NASAは今回の隕石を大気圏突入前の直径17m、
重さ1万tだと試算し直しました。
現時点でのこの隕石の推定軌道は、
太陽と近日点で金星軌道付近、
遠日点では火星軌道の外側を通る楕円軌道で、
イトカワ(日本の探査機「はやぶさ」がここから粒子を回収)と同じ、
地球近傍小惑星(地球に接近する軌道を持つ天体)だとしています。
この小惑星は地球の地表面に対し、
20度未満の角度で18km/sで大気圏突入、
ロシア・チェリャビンスク州上空15~25kmで爆発した、
と推測しています。
また、16日に接近した同じく地球近傍小惑星「2012 DA14」とは
無関係だとも発表しています。
ロシア隕石軌道、NASA推定=元は地球近傍小惑星か - 欧州気象衛星が突入観測
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013021600314
さて、NHKの朝のニュースでは
1908年の同じくロシアのツングースカに次ぐ
というような表現がなされていました。
これは、この約百年前のロシア・シベリア、
ポドカメンナヤ・ツングースカ川上流で起こった大爆発の事を指しています。
時は日露戦争終戦から3年、
そして、第一次世界大戦、ロシア革命への混乱の中で、
その事件は起きました。
中央シベリアの町バナバラで、
男性が空が二つに割れるのを目撃。
彼によれば、その一方は赤い空だったとか。
そして、凄まじい爆音と地響きが彼を襲い、
彼の体は吹き飛ばされてしまいます。
その時の熱波に彼は服が燃えているようだったと証言しています。
この時の彼は"爆心地"から60kmも離れていたというのに。
これがツングースカ事件。
明らかに巨大な天変地異が起こったにもかかわらず、
当時の社会情勢のため、すぐには調査が行われませんでした。
また、シベリアという厳しい自然環境のにも阻まれ、
研究者たちがようやく現地に辿り着いたのは、
1927年のことになります。
研究者たちはクレーターがあるものだと予想していたようです。
しかし、彼らが目撃したのは、
爆発地点を中心に放射状に倒れている樹木800万本。
直立している木からは枝が落ちていて、
樹皮が剥がされていました。
このような森林が2000平方km。
推定される爆発のエネルギーは、
広島型原子爆弾と比較して約1500~2000倍とされています。
巨大な隕石が空中で爆発した結果だと推定されていますが、
完全に断定できる材料はありません。
ただ、もしも隕石、小惑星だとすれば、
重さ10万t、速度15km/s、
摩擦で生じた熱で24700℃まで大気を加熱、
高温高圧により、高度8.5kmの上空で爆発して崩壊、
熱と強風により、木々をなぎ倒したと考えられています。
少なくとも20世紀以降、
これが最も大きな隕石で、
そして、2番目が今回の隕石だということになりそうです。
ツングースカでは、周囲が人間が活動する場所ではなかったため、
人的被害は出ませんでしたが、
今回は大勢の怪我人、家屋に被害が出ました。
今回の隕石の爆発は広島型原子爆弾の20~30倍のエネルギー。
今回よりも、ツングースカのほうが
はるかに大きな爆発だった訳ですから、
そのエネルギーの凄まじさがわかります。
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1908年 ツングースカ大爆発 ~今回よりもはるかに大きい100年前の超巨大隕石~ -動画付き-
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