人民の人民による人民のための政治
第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーンの言葉。
私たちも義務教育で習います。
そんな偉人である彼も、
人知れず悩みを抱えていました。
結婚するということは、地獄へ行くことだ-
裕福な家庭で育った妻・メアリーは派手好きで浪費家、
料理などもしませんでした。
間仕切りさえない丸太小屋で生まれ育ち、
独学で弁護士になったリンカーンとは価値観が違っていたんです。
嫉妬深く癇癪持だったメアリーは、
夫にコーヒーを浴びせ、薪で頭を殴っていたとか。
だからなのか、彼は極力家に帰らずに済むよう、
出張を増やしていたといいます。
妻から解放されたがっていたそんな彼が、
奴隷解放宣言をすることになります。
二宮尊徳は、現代人にも二宮金次郎の通称でよく知られていて
農民から武士に取り立てられた彼は、
努力と勤勉のシンボルともなっている偉人です。
農政家で思想家の彼は、特に復興事業に才能を発揮しています。
そんな彼が小田原藩主に命じられて、
下野国桜町に赴任、荒廃した村の農民たちは
昼日中から賭博に興じるような荒くれ集団となっていて、
復興事業6年もの間、思ったような成果はあげられませんでした。
その時、尊徳は失踪してしまいます。
一通の手紙を残して。
胃にさしこみのような痛みがありますので、どうか辞めさせて下さい
手紙にはそう書かれていました。
突然、仕事を放り出した彼はなぜか成田山新勝寺で断食修行していたそうです。
その後、桜町で復興を成し遂げ、
凶作を予見し、天保の大飢饉を一人の犠牲者も出さずに乗り越えています。
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伝記では完全無欠であるかのように描かれる偉人たちですが、
彼らもそれぞれ人間関係や金銭問題で悩みを抱えていました。
彼らも「泣き言」を吐きつつ、
偉業を成し遂げていて、むしろそういった悩みがなければ、
彼らの偉業もなかったのかもしれません。
学校では教えてくれない偉人たちの「泣き言」とその真意のお話です。
一休宗純は室町時代の禅宗の僧侶。
このアニメで有名な「一休さん」です。
後小松天皇のご落胤とされる彼は破戒僧でした。
ぼろきれのような着物姿で朱鞘の大太刀を帯び、
道端の地蔵には小便を引っかけていて
僧侶の男色は珍しいものではありませんでしたが、
それに加えて菩薩戒で禁じられていた女犯、
そして肉食や飲酒も戒律も犯しています。
また、それを隠そうともしませんでした。
南無釈迦じゃ 娑婆じゃ地獄じゃ 苦じゃ楽じゃ
どうじゃこうじゃと いうが愚かじゃ
あれをするな、これをするなと言うのは愚かなことだ。
彼はただ堕落していたという訳ではなく、
権威や形式に捉われていた仏教界への批判だったのです。
帯びていた刀も、中身は木製で
外面は豪華でも抜いてみればただの木であるという皮肉。
だからなのか、彼は民衆から慕われていたようです。
そんな宗純も寿命が尽きようとしていた時。
弟子たちは奇抜な生涯を送った彼が
どのような言葉を遺すかを見届けようとしていました。
わし…、死にとうない-
それが今際の際での言葉だったと伝わっています。
小林一茶は文化文政の頃の俳諧師。
我ときて遊べや親のない雀
やせ蛙まけるな一茶これにあり
やれ打つな蝿が手をすり足をする
など、小動物への慈しみが感じられる句が印象深いです。
信濃国の農家に生まれた彼は、
3歳の時に母親を亡くし、
嫁いできた継母と折り合い悪く14歳で奉公に出されます。
15歳の時に俳句に出会い、全国を旅するように。
父の死後、継母と相続問題が起こり、
ますます故郷が遠くなっていきます。
初夢に故郷を見て涙かな
そんな頃の一茶の句です。
彼が故郷に腰を落ち着けられるようになったのは、
継母が亡くなってから。
その時、既に50歳になっていました。
24歳年下の妻・きくを娶り、
初めて家族で暮らす幸せを得ることが出来ました。
しかし、彼の本当の不幸はここから始まるのでした。
夫婦は3男1女を儲けますが、いずれも幼くして亡くなっています。
結婚から9年目には妻も病死。
62歳で雪と再婚するも半年で離婚、
64歳でやをと再々婚。
これでようやくといったところですが、
故郷を長く離れていたかと思えば
50になって戻って来て、
次々と新しい妻を迎える彼に周囲の目は冷たかったようです。
それでも、やをが身籠もった時の一茶の喜びはどれほどだったでしょうか。
しかし、一茶は生まれてくるはずの娘・やたの顔を見ることなく、
この世を去ります。
故郷のハエまでが私に冷たい
彼はこんな言葉を遺していました。
上の句
やれ打つな蝿が手をすり足をする
は、ハエが足を摺り合わせる様子を、
命乞いに見立てたものでした。
そのハエにまで見放された、
そんな悲しい一茶の泣き言です。
次はルイ・アームストロングのお話などへと続きます…
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http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-10514596246.html
当時はIEのエンジンで作っていましたので、
他のブラウザでは表示がまともではありません。
読み返してみますと、
おそらく、こんな内容の番組ではなかったと思います。