もうひと月近く前になりますが、この番組の話題を。
7月25日放送の「東大VS京大」の回ですね。
このブログの記事をいくつかご覧になった方はお気づきかもしれませんが、
私はこういう話が大好きなんですね。
健康情報が好きなわけではありません。
常識とされていたものをひっくり返す話題が大好きなんです。
この日の放送では、
炭水化物を食べると太る
そして、
炭水化物を抜けばダイエット出来る
という"常識"が間違っていることが示されました。
講師は生物学、生命科学、医学、生理学などがご専門の京都大学森谷敏夫教授。
番組には関係ないかもしれませんが、
そもそも「炭水化物を食べると太る」
あるいは「炭水化物を抜けばダイエット出来る」の根拠は
どこから出たものなのでしょうか?
調べてみようとしてみたものの、
はっきりした根拠はわかりませんでした。
どうやら、ラットか何かでの実験で、
総カロリーを同じ餌にした2群で、
一方の餌には炭水化物を多めにしたものがあったらしく、
炭水化物が多いほうが体重が増えて、
炭水化物は太りやすいという話になったとかなんとか。
ただ、人間の脳は大きく、ネズミよりも高度な情報処理を行っています。
人間の場合、体全体に必要なエネルギーの2割を脳が消費しています。
脳に必要な唯一のエネルギーはブドウ糖で、
そのブドウ糖の元となるのが炭水化物なんですね。
以前から、人間での実験はないものかと思っていたんですが、
見つけることは出来ませんでした。
炭水化物なら、人間での肥満に関するデータがありそうなものですけれど。
さて、番組です。
たしかに、炭水化物を抜くことで、
体重を減らしたという経験を持つ人は多いと思います。
しかし、森谷先生はこう仰います。
炭水化物を抜くことで最も減るのは水分
1日に必要なエネルギーを2000kcalとしますと、
その2割の400kcalが脳で消費されます。
おにぎりでいえば、2.5個分、
眠り続けていても、脳の活動には欠かせないことになります。
しかし、炭水化物を抜くなどして、
ブドウ糖がなくなりますと、
私たちの体は肝臓から糖を得ようとします。
この糖にも限りがあるため、
次は筋肉のグリコーゲンを糖と水分に分解、
水は体外に出ていくため、先生はこのような表現をされたのでしょう。
これは糖新生ですね。
なぜ痩せないのか? リバウンドの理由
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-10430745568.html
だとすれば、痩せにくい体になるのかもしれません。
基礎代謝量が減少し、脂肪の割合が増えることになります。
先生が仰るには、炭水化物はその量の4倍の水分と結合するため、
炭水化物を摂るとその水分で体重が増え、
逆に抜くと痩せるという経験をすることになります。
これが
炭水化物を食べると太る
炭水化物を抜けばダイエット出来る
が常識となっている要因ではないかと。
先生の教室では、特に女子学生に爆睡している人が多く見られるらしく、
それは脳に栄養が足りていないからではないかと推測されています。
20年間、それぞれ高炭水化物食と
低炭水化物食を食べ続けた男女のデータがあります。
低炭水化物食を食べ続けた男性は、
高炭水化物食を食べ続けた男性に比べて
がんや心疾患などの死のリスクに対して1.5倍、
女性で1.35倍高くなるという結果になっています。
森谷先生の解説では、低炭水化物食を続けるということは、
その分を高脂肪、高蛋白食で補うことになりがちです。
これが隠れ肥満やがんになる確率を上げているのではないかと。
それと、食事性熱産生。
食後すぐ、あるいは食事中に私たちの体温は上昇しますが、
この熱においても、高炭水化物の食事のほうが
早く多くの熱に変わってしまいます。
熱に変わるということは、エネルギーの消費ですので、
それが体重増になることはありません。
逆に低炭水化物食だと、
熱が作られにくいため、
エネルギーは身につきやすくなります。
この番組からは以上です。
考えてみれば、だいたいのものはたくさん食べると体重が増えるでしょうし、
総量を減らせば体重は減るでしょう。
それに、満腹中枢は脂肪では刺激されませんが、
炭水化物から作り出された糖質には反応します。
満腹中枢が満腹感を生み出せれば、
私たちは食べることを止めることになります。
先生もはやり、痩せるためには運動を勧めておられましたね。
それも、リモコンを遠くに置くなどして、作業の手間を増やして、
日常の中での運動を勧めておられました。
結局、適切な食事もさることながら、
如何にエネルギーを消費するか、
消費出来る体にするかがまず第一であろうかと思います。
脳が消費するエネルギーは増やせないため、
その他の部分で増やそうと思えば筋肉、
筋肉がつけば基礎代謝が増えて、
太りにくく、痩せやすい体になるという当たり前の結論になりますね。
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