カリフォルニア州モントレー湾、
ここに広がるジャイアントケルプの森に
カリフォルニアラッコは暮らしています。
海面で過ごす彼らですが、
食料であるカニや貝は海底にいるため、
潜ったり浮かんだりを繰り返すことになります。
食事が終わると毛繕いをしなければなりません。
まずは水面で丸太のように回転し、
これで食べかすを落とします。
次に丹念に体の毛から水を追い出します。
こういう作業は1日あたり、5時間にもなるそうです。
ラッコの毛には空気を溜め込む特別な仕組みがあり、
長く太い毛の周りに細かい毛が無数に生えていて、
その密度は1cm四方で15万本にもなります。
人間ではどうかと頭髪で調べてみますと、
110~250本ほど。
ラッコの毛は人間の頭髪の千倍ぐらいの密度だといえるでしょうか。
この毛の間に、たくさんの空気を溜め込むことが出来、
この空気の断熱効果で冷たい海でも平気で暮らせるという訳なのでした。
しかし、この毛皮に目をつけた人間たちによって、
彼らは不幸に陥り、絶滅寸前になってしまうのですが…
道具を使うラッコ。
石に貝を叩きつけて割る時には、しっかりと蝶番の部分を狙って、
効率よく貝を割ります。
時には貝で貝を割るというような技も。
また、カニを食べる時には、
脚を外してから食べます。
ラッコの前肢、手はこのようになっています。
突起がたくさんあり、
そのために両手で器用に貝などを掴むことが出来ます。
ラッコといえば海面で仰向けになって、
貝などを食べているイメージがあります。
実際のラッコもそうで、かなりの時間、
量を食べています。
一日の食事量は10kgにもなるとか。
ラッコの体重が40kgだとすると、
自分の体重の4分の1もの量を食べている事になります。
仮に、この1日の食事量を全て毛蟹で賄ったとすると、
25匹食べなければなりません。
ウニならば60個、アワビだと70個を食べる事になります。
番組では「贅沢な海のごちそう」だと言っていましたが、
もちろん、ラッコが贅沢をしている訳ではなく、
元々、アシカなどの他の水棲哺乳類よりも泳ぎが上手ではないため、
魚を捕まえることが出来ないため、
このようなものを食べる事になっています。
そして、ラッコが食べるこれらは、
アシカなどが食べる魚よりも栄養価がかなり低いため、
多量に食べなければならないということになります。
めったに陸上には上がらないラッコは、
子育ても海の上で行います。
泳げない子供をお母さんは体の上に乗せて、
授乳や毛繕いをします。
この赤ちゃんのための毛繕いにも5時間を費やすとか。
赤ちゃんの毛繕いが終わると、
体の上から海面へと赤ちゃんを下ろします。
丁寧に毛繕いをしているため、
赤ちゃんは海面に浮いています。
そして、お母さんは海へ潜り、食事を捜します。
この時、両手に持っていたのはユムシでした。
おそらく、子供のために忙しいので、
自分の食事には時間があまり割けず、
食べられるものであれば選り好みをせずに、
捕らえてきたのでしょう。
赤ちゃんがお母さんの体の上で過ごすのは、
2ヶ月ぐらい、3ヶ月目ぐらいになりますと、
少し自分で泳げるようになります。
母親がくれる貝などの味と匂いを憶え、
貝を割る姿を見る事で、この技を憶えるのでしょうか。
この頃、赤ちゃんにとって危険なのがカモメです。
カモメは赤ちゃんが手にしている食料を奪おうとします。
この時のカモメの攻撃で、
命を落とす赤ちゃんラッコも少なくないそうです。
海面には身を隠す場所はありません。
赤ちゃんはまだ泳ぎ始めたばかり。
逃げられるはずはありません。
そんな時に現れるのがやはりお母さんで、
お母さんがカモメを威嚇し、
赤ちゃんを抱きかかえてようやく逃げる事が出来ました。
何もない広い海では、お母さんだけが頼りなのでした。
カモメから見れば、仰向けに食料を持っているラッコは、
とてもよく目立ちます。
そもそも、なぜラッコは仰向けに浮いているのでしょうか?
ラッコの分類を見ますと、イタチ科カワウソ亜科に属しています。
先祖であるイタチの類が海へと進出した訳ですが、
時期としてはクジラやアシカなどよりずっと後になってしまいました。
つまり、生存競争においては、
海での生活に適応させる時間があまりなく、
他の海生哺乳類たちよりも体の変化をさせられませんでした。
特に問題は呼吸で、体の変化が追いついていないため、
泳ぎ方で適応しようとしているんです。
これが現代のイタチ、
直立したオナガオコジョです。
このまま海に入ると呼吸が難しくなるので、
仰向けになっているという訳です。
それと、このようにラッコは水面で両手を海上に出していますけれど、
これは手のひらに毛が生えていないので、
水の中に入れてしまうと、体温が奪われてしまうため、
このような手を合わせるような仕草になります。
器用な手のためにも、仰向けに浮いているともいえるでしょうか。
赤ちゃんが一人で泳ぐ事が出来るようになってきた頃のある朝、
まだ心細いのか、甲高い声を出してお母さんを呼んでいます。
そして、居心地のいいお母さんのお腹の上へと登り、
お乳を飲もうとしますが、
お母さんは体を丸太のように回転させてしまいました。
これではお乳が飲めません。
その日の夕方、お母さんが食事を手にしていました。
子供はそれを欲しがりますが、
この時のお母さんはそれを手放しません。
赤ちゃんの乳離れまであと数ヶ月です。
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