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所さんの目がテン!「料理ベタの科学」

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最近、初心者向けのレシピ本をよく見かけるような気がします。
そして、レシピ本の中から、
健康面を考えたこのような大ベストセラーが生まれてもいます。





みんな料理をしてみようという気はあるのかもしれません。
しかし…

料理が下手だという人の特徴として、

味見をしない

という傾向があるのではないか、
番組ではその検証に取りかかります。
たしかに、なぜか自信があるんですよねえ。
なぜかオリジナル要素を加えたがるわりに、
味見をしない…、で、とんでもないことになる…。

しかし、味見をしないことで、
具体的にどのような影響が出るのか、
確かめてみます。

普段あまり味見をしないと仰る主婦5人に
味見なしで料理を作ってもらいます。

作るのは味噌汁。
お手本を料理研究家の中山桜甫さんが作り、
その味との差を比べます。

まずは主婦5人にお手本の味噌汁の味を確認してもらいます。
実際に味噌汁を作り、先生に味を判定してもらう訳ですが、
先生は見た目だけで不合格にしたい様子です。
そういう訳にはいかないいので、
先生にはしっかりと味を確認してもらったところ、
5人とも不合格という判定でした。

塩分濃度で見てみましょう。
先生が作った味噌汁は1.6パーセントでした。
この値に近ければ合格ということになります。

所さんの目がテン!「料理ベタの科学」

これが5人の味噌汁の塩分濃度の値です。
薄味が好みとかいろいろとあって、
それがつい出てしまったとかいうレベルではありません。
あまりにも薄すぎます。
しかし、今回は全く味見をせずに作った味噌汁でした。
ならば、味見をして作ればお手本の味に近づけるはずということで、
次はしっかりと味見を10回して作ってもらいます。
なお、5人には先ほどの経験から分量の予測がつかないよう、
鍋の中のお湯の量は変えてあります。
そして出来上がったものを先生が判定したところ、
また全員が不合格ということに。

所さんの目がテン!「料理ベタの科学」

塩分濃度を見てみますと、
先ほどとは違い、全員が濃すぎるという結果になっています。

料理をされる方の中には、
ご存じの方もいらっしゃると思います。
味見ってしすぎると、正解がわからなくなるんですよね。
私たちの舌は短時間に同じ味の刺激を受け続けると、
舌から脳へ味の情報が伝わりづらくなっていきます。
だから、味がわからなくなるという訳なのでした。

そこでまたお湯の量を変え、
5人に味見の回数を3回に限定して、
味噌汁を作ってもらいました。
その味噌汁の塩分濃度がこちら。

所さんの目がテン!「料理ベタの科学」

お手本の味噌汁の1.6%にかなり近づいています。

味見を全くしないのは論外であり、
そしてし過ぎるのもよくないというお話でした。



次は手抜きの問題。
番組ではよく手抜きされがちな手順として、

・肉を常温に戻してから焼く
・油揚げは油抜きをする
・根菜を煮る時などの面取り


で確認していました。

肉では1時間冷蔵庫に入れてていたものと、
常温に放置しておいたもので比べます。
塩胡椒や焼く時間、火力などは全て同じです。
この二つのステーキを街の人たちに食べてもらって、
どちらが美味しいかを判定してもらいます。

所さんの目がテン!「料理ベタの科学」

10人の試食結果がこちら。8対2でした。
Aが常温の肉で、Bが冷蔵庫から取り出したばかりのものを焼いたものです。
これはたしかに、
冷たいままの肉をステーキにしたものだと
美味しくないといえそうです。

次は油揚げの油抜きです。
作るのはいなり寿司。
一方は油揚げを熱湯に浸し、
しっかりと油抜きをします。
そして、もう一方はこの油抜きをしません。
これらをそれぞれのの鍋で、
同じ味の煮汁で30分間煮込みます。

所さんの目がテン!「料理ベタの科学」

ステーキと同じようにして試食してもらった結果、
半分ずつになってしまいました。
油抜きをしていないほうにも、
半数の人がより美味しいと答えています。

次は大根の煮物で、
面取りをしたものと、
していないもので確認します。

所さんの目がテン!「料理ベタの科学」

これも5対5で、どちらが美味しいとはいえないようです。
手抜きをして不味くなるものと、
不味くならないものがある…、
この理由も料理をされる方であればおわかりでしょうか。
最後の大根の面取りは煮崩れさせないためのものでした。
味に決定的な影響を与えるものではないため、
試食後の結果に差は出なかったのです。
また、油揚げの油抜きは、このいなり寿司ですと、
30分間煮ているため、油抜きをしたものとそんな変わらなくなりました。
それらに対して、常温に戻すべき肉を、
冷たいと肉質が締まりすぎていて、
火の通りが悪くなっています。
だから、冷たいまま焼きますと、どうしても堅くなってしまう訳で、
焼く1時間前ぐらいには常温に戻しておきましょうという訳なのでした。

これらの知識は、料理に慣れている人であれば、
どこで手を抜けるかを判断出来るはずです。
しかし、そうでない人はある程度、
常識やレシピに従ったほうがよいといえるでしょう。


次は料理下手という話題から少しそれますが、
隠し味についてです。
カレーで確かめます。
武蔵野調理師専門学校の飯尾哲司先生に、
市販のカレールーの箱のレシピにある通りに作ってもらいます。

これに隠し味を加えていきます。
加えるのは

・すり下ろしリンゴ
・ヨーグルト
・赤ワイン
・刻んだチョコレート


です。先生が隠し味として適量だと考える量を加えました。
4つの隠し味入りカレーが出来ましたが、
対照としての市販のカレールーのままのものと合わせて、
5つのカレーでどれが美味しいかを確認します。
もちろん、隠し味については秘密です。
街で30人に協力を仰ぎ、試食してもらいます。
30人にはどれが一番美味しいか答えてもらい、
その集計がこちらになります。

所さんの目がテン!「料理ベタの科学」

なんと、何も工夫しないそのままのカレールーが
トップになってしまいました。
これはどういうことでしょうか?

蒲田栄養専門学校の名倉千恵子校長によりますと、

カレールーは、それぞれのメーカーの開発の方が、
長年かかって一番美味しいと思われるような
様々なスパイスの配合を考えて作り出されたものです。
ですから、かえって他に何かを加えると、
味のバランスが崩れて美味しくなくなってしまう
というふうに考えられます。


とのこと。
今回は調合されているカレールーの例でしたが、
市販のレシピについても同様で、
料理経験の少ない人がアレンジを加えてしまうと、
不味くなるという危険性が高くなってしまうという訳なのでした。

でも…、何だかヘンなこと、
したがりますよねえ…。
なぜなんでしょうか?
まずは普通に作れるようになるのが先だと思うんですが…


ともあれ、まとめです。

目がテン流 料理ベタ克服法

一、味見は3回程度!
二、味に関わる手抜きはするな!
三、自己流アレンジはするな!


以上、身の丈にあった料理をしましょう。



ねてしてタペ


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