http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11601966303.html
こちらからの続きです。
カブトムシの一生は1年間です。
卵~幼虫として土の中で10ヶ月間過ごし、
さなぎになって1ヶ月間、
そして成虫となって子孫を残し生涯を終えるまでが1ヵ月です。
昆虫が幼虫から成虫へと姿を変える時に、
一度、さなぎという形になるのは、
さなぎのあいだに体を改造するためです。
大半の昆虫は幼虫と成虫で姿形、
食べ物なども変化しますので、
体の仕組みなども変えなければ成虫として生活できません。
甲虫は分厚い鎧を着ないといけませんし、
なんといっても角が必要です。
さなぎになるには、
そのための空間、部屋も必要なんですね。
普通、さなぎといえばほとんど動きませんが、
カブトムシは少し違います。
動いていますよね。
さなぎの時に体を動かすことにどういう意味があるのでしょうか。
それが2年前にようやくわかったんだそうです。
さなぎの時には無防備になります。
敵が来ても逃げることは出来ません。
実際にこのさなぎの部屋、土まゆといいますけれど、
壊してしまう者たちがいます。
最も危険なのが、なんと同じカブトムシの幼虫。
まだ幼虫の状態のカブトムシが近くにいる場合、
食事のために土の中をうろつき、
さなぎがいる土まゆを壊してしまうことがあります。
カブトムシの幼虫にとっての天敵の一つにモグラがいます。
だから、モグラの震動を感じ取ると、
幼虫は動きを止めてやり過ごそうとします。
カブトムシのさなぎは、
土に震動を与えることで、
幼虫の動きを止めて、
追い払おうとしていたんですね。
しかも、近くにカブトムシの幼虫が来ると、
それに反応してさなぎも動くようです。
以下、2011年10月の森林総合研究所による
その論文の概要が読めるページです。
カブトムシの蛹は振動で身をまもる
http://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2011/20111011-2.html
カブトムシのオスが樹液がしみ出ている場所に来てみると、
既にメスが来ていました。
樹液のありかは恋の舞台でもあります。
そこへ別のオスも現れました。
2匹のオスが餌場とメスを巡って争います。
しかし、そんなオスたちには構わず、
メスは他の餌場に行ってしまいました。
メスにとって何よりも大切なのは、
樹液をたくさんなめることなんですね。
栄養をたくさん摂って、
健康な卵を生まなくてはなりません。
オスたちが戦っているような場所では、
それも出来ないという訳ですね。
メスの食事優先の姿勢は交尾の時にも続きます。
樹液をなめることをやめません。
交尾がおわります。
すると…
オスはメスを角で投げ飛ばしてしまいました。
これはいったいどういうことでしょうか?
カブトムシの成虫の期間は1ヵ月。
オスは出来る限り
多くのメスに自分の子を生んでもらいたいもの。
だから、交尾が済むとその場所からメスを豪快に追い出します。
代々、そういう行動をとるオスの子が
そうしないオスよりも多くの子孫を残せてきたので、
カブトムシにはこういう習性があるんですね。
一方、投げ飛ばされたメス。
オスとは違い、角が折れる心配もなく、
また別の餌場へと向かうことになります。
実は、メスにはメスの戦略もあるんです。
カブトムシの脚は触ると痛いですが、
特にメスには要注意です。
メスの脚にはこのようにオスよりも長いトゲがあります。
このトゲは交尾のためにオスが近寄ってきた時に使います。
このトゲでオスのお腹にこすりつけて攻撃するんですね。
こうしてメスはすぐにオスを受け入れることはありません。
そうすることで、粘り強いオス、
健康なオスを選んでいると考えられています。
また、そうして時間を費やせれば費やさせるだけ、
その時間、より多くの樹液をなめることも出来ます。
そう考えると、メスは交尾の後投げ飛ばされることがわかっていて、
そのための時間稼ぎをしているのかもしれませんね。
カブトムシの成虫に天敵となる昆虫はいません。
しかし、昆虫以外から見ると弱い存在です。
フクロウはカブトムシやクワガタムシを食べますし、
カラスも天敵となります。
その他、タヌキやイノシシ、テンなどの森の哺乳類たち。
カブトムシやクワガタムシは夜行性、
そして、重い鎧を身につけているため、
俊敏には動けません。
カブトムシたちはフクロウにとって、
簡単に手に入るごちそうなんですね。
それでも、彼らは樹液と交尾の相手を探し、
毎晩、木の幹へと向かいます。
彼らにとって子孫を残すことは、
それは命がけで成し遂げた成果だったんですね。
落ち葉の上をメスのカブトムシが歩いています。
メスは落ち葉の奥へと消えていきました。
メスは直径2~3mm程度のこんな卵を20~30個ほど生みます。
卵は2週間ほどで孵化。
この幼虫はまだ1cmほどの大きさしかありません。
次の夏にはあの立派な姿を見せてくれることでしょう。
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