軍師官兵衛第47話「如水謀る」その背景～糸姫の離縁は如水の謀？～

いよいよ正面衝突となる徳川家康と石田三成という形になってきました。
娯楽性のある作品では特に、
最近は意図的に徳川家康が大坂を空けて上杉討伐、
それは石田三成を挙兵させるための策だった、
という展開になっています。
この大河で、私が一番気になっていたのが、
主人公の関ヶ原の戦いへの関わりなんですけれど、
彼から「天下」という言葉が聞かれましたね。
さて、彼は天下取りの野望を見せるのでしょうか？

黒田長政正室・糸が離縁されました。
理不尽な話ですよね。
徳川との繋がりを重視する黒田長政、
そして、味方を確実に味方としておきたい家康の都合で、
家康養女・栄姫と縁組み、はじき出される形で、
糸姫は離縁されてしまいます。

大義名分はありました。
糸姫は長政との間に女児を産んでいましたが、
なにしろ、妻の一番重要な仕事は跡継ぎの男子を産むこと。
不生女、石女なんて言葉がなくなった現代ですけれど、
女腹なんていう言葉もあったりして、
跡継ぎを産んでいない妻はそれに近い扱いを受けていて、
それを理由として離縁されても文句は言えませんでした。
とはいえ、糸姫の生まれである蜂須賀家は、
この後、黒田家と150年の絶縁状態に入ることとなりました。
そして、後の江戸時代でも、
特に武家の婚姻関係は家と家の関係そのもので、
当日にお互いがお互いの顔を初めて見て、
お互いに喜んだりがっかりした時代でした。

タイトルは「如水謀る」でしたけれど、
この縁組みを裏で主導したのが如水だという説もあります。
徳川家康は豊臣秀吉の命に背いて公然と大名との縁組みを進めていますけれど、
もしも、如水がこの縁組みに関わっていたとすれば、
縁組みの相手も家康養女であることもあり、
彼自身も既に秀吉、豊臣家を見限っていて、
既に徳川の天下になるという可能性を考えていたということでしょうか。
本作で、如水の野望が描かれるとすれば、
この縁組みとの関わりも気になるところです。
この縁組みを利用して、家康を信用させ、
自らは東西の激突を傍観しつつ、
挙兵の時を探る…、やや黒めの主人公となるのでしょうか？