先月末から、この画像が話題になっていました。
たしか、私は糸井重里さんのTweetで初めて見たような気がします。
その後も何度もこれを見ることになりましたね。
私の場合、最初は白と金に見えていて、
その後から現在まで青と黒にしか見えません。
先にお断りしておきますが、
ネット上でこれがIQなどの脳の能力と関係があるなどという
デマが流れていますが、気にすることはありませんし、
色覚異常の話でもありません。
実物はこの動画の右にあるような色らしいのですが、
ここまで話題になるのも、
ネット社会ならではということなのでしょう。
以前、作成したこの画像。
左右のグレーは明かるさに差があるように見えます。
しかし、色を抽出してみますと、
どちらもR171,G171,B171、#ADADADです。
問題は中心部で、ここのみ明度が変えてあり、
そこをマスクしてしまうと、
左右同じに見ることが出来ます。
しかし、それがわかっても、
上の画像に目を移すとやはり違って見えるのが楽しいです。
これは類似の例ですが、この場合は、
特にそれを立体として認識していることが重要なのでしょう。
これも有名ですよね。
ここでその色で両方を塗りつぶしてみると、
ようやく納得出来るという具合です。
あのドレスの場合、あの画像が逆光で撮影されていて、
背景が明るく、ドレスへの光の当たり方にも特徴があります。
人間には「○○は同じ色だろう」という思い込みがあり、
網膜から資格神経を伝わってきた信号を補正して、
その結果を私たちは「見ている」ことになります。
色の恒常性
というらしいですが、
私たちはどうしても、トマトだから赤だろう、
カラスだから黒だろうという予備知識に、
無意識に引きずられてしまいます。
同じものは同じ色であるはずだという無意識の補正により、
私たちはありのままの色を知ることは出来ません。
あのドレスの画像だとそれを見た人は
それぞれの光が色に与えた影響を脳で補正して、
認識するに至る訳ですが、
ドレスの後ろからの強い光あるということは逆光である訳ですから、
それを脳が認識したことで、その補正の結果、
白と金に見えるのかもしれませんし、
他方、撮影者側や上にも光源があるらしく、
それにより、ドレスが白く浮き出ても見えます。
この影響を脳が補正しようとする訳ですが、
こちらの場合は、実像に近い青と黒という結果になるでしょうか。
その補正課程は当人は自覚しておらず、
また、人それぞれでこの画像の環境の無意識の評価は異なり、
さらに、この画像を見る人の環境、デバイスも異なっているということで、
私たちには違って見えたんですね。
私たちが認識している世界は、
実際の世界ではなく、あくまで脳の中の認識に過ぎないんですね。
これは色覚以外の視覚全体の話でもいえることで、
人間は必ずしも、
実体のありのままの姿を認識出来る訳ではないという事です。
よく「見たんだから仕方ない」といいますけれど、
現実には見たからといって、
それが現実にそうであったとは限らないんです。
女性はなぜ「勘」が鋭いのか?
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-10570746825.html
こんなお話もお書きしましたけれど、
その後、
所さんの目がテン! 「夜景の科学」 ~夜景における男女の違い なぜ冬? 夜景デートが脳に…~
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11108172835.html
色覚にも性差や個人差が指摘されていますね。
同じものを見ていても、
他の人と同じように見えているとは限らない訳です。
現実を必ずしも知覚できている訳ではないということでは、
視覚に限った話ではないのでしょう。
そこに個人差が関わると尚更です。
昔、「探偵!ナイトスクープ」で、
このシャープのSH901iSのシャッター音が扱われていて、
設計としては「撮ったのかよ!」なのでしょううけれど、
「エーアイアイ」にしか聞こえない、
両方聞こえるなど、人により様々でした。
私は「撮ったのかよ!」で、
この補正されたとされるものを聞いても、
「撮ったのかよ!」でしかありませんでした。
皆様方はどうでしょうか?
錯視については、過去にいくつかお書きしていますので、
ご興味がございましたら、ご覧下さい。
錯視現象をいくつかをご紹介
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-10736201564.html
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