京都大学の研究グループの発表です。
イヌは飼い主に協力しない人物を嫌う
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2015/150611_1.html
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2015/documents/150611_1/01.pdf(PDF)
この実験はまずイヌとその飼い主54組が参加。
これを3つのグループに分けます。
実験には着席している飼い主の左右に2人の人物AとBも座り、
グループごとに決められた行動をすることとなります。
飼い主は透明な蓋付の箱に入れられたイヌの餌を持っています。
この実験ではA(中立者)は何もしませんが、
最初のグループでは
飼い主に協力を求められたB(応答者)は蓋を開けます。
次のグループも同様に中立者Aは何もしません。
しかし、応答者Bは飼い主から協力を求められても拒否し、
蓋は開きません。
最後のグループも中立者Aは何もしませんし、
飼い主は応答者Bに協力を求めず、
応答者Bは飼い主に背を向けてしまいます。
そして、それぞれのグループで、
これらの行動をイヌに見せた後、
中立者Aと応答者Bが同時に餌を与え、
イヌがどちからの餌を選ぶかを観察します。
この実験を4回繰り返したところ、
応答者Bが協力を拒否した場合だけ、
イヌが中立者からの餌をを選ぶ傾向が見られたそうです。
イヌから見れば、どちらの餌を食べても、
同じ量の物が食べられるはずではあるため、
自らの利害には無関係な選択ではあるはずなのに、
人間の価値観でいうところの
"好ましくない行動"を取った人物を避けるようです。
イヌと暮らしてみると、
彼らが人間をよく見ていることがわかりますよね。
初対面でも行動、言葉、表情など、
私たちの"人間性"が見透かされているのかもしれません。
オオカミのような種から
人間と暮らすことでイヌとなった私たちの友は
直接的な利害の外でも、人を見極めることが
生存には大切だったのかも。
たから、こういった能力を
身につけることで生き延びてきたのかもしれませんね。
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イヌは自らの利害にかかわらず人を見る
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