Kiss and Cry
国内大会ですので、
キスはあまり見られるものではありませんが、
今年のフィギュアスケート全日本選手権では、
多くの涙が見られました。
その中には歓喜の涙も悔し涙も、
あるいは他の思いのこもった涙も。
安藤美姫選手「母としてソチオリンピックを目指す」 -産後の彼女の驚異の演技を動画で-
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11565331513.html
7月のこの記事で私は
彼女のこの挑戦を見守るほうが、
父親捜しなんかよりずっと凄いものが見られるはず
とお書きしています。
本当に凄いものが見られました。
ショートプログラムでは、
会場中が総立ちで彼女の演技を讃えました。
フリーではジャンプに失敗が目立ち、
私は筋力、持久力面で厳しいのかと思いましたが、
試合直前に予定を変更していたんですね。
「ジャンプの安藤」と言われた時の気持ちでやりたかった
とより高難度のジャンプに挑戦、
残念ながら、いい結果にはなりませんでしたが、
逃げてきれいに終わるのではなく、最後は挑戦して、自分らしく終わりたかった
と。
安藤美姫「自分らしく」貫く 逃げずに跳んだ最後の銀盤
http://www.asahi.com/articles/ASF0TKY201312230228.html
4月に女の子を出産、
彼女が氷上に戻ったのはひと月後だったとか。
彼女自身、リンクで滑ることを楽しみにされていたようで、
しかし、
こんなにできなくなるんだ
と、スケート靴すら重く感じたんだそうです。
筋力の衰えに驚かされ、
今までしてこなかった筋力トレーニングを毎日2時間行うことに。
深夜のリンクでも猛練習、
周囲のサポートがあるにせよ、
赤ん坊のいる産後数ヶ月の母親にとって、
どれだけたいへんなことか。
この会場では、自分は母ではなく選手
この大会では彼女に母親としての質問が集中し、
それに対してこう応じたそうです。
フリーの演技を終えて万雷の拍手の中、
頬を涙で濡らす彼女は、
インタビューでこう答えています。
今までで一番幸せだと思えたのは、スケートに出会えたこと。胸を張ってやってきたと言える。子供が大きくなった時、自分の歩んできた道を、スケートのすばらしさを、自信を持って伝えられると思う
まだ8ヵ月ぐらいの赤ちゃんが
今後どのような道に進むことになるのか、
お母さんもわからないことでしょう。
しかし、この全日本選手権までの軌跡と演技は、
お子さんにとっても宝物になるのではないかと思います。
自分に初めてスケートを教えてくれたような、コーチになりたい。教え子を五輪に連れて行きたい
このようにも話しているそうです。
競技復帰の段階から、引退をにおわす発言がありましたが、
本当にこれが最後なのでしょうか。
時間があと何ヶ月かあったなら、とも思います。
彼女の公式Facebook
安藤美姫[Miki Ando] Official
https://www.facebook.com/miki.ando.official
には、
「現役引退」という報道がされていますが、スケートは続けるでしょう。いえ、続けてもらわなくては困ります。過去の国際経験や今回の挑戦で得たものを、次世代に受け継いでいくのも、大切な役割のひとつでしょう。
とあります。
「天才」と呼ばれた彼女ですが、
ただの才能だけの選手が
2度も世界選手権で頂点に立てるはずはありません。
彼女の今後の姿にも注目したいです。
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安藤美姫選手、全日本選手権にて万感の演技 ~最後は挑戦して、自分らしく~
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