アブソリュートポジション、N354W836E076S299。
ポジション確認。
アブソリュートタイム、B0984524年45時54分23秒。
えー、西暦変換しますと、1793年3月5日9時31分44秒。
無事タイムワープ成功しました。
コードナンバー393465、
これから記録を開始します。
この年江戸の町では奇妙な怪奇現象が頻発していた。
何が起きているのか?
私はある一軒の屋敷に向かった。
えー、無事に屋敷の中に入れそうです。
この時代の人々にとって、
私は時空を超えた存在となります。
彼らにとって私は宇宙人のような存在です。
彼らに接触するには細心の注意が必要です。
私自身の介在によってこの歴史が変わる事もありえるからです。
彼らに取材を許してもらうためには特殊な交渉術を用います。
それは極秘事項となっており、お見せする事はできませんが、
今回も無事密着取材する事に成功しました。
私はまずこの石黒家の下女、まつに話を聞いてみることにした。
「何かが割れるような音がして、それで目が醒めまして、
お勝手のほうに様子を見に行ったのでございます。
そしたら、お皿やなんかが辺り一面に散らばって、
割れているじゃありませんか。
もうびっくりしてしまって…」
私はその土間へ案内してもらった。
これがその時の皿だという。
皆、気味悪がって、その時のままになっているという。
本来、皿は真下には落ちずに、
あるべき棚からは5mぐらい離れた位置に落ちた皿。
これはどういうことだろうか?
続いて、奉公人の正蔵にも話を聞いてみる。
「夜中、寝ている時でございます。
妙な音で目を醒ましまして…
壁をドンドンと叩くような音でございます。
始めは誰かが厠へ歩いて行く音かと思っていたんですよ。
でも、一層音が激しくなって、
意を決して、戸を開けて外へ出たのでございます。
すると…、誰もいないんですよ」
風の音とかではないんですか?
「…風の音とかとはちょっと違いましたね」
物置部屋で同じ奉公人の平助にも話を聞く。
「昨日の話なのですが…、ほら、これ。
この行燈の蝋燭に勝手に火が付いたとしか思えねえんです」
「行燈が飛び上がったんじゃないかと思うんだけどねえ」
話を継いだ下女のぎんの話は信じられないものだった。
この障子に火が勝手に飛び移ったというのだ。
すぐに気がついて火を消したので大きな火事にはならなかったが、
少しでも発見が遅れれば犠牲者が出るところだ。
「こんだけいろんなことが起こるなんて、
このお屋敷は祟られているのかもしんねえ…」
当時のこれと似たような事例が言い伝えとして数多く残されている。
これらは幽霊や妖怪が原因なのだろうか?
この屋敷の当主は石黒新左衛門。
先代を早くになくし、若くして家督を継いでいる。
「うん…、家の者たちがだいぶそう騒いでいるようでござる。
皆は幽霊だ、妖の仕業、
はたまた祟りだと申しておるが、
馬鹿馬鹿しい。そんなもの、おる訳がなかろう。
如何にしても正体を突き止めたいと思っておる。
この一件で母上が憔悴しておるからな。
気のせいだとなだめておるが、
凶祓いの札だなんだのと、
よく分からぬ物に手を出して難儀しておる」
彼の母の千夜と家の女性たちが土間に御札を貼り付けていた。
千夜にも話を聞いてみる。
「奉公人たちから話は聞いておりましたが、
わたしくもあまり気にはしてはおりませんでした。
しかし…、わたくしも実際に変な音を聞いたり、
己が動かしておいた物が別の場所に勝手に動いたりと…
今は我が家にとって大事な時です」
どうやら、今、新左衛門に縁談があるらしい。
悪い風聞は避けたいというのは当然だろう。
私は原因を探るため、怪奇現象が起きたとされる
土間や裏庭、物置部屋に監視カメラを設置し、
それを廊下で監視することにした。
午後9時、観測開始。石黒家の人たちは寝床に入った頃だ。
0:15 変化はなし。
3:20 何も起きない。
その時だった。
白い布がかすかに動いた?
風の影響だろうか?
その直後!
ほうきが倒れた!
急いで土間に向かう!
たしかに皿が割れて落ちていた。
宙を飛んだ皿。
まるで幽霊に操られているようだ。
家の者たちも起きてきて、不安な声を上げている。
ただ、新左衛門は狼狽している母に近づき、
「母上、心配なさるな。
皆もそう騒ぎ立てるでない。
祟りや妖なぞ、あるわけがなかろう」
落ち着かせようとしている。
そして、下女に向かって
「さき、母上を部屋へお連れしてくれ」
と命じたのだった。
いったい、なぜ皿が飛んだのか、
映像からその原因を突き止めることは出来なかった。
翌日、屋敷に修験者を招き、
護摩が焚かれ祈祷が行われた。
祈祷を終えた修験者が言うには、
この祈祷で奇怪な出来事は収まるという。
石黒家の人たちは皆、
これで怪奇現象は起こらないだろうと安心していた。
ところが!
奇怪な音が部屋に響き渡る。
屋根に何かが当たっているような音だ。
原因を突き止めるべく、
裏口の戸を開けたその時!
空から石が降っている!?
修験者が怪異を祓うべく何やら唱えている。
恐怖のあまり、誰も外に出られない。
石の雨は深夜まで続いたが、
原因はわからないままだった。
このような事例は他にもある。
その記録によれば、ある与力の屋根や雨戸に石が打ち付けられ、
火のついた薪が宙を飛んだという。
この与力も修験者を呼び祈祷したようだが、
ポルターガイスト現象は続いたらしい。
家中の者で、庭に落ちている石を拾う。
私もそれに加わる。
こんなものが降ってきていたようだ。
その横で新左衛門が何かを見つけたようだ。
それを見せてもらう。
このキノコは…?
…続きます。
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