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TPPがもたらす日本の暗澹たる未来 その2~日本を終わらせるかもしれないISD(ISDS)条項~

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ISD条項についてはほとんどのマスメディアは大きく扱いません。
国民の生活をひっくり返すだけの可能性がある問題なのに、
少なすぎますよね。
まあ、沖縄の活動家の数々の違法行為を報じないあたりも、
新聞などの大手メディアに過度な期待は抱くべきではありませんけれど。


さて、先週の「正義のミカタ」の堤未果さんのお話の続きです。

http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-12085535618.html

TPPにはISD条項というものがあります。
これは「投資家対国家の紛争解決」
「Investor-State Dispute Settlement」の略で、
その条項をISDS条項とも呼んでいます。

相手国に投資した企業が
相手国の政策によって損害を被った場合
相手国を提訴することが出来る


というもの。
もしも、医薬品に関して、アメリカの企業が、
日本の法制度がフェアな商取引を阻害していると判断した場合、
それを訴えることが可能になるんです。
この状況に日本側が反発したとします。
その場合、国際投資紛争解決センターという機関で争うことになりますが、
この機関は世界銀行の下にある機関で、
実際の係争では、3人の"判事"により"判決"が下されます。
2人はそれぞれの当事者国から、
残る1人は世界銀行の総裁になります。
アメリカは既にISD条項が含まれるFTA(自由貿易協定)を各国と結んでいて、
ISD条項における国際投資紛争解決センターでの"裁判"も行われていますが、
現在まで、アメリカがISD条項の紛争で負けたことは一度もありません。
世界銀行の最大の出資国はアメリカ、
どれだけ正当で正確な事実を積み上げて提示しても、
1対2で負けてしまうんです。

そもそも、ISD条項は法制度や司法制度が未熟な国との経済協定において、
組み込まれるべきものでした。
そういった国では不合理な判決が出される恐れがあるため、
自由な投資が行えなくなるからです。
しかし、日本のような国は違います。
それにISD条項は必要でしょうか?
韓国の場合、米韓FTAによりISD条項による問題が多発、
既に国内63の法律の改正、または撤廃が求められる事態に陥っています。
もちろん、国際投資紛争解決センターでは韓国の全敗です。

安倍政権は「日米で経済のルールを作る」と言っていますが、
このISD条項一つだけ見ても、
実際は「米が経済のルールを作る」ということなんです。
当然、これは医療分野に限った話ではありません。
仮に日本が環境保護のために、
独自に設けている環境基準が訴えられる可能性があります。
残留農薬食の安全基準についても訴えられるかもしれません。
これからは「遺伝子組み換えではありません」
と表示出来なくなるかもしれません。
いずれも私たちの命、健康に関わる問題なのに、
アメリカの企業の都合で変えなくてはならなくなるのです。

アメリカが悪い

という見方もあるんですが、
これもまた少しアメリカ国内の実情とは異なります。
そもそも医産複合体はアメリカ国内を食い荒らし、
食い尽くした結果、外に利益を求めようということになり、
日本の市場を狙っているという説明が正しいようです。
多くのアメリカ国民も被害者といえます。

オーストラリアなどは、
TPPからISD条項を除去しろと言っています。
ISD条項は、企業にとって極めてオイシイ取り決めです。
何しろ、投資先の法律を自社に都合良く変えることが出来るのですから。
こうしてISD条項で訴える事例が増え、
この国際投資紛争解決センターでの紛争解決には、
当事者国はそれぞれ"弁護士費用"として最低8億円が必要になり、
それは各国の財政を圧迫します。
だから、訴えられないように、
先に法律を変えてしまわなくてはならなくなります。

私たちの目にはフロマン米通商代表部代表が
各国と交渉していたように見えていましたが、
その後ろにいる多数の弁護士ほぼ全ては
各企業から送り込まれたものです。
企業の声が強すぎるのがアメリカの現状です。
ただ、日本でも"民間議員"などという
選挙を経てもいない竹中平蔵のような輩による自社の利益のための意見が
有り難がられているようでは、
日本もそうなるかもしれませんけれど。

これらから、起こりうる最悪の事態は以下です。

・国民皆保険の診療範囲の凝縮
・高額な混合診療
・医療格差


これはあり得る未来です。

マスコミの報道を思い出して下さい。
農業に対する影響ばかりが報じられています。
甘利大臣は守るとしていた重要5品目のうち3割が完全撤廃するというのに、
「守るべきものは守った」などと嘘を言い、
これら政府の詐欺行為や
豚肉のような大ダメージを受ける問題については、
大きく報じられるべきです。
しかし、現実はあらゆる分野が影響を受けるのが
TPPなんです。TPP賛成者は

なんとなく賛成

であるはず。
なぜならば、その内容は誰も知らなかったからです。
具体的にここがこうだから賛成なんてことは、
誰も言えなかったのです。
言っていたとすれば、根拠もなく賛成していたことになります。
そして、報じられたTPP「大筋合意」。
堤さんが米通商代表部の原文を当たったところ、
どこにも「大筋合意」に相当する文言は見当たらなかったとか。
それなのに、なぜ、マスコミは
大々的に「大筋合意」と報じたのでしょうか?

今更TPPに反対しても無駄なんだ

という世論の諦めの空気を作るためでしょうか?
繰り返しますが、関税障壁の除去についても重要なのですが、
TPPが作り出すこの未来の可能性について、
私たちはもっと知っておかねばなりません。
テレビでTPPへの反対意見を聞いたことがありますか?

東京じゃ、こんなの言わしてくれないんですよ
駄目って言われるんです
東京のテレビに出た時に、これは言うな、これは言うな
医療のことは言うなって言われるんです


なぜ、堤さんは東京のテレビ局で、
このTPP発効による医療の危機について話せなかったのでしょうか?
彼女が述べたことは、
あり得る未来です。

この未来から逃れなくてなりません。
マレーシアのナジブ首相はTPPの合意文書が出るまでに
あと2年は必要だという発言をしています。
各国の議会で、TPPを承認しなければなりません。
日本でも同様です。
私は国民皆保険制度について、
今回の交渉では俎上に登らなかった可能性があると思っています。
ただ、今後もそうだとは限りません。
TPPに各国の医療保険制度に対する制限が盛り込まれない限り。
また、ISD条項が存在する限り、
あらゆる分野でアメリカの特定の企業のために
有利な制度にしなければならなくなるでしょう。

私は以前から

TPP反対!!

の立場です。
元々、なんとなく賛成だった考えを
関税撤廃がもたらす国内産業への影響から反対へと転向、
以後、まだ賛成論者に戻るような意見に出会えません。
TPPがごく少数の勝者と大多数の敗者を生み出すものであり、
独立国が持っているはずの立法権や
関税設定の権利を放棄するものだからだと考えるからです。
これまでも反対の立場でお書きしてきましたが、
ここでTPPにおける関税障壁の問題ではなく、
堤さんが仰るところのTPPの"真の目的"、
非関税障壁品目の問題についてお書きしました。

堤さんは東京でこの件について話せなくなっていることから、

大阪から広めてくださいよ

と仰いました。
そして、私もこの記事を作成しました。

この未来から逃げ切るために。







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