軍師官兵衛第32話「さらば、父よ！」その背景～秀吉の大坂城・上町台地の歴史～

なんだかもう、中国大返し以後、
節目節目の描き方が雑すぎますね。
ここで会議したと思いねえ、
ここで合戦していたと思いねえ、
みたいなテキトーさです。
黒田官兵衛が小牧長久手に関わっていないというのであれば、
関わっていないことをクローズアップするか、
その時期の毛利との折衝の描写に時間を割くべきで、
清洲会議同様、いくらでも話を作れるはずです。
合戦シーンもないのでお金もかかりませんし。

こんな調子なので、掘りたくなる意欲もあまり湧かないんですが、
劇中ではあっという間に築城されていた大坂城の話でも。

現在の大阪城天守は1931年に復興したもので、
当時の大阪市民の寄付を元に建造されました。

これは徳川時代の大坂城の天守台に天守を再建したもので、
豊臣秀吉の大坂城天守とは位置などが異なります。

これら豊臣の大坂城の基礎の上に、
徳川は新しい天守を建てた訳です。
石垣も豊臣と徳川のそれは大きく異なり、
それは時代の違いによるもので、

戦国の野面積と、
徳川の世になってからの布積や算木積となっています。

この徳川大坂城の遺構で一番の見ものは
これらの巨石でしょうか。
あえて豊臣の城を潰して、
その上に大きな城を建造し、
そのための巨石を運ばせたのは
諸大名の資金を吐き出させるためと、
徳川の威光を世に知らしめるためでしょうか。
今年は大坂の陣400年ですし、
また、この話題はお書きするかもしれません。

大阪城にいらっしゃった方はおわかりになると思いますが、
その土台は丘のような高さがあります。
これは上町台地と呼ばれる丘陵地に城が建てられているからです。
南は天王寺、北は天満橋ぐらいがここに含まれます。
この上町台地には四天王寺があり、
さらには都としての難波宮が置かれました。
そして、蓮如が石山本願寺を開き、
織田信長の時代にそれを破る訳ですが、
この大坂の地勢的な価値について、

抑も大坂は凡日本一の境地也

と「信長公記」にあることから、
おそらくは信長もここに城を建てようとしていたか、
実際に城らしきものを建てていたのかもしれません。
これが秀吉に受け継がれたのか、
彼独自のアイディアなのかはわかりませんが、
彼が石山本願寺跡地に大坂城を築くことになります。