今夜も先月10日の番組から。
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11731994303.html
こちらから続いております。
どこかで聞いた話だったり、
そんな話を真に受けたままだったりして、
実は違っていたなんてことがあります。
炒飯を作る時に、ご飯をパラパラに炒めるための裏技として、
このようなものが検索されましたが、
この中にウソが一つあります。
A. サラダ油の代わりにマヨネーズでご飯を炒める
B. ゼラチンを混ぜて炊いたご飯を使う
C. 冷やご飯にサラダ油を絡めてから炒める
スタジオで実際に作ってみて、
実食していましたが、
美味しそうだったのは2つだけでした。
パラパラ炒飯ということは、
つまり米粒どうしがくっつかないということです。
そのためには米粒をコーティングする必要があります。
その効果的な方法はどれか、
まずはサラダ油の代わりに
マヨネーズで炒める方法はどうでしょうか?
マヨネーズというのは、本来混ざらない水と油が
卵の働きにより、水の中に油の小さな粒が混じり合った状態、
これを乳化といいますが、
このために、水分が多いご飯との馴染みやすく、
油が米の表面をコーティングしてくれることになります。
次のゼラチンの主成分は動物性蛋白質です。
炊飯時にこれを入れておくと、
お米の中のデンプンを閉じ込める効果があります。
炊いたご飯がパラパラにならないのは、
お米の中のデンプンが表面の水分に溶け出し、
その粘り気でパラパラにはなってくれません。
ゼラチンの動物性蛋白質は、
予めお米の周りをコーティングしてしまうので、
デンプンを閉じ込めることが出来、
よってパラパラの炒飯に適したお米が炊きあがるという理窟です。
最後に冷やご飯にサラダ油という方法ですが、
常温の油はそれ自体に粘性があり、
また、上でお書きした乳化の状態にもなっていないため、
冷やご飯に混ぜた場合、
よりベチャついた炒飯になってしまうようです。
続いては、家事のお話。
A. 汚れた食器は一晩つけ置きにしておくとよい
B. 食器などに貼られているバーコードなどの
シールを剥がすにはドライヤーの温風を当てるとよい
C. 賞味期限が迫った生卵はゆで卵にして保存するとよい
この問題では、2つがウソとなっています。
実践した方がいいのは1つだけ。
まずは食器の一晩つけ置きから。
実際に食事後の食器を9時間つけ置きして、
その水を採取、それを培養したところ
細菌数は1mlあたり90万個になりました。
つけおきした直後の水でも培養してみましたが、
その数は90個。つまり、9時間のつけ置きで、
細菌が1万倍に増えています。
食器についている食べかすなどが栄養分となったため、
細菌が増えたのでしょう。
ある意味、つけ置きという行為が
細菌を培養しているともいえます。
ちなみに、1mlあたり90万個という数は、
一般的な便座の10倍という数字だそうです。
ということで、これはウソ。
続いて、食器などに貼られているシールを剥がす方法として、
ドライヤーで温めるというもの。
こういったシールは、温度が上昇すると、
粘着効果が弱まってしまいます。
ドライヤーで30秒ほど温めた後、
ゆっくりと剥がすと跡が残りにくいようですね。
昔「伊東家の食卓」で、
値札やバーコードではなく、
ジャムなど瓶のラベルの剥がし方でも
同じ方法が紹介されていたと記憶しています。
ただ、こういった瓶には水に強い接着剤が使用されていて、
だから、水に浸けてから剥がそうとしても、
跡が残ってしまいがちになります。
反面、高温に弱い性質がありますので、
温めるとよいと説明されていたような記憶があります。
ドライヤーではなくアイロンだったかも?
最後の賞味期限が迫った生卵について。
私は中学の頃に実験したんですが、
卵ってほんとうになかなか腐らないんですよね。
番組では割った生卵を2日間放置して観察、
培養してみても、新鮮な卵の結果と変わりませんでした。
これは卵の白身に含まれるリゾチームという酵素が
菌を分解するからです。
ただし、それは生卵の話。
茹でてしまいますと、リゾチームは働きません。
ゆで卵を2日間放置した後では、
細菌数が1gあたり280,000にも。
これは2日間放置した生卵の千倍。
ゆで卵の状態で保存するのは危険な行為といえます。
なお、番組では触れていませんでしたが、
生卵でも、殻にはサルモネラ菌などが
付着している可能性があるため、
やはり、生で食べるのはすすめられないと思います。
加熱調理が必要だと考えます。
最後は都市伝説のようなものから4つ。
A. 緑を見ると視力が上がる
B. あくびは人にうつる
C. 低血圧の人は寝起きが悪い
D. カルシウムが不足すると短気になる
この中に真実が1つ、ウソは3つとなっています。
まず緑のものを見たとしても、
視力が上がるということはありません。
遠くのものを見ることで視力低下を防ぐ、
緩やかにすることは出来ても、
視力がよくなる訳ではありません。
緑色、特に植物の緑は人間にとって癒しの心理効果があるのでしょう。
精神的な疲れが和らぎ、疲れ目にも意味があるのかもしれません。
そんなことから、こんな都市伝説が生まれたようですね。
あくびは人にうつります。
番組では脳の酸素が不足し、血流が悪い状態で
あくびが起きるため、
それを危険のシグナルとしてそれを見たものが
同様に酸素を取り入れようとあくびをする、
と説明されていました。
昔、私もそのように認識していたんですが、
すイエんサー「あくびがうつっちゃうのをなんとかした~い!!」
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-10642260705.html
すイエんサーではそれを否定、
実際のところ、うつるのはわかっているものの、
その理窟はよくわからないと考えるべきかもしれません。
ともあれ、唯一のホントはこれでした。
CとDはなんと番組では一切触れていませんでした。
解説ビデオもあったとは思いますが、
カットされたのでしょう。
よってこちらでお書きします。
低血圧症の場合、自律神経の働きが弱い事が多く、
また、血流量が少なめなために、
寝起きの時の思考力回復、
運動機能の回復が遅くなりがちではあると思います。
病院でも薬が処方されたりもするようです。
カルシウム不足と短気については、
随分前に否定されてはいるんですが、
もしも、影響があるすればこのように説明するべきでしょうか。
私たちの血液中のカルシウム濃度はほぼ一定に保たれています。
もしも、足りなくなると骨からカルシウムを作り出して、
補充しています。骨粗鬆症はそのために起こるともいえます。
カルシウムが足りないことで、
そういった身体に変調を来しますと、
精神にも影響を与えることでしょう。
イライラするかもしれません。
…という説明です。
ただ、これですと三大栄養素の蛋白質、脂肪、炭水化物、
各種ビタミンでもそうですし、
身体に必要な栄養素は全て精神に影響を与えるため、
短気を招くといえることになってしまいます。
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ひつじオオカミ ~日常に関するネット情報のウソ・ホント~ その2
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