STAPの研究では、ようやく小保方先生が実践ということになりました。
彼女にとって極めて不利な状況で、
ほぼ評価が決定しかけている中、
どのような結果が出るかを見たいと思います。
なお、このような検証などが不要という意見もありますが、
STAP現象が確認出来なかったとしても、
瓢箪から駒ということもあります。
常温核融合については否定的な現在ですが、
その研究が続けられたことで、
放射性廃棄物の無害化への手掛かりが得られてもいます。
基本的に、科学は無駄なことの繰り返しから、
何かの知識なり、技術なりを得る学問ですから。
さて、今週の番組はこのSTAP問題に合わせて放送されたもの。
この間「仰天ニュース」で
ベル研究所での高温超伝導が扱われたようですが、
こちらでそれは紹介されませんでした。
ただ、STAPに関しては、
いろいろと訴訟になりかねない可能性もありますので、
今回の番組はハイヒールのリンゴさんは各出演者に向けての
皆さん! おわかりだとは思いますが、
各番組、微妙なところで微妙な自粛をしております。
いいですね? 特にバラエティー系は。
宜しくお願いいたします!
この言葉で始まりました。
このSTAPに関しては、それぞれ専門の先生方でも、
各マスコミから求められても
コメントを断っているような状態でもありますから。
もうめんどくさいという事情も強そうですが。
実は生物学や科学の論文の7割は
再現出来ないと言われています
その再現出来ないものの中には
捏造が含まれていると言われています
なぜ科学者たちはデータの捏造に手を染めてしまうのか
そこには科学者を追い詰める
様々な原因があると言われています
そう話す今回の講師は科学ジャーナリストで医師、
近畿大学医学部病理学教室講師の榎木英介先生。
特に医療現場の問題点をお書きになっている先生です。
このSTAP問題では、他論文からのコピペ、画像の切り貼りが
問題視されましたが、
榎木先生によりますと、他の多くの論文でもそれは見られるそうです。
こういったことをお見合い写真に喩えた場合、
シワの1本や2本消すぐらいのことはよく行われていて、
STAP論文の場合は他人の写真を使用しているのではないか、
ということで批判されているという説明でした。
STAP論文は明らかに許容範囲外というのは明らかではあるものの、
どこからが不正で、どこからが不正でないのかの境界線は、
意外と曖昧とのこと。
論文の7割が再現出来ないということについては、
それが必ずしもそれらが捏造、不正という訳ではなく、
特許等の権利関係のため、
再現出来ない内容で論文が発表されることもあるため、
その判断も難しくなります。
むしろ、今回のように発表された論文の内容を、
別の研究者が検証することのほうが少ないんですよね。
世界中の研究者が無数の論文を発表している訳ですから、
そんなものをいちいち全て再現実験出来るはずはありません。
お金も時間もかかりますし。
ということで、検証されずにそのままになっている論文の中に、
捏造されたものが紛れ込んでいる可能性は高いともいえます。
1981年 マーク・スペクター事件 ~天才科学者の大誤算~
米コーネル大学の生物化学者、エフレイム・ラッカー教授は、
癌細胞の治療に役立つ酵素を精製、
癌細胞の仕組みがより明らかになり、
治療が飛躍的に進歩するとして
ノーベル賞受賞間違いなしとまで言われていました。
教授の下には多数の学生たちが集まり、
その研究室の中に、大学院1年生マーク・スペクター(24)もいました。
彼は実験の手技に優れ、
難しい実験もこなす彼に教授も感心し信頼していました。
ある日、
「教授! 酵素を取り出すことに成功しました!」
スペクターは教授の仮説を実験で立証したのです。
早速、教授は論文を作成し「サイエンス」に寄稿しましたが、
同じ研究室の学生たちがスペクターと同じようにしても、
その酵素を取り出すことは出来ませんでした。
「そんなはずはない」と、教授はもう一度スペクターに
その酵素を取り出すように言います。
「わかりました」と彼は応じたものの、
数日後、彼は行方不明になってしまいました。
なぜ、経験の浅い研究データが内部で検証もされずに、
論文として発表されてしまったのでしょうか?
これには普遍的な研究室のシステムの問題が関係しています。
大学の研究室では、複数の研究が同時進行しており、
個々の実験を実際に行うのは学生で、
教授は全ての実験を統括、指示する役割になります。
学生たちからのデータをとりまとめる訳ですが、
この事件において、ラッカー教授は
スペクターが精製したとされる酵素自体も
未確認だったと考えられています。
スペクターがなぜ、そんな捏造をしたのかについては、
現在も謎のまま。
教授はその後も「そんなはずはない。酵素は絶対にある」と
必死に実験を繰り返し、その立証に至ることなく、
1991年に他界しています。
この事件については、以前にもご紹介した
でも触れられています。
…次回は"N線の発見"へと続きます。
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