http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11836325737.html
こちらからの続きです。
まだ魔女がいる。
村中はさらなる混乱に陥りました。
当時、この地域は社会的な不安要素がありました。
母国英仏間の戦争、アメリカ先住民の襲撃、
また、入植地特有の問題もありました。
この地がヨーロッパからの入植者によって開拓されたのは、
この頃よりも60年程前のこと。
彼らは自らの力で開拓し、その土地を占有してきましたが、
その後、新たにやってきた新入植者は
金銭などでその土地に住み着き、
商業で力を持ち始めていました。
これら、昔からの住人と新しい住人の間で
村の運営などで意見が対立し、
お互いを警戒、トラブルが多発しています。
村人たちの不安と疑いを火種に、
魔女探しは激しさを増していきました。
少女たちが魔女として様々な人物の名前を挙げる中に
一人の老婆がいました。
彼女はレベッカ・ナース。
敬虔なクリスチャンで、村人たちからの尊敬を集めていた人物です。
「彼女が魔女であるはずはない」として、
村人たちはレベッカの無罪放免を求める嘆願書を提出、
しかし、彼女が自由の身になることはありませんでした。
村人たちは正常な判断力を失っていたのです。
審問の場で、少女の一人が部屋の暗がりを指さし
あそこにレベッカの生き霊が!
と叫びます。
レベッカは必死に自分は魔女ではないと
身振り手振りを交えて熱弁します。
すると、今度はまた少女の一人が床に寝そべり仰向けになり、
レベッカの身振りと同じ動きをしています。
それを、村人たちはレベッカが少女に
生き霊を取り憑かせたと判断、
それを魔女の証拠として、彼女は有罪となりました。
魔女は5人だったはずが、
その数を超えても少女たちは告発を続け、
村人たちの魔女狩りも止みませんでした。
裁判は100%有罪。例外はありません。
魔女とされた人が無実を主張すれば、
待っているのは拷問です。
多数の岩を体に乗せられたり、
体中に針を刺されるなどしました。
そして、自白すると待っているのは絞首刑。
ひとたび、魔女とされてしまえば、
待っているのは拷問による死か、
首をくくられて死ぬかどちらかになります。
村人の中には、この騒動の原因が魔女なんかではなく、
あの少女たちにあると主張した男もいましたが、
彼も魔女として告発されてしまいました。
こうなると、告発や裁判に疑いの声を上げることはできなくなります。
そうすれば、自分が魔女にされてしまう可能性があるからです。
やがて、魔女狩りはボストンなどの周辺地域に飛び火、
これはセイラムの村人が、
自分たちへの疑いを逸らすために、
他の地域の人たちを魔女として告発したのでしょう。
当時のセイラム村の人口は1700人のうち、
100人以上が魔女として逮捕されています。
次々と魔女とされた人が処刑されていく中に、
隣町の牧師もいました。
彼は処刑される直前、
聖書の一節を諳誦します。
魔女が聖書の言葉を読み上げることは出来ないはず。
彼は魔女ではないのではないか、
皆がそう思い始めた時、
皆さん、騙されてはなりません!
一人の男が進み出て叫びました。
この男は神学者で魔女研究者で有名なコットン・メーザー。
悪魔は時に、天使を装って
私たちの前に現れるのです!
この言葉に、村人たちは最後の歯止めを失いました。
処刑された者 19人
拷問死 1人
逮捕者 200人
最終的には大勢の犠牲者を出していきます。
この異常事態を知った州知事が裁判の停止を命令、
そして大赦が行われ、この惨劇は収束します。
事の起こりから1年半が過ぎていて、
村人たちはその間、自ら魔女狩りを終わらせることは出来ませんでした。
魔女狩りは遠い昔のことではありません。
約1年前のボストン。
ボストンマラソンで爆弾テロが起きました。
メディアやインターネット上で犯人捜しが行われ、
大勢の無関係の人が容疑者として晒されました。
少女たちの異常行動の原因は不明なままで、
それは
集団パニック?女子生徒18人搬送 兵庫高校 -「特命リサーチ200X」こっくりさんは本当か?-
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11556244419.html
ここにあるようなことなのかもしれません。
番組にはありませんでしたが
実際、セイラム村の少女たちは
親たちには秘密で降霊会を行っていたそうです。
そこに社会的な不安があると、
その社会全体にとっての
生け贄
が作られることがあります。
それがこの魔女でした。
それに、この魔女の概念は
キリスト教が広まったことで獲得された価値観に過ぎないのです。
↧
幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー「実録!魔女狩りの恐怖」 その2
↧