竹田恒泰先生の昨日のTweetです。
典子女王殿下と千家国麿様のご婚約内定を、心からお慶び申し上げます。千家様はゆくゆくは出雲大社の宮司をお務めになる方です。お二人のご結婚は、歴史的にも意義深く、皇室が出雲を重んじる古事記の精神を現代に体現するものと言えましょう。幸せなご家庭をお築きになることを願って止みません。弥栄
https://twitter.com/takenoma/status/471147653565149185
[典子女王殿下ご婚約] 現状で「典子女王殿下」を用いる主要メディアは産経のみ。他は「典子さま」を使用。オール殿下計画はまだまだだ。東京電力に負けてられぬ。以前寛仁親王殿下薨去で産経が「寛仁さま薨去」と報じた際、私は産経に抗議した。いまや産経だけが正しい敬称を用いている。
https://twitter.com/takenoma/status/471153286146306048
たいへんな慶事であることは当然なんですが、
典子殿下は女王という称号であることを
このTweetで初めて知りました。
調べてみますと、皇室典範で、
天皇からみて直系で三親等以遠の女性皇族について、
この称号を用いることが決められているようです。
そして、敬称の殿下をつける訳ですね。
他にもいろいろと考えさせられるご縁であります。
中でも、古事記、日本書紀ななどから
この出来事を考えずにはいられません。
昨夜の記事でこの話題をとも思ったんですが、
勉強し直さねばならないことに気付いたので、
資料を繰りました。
イザナギ(伊弉諾)とイザナミ(伊弉冉)の二神が降り立ち、
世界をかき混ぜて島などを作ります。これが日本。
その子がアマテラス(天照)、ツクヨミ(月夜見)、
スサノオ(素戔嗚)で、
スサノオの6(7)代後の子孫、
あるいはスサノオの子に
オホナムヂ(大穴牟遅神)がいました。
彼には大勢の兄弟神(八十神)がいて、
その兄弟たちが稲羽のヤガミヒメ(八上比売)の求婚するため、
従者としてオホナムヂは大きな袋を持って同行していました。
そんな時、海岸で泣いているウサギと出会います。
これが後に「因幡の素兎」として語られる話になっていきます。
ウサギを見ると、毛皮がはぎ取られていました。
ウサギはワニ(和邇/サメ)を欺き、
その報いを受けていたのでした。
八十神はウサギに「海水と日光と風に当たればよくなる」と
教えますが、酷くなるばかりで一向によくなりません。
オホアナノムヂはそんなウサギを助けようと、
蒲の穂を取ってまき散らし、
その上を転がりまわればよくなると教えました。
ウサギは回復し、そのお礼に
八十神の求婚をヤガミヒメが受け入れることはないと予言、
その後、彼の八十神は求婚しますが、
ヤガミヒメはそれを拒否、
オホナムヂと結婚するといいます。
これに怒った兄弟たちは弟を狩りだ偽って誘い出し、
殺してしまいました。
これを憐れに思ったオホナムヂの母神は、
高天原のカミムスビ(神産巣日)を頼り蘇生、
しかし、再び兄弟たちの罠にはまってオホナムヂは再び死に、
今度は母神自ら息子を蘇生させました。
その後、オホナムヂは木国(紀国)へ逃亡、
根の国(根之堅州国)のスサノオの元へと逃げ延びます。
根の国でオホナムヂは
スサノオの娘・スセリビメ(須勢理毘売)と知り合い深い仲に。
スセリビメは父にオホナムヂを紹介しますが、
スサノオは彼が気に入りません。
スサノオは無数のヘビがいる石室に彼を閉じ込め、
また、無数のムカデがいる石室にも閉じ込めましたが、
いずれもスセリビメの助けを得て、無事生還。
それでも納得がいかないスサノオは、
野に放った矢を拾うよう彼に命じ、
彼が野に分け入ったところでスサノオは火を放ち、
焼き殺そうとします。
しかし、オホナムヂの前に現れたネズミが
地面の穴へと案内し難を逃れ、さらに矢も見つかりました。
続けてスサノオは、
オホナムヂに自分の頭のシラミを取るように命じますが、
スセリビメの機転で、スサノオが寝ている隙に、
彼の髪を柱にくくりつけて、
オホナムヂを逃がしました。
スサノオは彼の力を認めて、
オホクニヌシ(大国主)の名を与え、
地上の統治を任せることにします。
オホクニヌシは出雲国へと戻り、
スクナビコナ(少名毘古那)やオホモノヌシ(大物主)の助けを得て、
国造りを進めていきます。
地上が繁栄してくると、
アマテラスが、自分の息子こそが
地上を治めるのに相応しいと考えるようになります。
そこでアマテラスはオホクニヌシに国譲りさせるべく、
第二子・アメノホヒ(天穂日)を
使者として送りますが、
彼はオホクニヌシに臣従してしまいました。
次の使者はオホクニヌシの娘婿となり、
思ったようにはなりません。
やがて、オホクニヌシは隠居の身となりますが、
その頃、アマテラスは新たな使者として、
タケミカヅチ(武甕槌)、
アメノトリフネ(天鳥船)を派遣、
オホクニヌシの子・ヤヘコトシロヌシ(八重事代主神)から、
ようやく、国譲りを認めさせることが出来たのでした。
大国主の大神様のお導きのもと、
このような素晴らしい方と
ご縁をいただきましたことを大変うれしく思っております
千家国麿さんはこのようにお話しになりました。
出雲大社はオホクニヌシを祀った神社。
国譲りに感謝し、アマテラスが建造させたとされます。
千家家は代々出雲大社の祭祀を担う
出雲国造(いずものくにのみやつこ/いずもこくそう)を務めていて
現在は千家国麿さんのお父様が第84代のようで、
次に継がれるのは国麿さん。
家系図にはアメノホヒが見られ、
つまりはアマテラスの子からの家系。
典子女王殿下は薨去された高円宮憲仁親王殿下の次女で
大正天皇の曾孫。
初代天皇の神武天皇はニニギ(邇邇芸)の孫とされていて、
ニニギはアマテラスの孫。
天皇家、千家家ともに、
祖神にはアマテラスがいる訳で、
神話と歴史の間で、
まさしく現実のご婚約があった訳ですね。
しかも、昨年は大遷宮があり、
さらにはご婚儀は秋ということで、
もしも、旧暦十月ですと、
我々にとっての神無月、
出雲にとっての神在月、
八百万の神が出雲に集まるからそう言われる訳ですが、
その時になるのかもしれません。
出雲大社の参拝者が、
さらに増えそうな出来事となりますね。
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