸してしまっているのでしょうか?
番組では50人の男女を調査、
口呼吸 27人
という結果に。
半数以上が口で呼吸してしまっているんですね。
口で呼吸しないための先生の提案として、
このようなものが勧められていました。
絆創膏を口に貼っています。
これで日常生活は出来ませんので、
睡眠時に行います。
眠ってしまいますと、水分補給が出来ないため、
最も体内が乾燥してしまいます。
それを少しでも抑えようというのです。
ただし、呼吸器疾患や鼻呼吸が苦しいと感じる方、
乳幼児は行ってはいけません。
昨年3月にポリープの手術を受けたのが
くりぃむしちゅーの上田さん。
上田さんは生姜湯を持ち歩き、
蜂蜜100%の飴をマメに口に入れられているようです。
これについて、先生が推奨するのは、
ガムでした。
ガムを噛むことで唾液が分泌、
喉を潤す効果が期待できます。
ただし、糖分が含まれていると、
唾液の粘性が増してしまいますので、
シュガーフリーがよいとのこと。
そして、もう一つ「喉スチーム」。
用意するのは、タオルとお湯、
そして、お湯1lに対し10gの塩、
同じく20gの重曹です。
この塩と重曹をお湯に溶かしタオルに染みこませ、
5分間口に当てて呼吸すると、
喉のケアになるそうです。
塩は喉を引き締め、
重曹は喉を潤わせる効果があります。
これがどの程度効果があるのか実験です。
喉が渇きがちだという20代男性、40代男性、
20代女性、60代女性が1週間、
朝晩1回ずつ5分間の喉スチームを行います。
喉スチームを行う前の喉には、
唾液が留まっていました。
これは喉に水分が不足しているために、
流れていくはずの唾液です。
それが1週間後に、その唾液は確認出来なくなっていました。
実験の結果、4人中3人で効果が確認されることに。
次は誰にも起こる喉の老化についてです。
その結果、リスクが高まるのが、
誤嚥性肺炎
です。
正常な声帯は、このように隙間なく閉じることが出来ます。
この閉じた状態の時に、
口から食べ物が入ってきても、
そこから先へは行かず、
呼吸器へは到達しません。
しかし、老化した声帯で閉じられず隙間があると、
その隙間に食べ物が入ってしまいます。
この声門閉鎖不全の状態が、
誤嚥性肺炎を引き起こすことになります。
また、比較的若ければ肺のほうへ食べ物が向かっても、
咳き込むことで排出することが可能ですが、
加齢とともに、肺に異物が入ったことに気付かなくなることも。
この誤嚥性肺炎の原因となる声門閉鎖不全が起こるのは、
何も年齢だけが関係しているわけではありません。
急激なダイエットを行いますと、
声帯までもが痩せてしまい、
上手く閉じられなくなってしまいます。
このような何らかの原因で、
声門閉鎖不全状態になりますと、
それは体力の低下にも繋がります。
声を出しながら力を入れますと、
大きな力を発揮できますが、
このように笛を吹きながら、
人為的に声門閉鎖不全にしてしまいますと、
本来の力が出せなくなってしまいます。
力が出せなくなると、
荷物などが持てなくなり、
筋力が衰えて体力の低下を招くということに。
その他、隙間があることで、
高い音が出なくなってしまい、
声が通らなくなり話すことが億劫に、
老人引きこもりにもなりかねません。
では、自分が声門閉鎖不全ではないかのチェックを。
楽な声の高さで
あ~
と声を延ばしてみて下さい。
男性なら30秒、女性なら20秒間、
声を出し続けられれば問題はありません。
それに満たない場合は、
上手く閉じていない可能性があります。
この秒数は意外に長いらしく、
この日の生徒9人のうち、
問題がなかったのは有田さんと藤本美貴さんだけでした。
喉の使いすぎで、休めば戻る場合もありますが、
老化の可能性も考える必要があるようです。
ではどうすれば、老化を防ぐことが出来るのでしょうか?
そのためのトレーニングを。
先生のように、胸の前で合掌、
左右から強く押しながら
エイ ビイ シイ
と5回、大きな声で言ってみて下さい。
「エ」と「イ」が声帯のトレーニングに良いそうです。
たとえば、毎日の入浴中などがおすすめだそうです。
簡単な方法ですが、
かといって無理をしますと、
逆に喉を痛めてしまうことにもなりますので、
注意して下さい。
この日の放送は楽しみにしていました。
今年は咳が酷く、風邪などの感染症には罹っていないんですが、
日によってずっと咳をしていることがあります。
そこで喉飴ではなく、ガムに切り替えたんですが、
どうやら間違っていないようで安心しました。
少なくとも外出時にはガムを噛むようにしてから、
ずっと咳をしている日はなくなりました。
私のブログを検索してみますと、
息は鼻から吸いましょう
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-10345820073.html
のどカラ2予報?
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-10357408506.html
風邪の予防法 鼻呼吸と口呼吸
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-10741028631.html
美味しいガムというものはなかなかないですね… ~口ではなく鼻で呼吸するために~
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11453503258.html
この話題をたくさん書いてきているんですね。
この日の番組で紹介されていましたが、
私もテープで強制的に口を閉じて寝ています。
こんなものもあるようですが、
100円の医療用テープで。
それにしても、美味しいガムが見つからないことに加えて、
ガムが喉に良いなら、
喉飴に相当する喉ガムがあればいいと思うんですが…
…と思ったら、あるにはあるんですね。
ただ、期待しているものとは違います。
そういえば、中国の大気汚染が深刻ですよね。
我が国の大気にも悪影響を与えることでしょう。
黄砂とともに運ばれてくる汚染物質が既に問題視されていますが、
それ以上の警戒が必要かもしれません。
日本でも呼吸器疾患が増えるのかも。
なおさら、口で呼吸しないようにしないと。