ダーウィンが来た！生きもの新伝説「ハヤブサ一家高層ホテルがマイホーム」 -別動画付き-

大阪府南部の泉大津市。
その泉大津にあるホテルサンルート関空には、

2004年ぐらいからハヤブサが住み着いています。

ダーウィンが来た！生きもの新伝説「ハヤブサ一家高層ホテルがマイホーム」

本来、ハヤブサは海辺の崖などが住処です。
崖の穴の中などを巣とします。
また、高所から獲物を捜し、そして狙います。
しかし、私たちが目にする崖からもわかるように、
崖崩れや落石を防ぐために、
網やコンクリートで覆われています。
これでは、ハヤブサは暮らしていけません。
その数を減らし、絶滅危惧種のハヤブサですが、
20年程前から、数が増え始め、
失われていく自然環境に、
ハヤブサも住宅難なので、
近年は街暮らしのハヤブサが増えているそうです。
このホテルは、この周辺では際立って高い建物のようで、
高いところから獲物を狙う
ハヤブサの習性に適っているという訳なのでした。

泉大津では、ハヤブサを見守るべく、
「泉大津ハヤブサ・サポート倶楽部」が組織されています。

これはそのホテルの巣。
元々は大量に積もっていたハトの糞の上が巣でしたが、
自然環境に近づけるべく、
有志の手により、石と砂利などが運ばれ、
現在の姿になっています。
ちなみに、上の動画では交尾も見られます。

これが卵とメスのハヤブサ。
この日は大地震の日で、高いビルの巣にいるメスが驚いています。

ダーウィンが来た！生きもの新伝説「ハヤブサ一家高層ホテルがマイホーム」

これがハヤブサの雛。
まだ生後1週間ぐらいだそうです。

この白い産毛は40日前後で、
成鳥と変わらない羽毛に変わります。

この頃になりますと、若鳥たちは翼を広げて、
しきりに羽ばたき、翼で風を受け、
ベランダを走るようにもなります。
空を飛ぶ準備を始めているのでしょう。
餌も1羽丸ごと与えるようになります。

そして、予想よりも早く、
巣から飛び立った若鳥には苦難が待ち受けていました。
猛禽であるハヤブサではありますが、
街にはカラスもいます。

こんな動画がありました。
撮影場所は不明ですが、
どうやら、狩りに成功した直後のハヤブサのようです。
そこへ現れるカラスたち。
ハヤブサには為す術はありません。
結局、獲得した獲物は諦めて、
飛び去ってしまったようです。

初めての空となる若鳥にはなおさらで、
番組の若鳥はまだ飛行が不慣れであるため、
誤ってカラスの縄張りのど真ん中に入ってしまいました。

ダーウィンが来た！生きもの新伝説「ハヤブサ一家高層ホテルがマイホーム」

つがいのカラスから猛攻撃を受けてしまいます。
そして、落下。

サポートクラブの人たちが落ちた若鳥をなんとか捜し、
元のホテルの巣へと帰してやります。
自然界とは違い、人工物の窪みにはまり込んで、
出られなくなったり、
また、道路で交通事故に遭う前に、
巣へと戻したのです。
サポートクラブは、毎年、
こうした早すぎる巣立ちに対応しているそうです。

なんとか、飛べるようになっても、
まだまだ不慣れ。
家族の元へへと戻ろうとしますが、

ダーウィンが来た！生きもの新伝説「ハヤブサ一家高層ホテルがマイホーム」

高さが足りず、壁に激突…

高速道路へ落下。
トラックにはねられそうになるものの、
また高速から落ちた拍子に空を飛び舞い上がり、
なんとか皆のところへと帰り着くことが出来ました。

街で暮らすことは、
とても大変なようですね。

もう少しすると、親鳥は捕ってきた餌を、
巣で与える事はしなくなるようです。
空で獲物を見せびらかせて、
子供たちが追ってくるのを促します。

鳥を追うのがハヤブサの習性です。

このスライドショーでは、
ハヤブサの若鳥がチュウヒと戦っているようです。
自分よりもひるかに大きな猛禽が相手でも、
怯むことなく向かっていきます。

こうして、街で生まれたハヤブサは、
一人前になっていくのでした。