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「正義のカタ」 TPPがもたらす日本の暗澹たる未来 その1 ~医療制度崩壊へのシナリオ~

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東京じゃ、こんなの言わしてくれないんですよ
駄目って言われるんです
東京のテレビに出た時に、
これは言うな、これは言うな
医療のことは言うなって言われるんです


先日お書きした東京では放送出来ないテレビ番組の一つ、
17日、朝日放送「正義のミカタ」でのこと。

上の言葉はジャーナリストの堤未果さんから
彼女のブロック終盤で出たものです。
番組で紹介された彼女の経歴を加筆しつつご紹介しますと、
ニューヨーク州立大学国際関係論学科卒業、
ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士課程修了後、
国際連合婦人開発基金、
アムネスティ・インターナショナルニューヨーク支局員を経て、
米国野村證券に勤務。
父は同じくジャーナリストとのばばゆういち氏、
夫は川田龍平参議院議員です。

この番組では、登場時に手書きのフリップで
これから述べようとすることを提示しますが、
今回の堤さんはこのようなものでした。

TPPのミカタ
の沙汰も次第!
アメリカ型医療がやってくる!
逃げ切れ日本!


毎年、アメリカでは90万人が高額な医療費により破産しています。
先進国で最も高い医療費の彼の国では、

医療商品

であり、命を助ける手段、福利厚生以前に、
ビジネスなんです。
先日、単価1,600円だったHIVのための医薬品が値上げ、
70,000円になってしまったそうです。
桁は間違えていません。
医薬品の価格は製薬会社次第、
製薬会社がこの商品でもっと利益を上げたいと考えたなら、
その商品は値上げされることになります。

日本で急性虫垂炎治療のための手術した場合、
1週間の入院で平均約9万円の自己負担が必要になります。
一方、アメリカでは平均約700万円を用意しなければなりません。
桁は間違えていません。
データについては、厚生労働省のサイトで、
在ニューヨーク総領事館サイトからの引用された別の数値もありますので、
ご確認下さい。

公的医療保険って何だろう? - 厚生労働省(PDF)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/5.pdf

急性虫垂炎なんて、それを切除していない人なら、
何時何時発症するかわからない病で、
しかも、腹膜炎から死亡してしまう可能性もあります。
日本の場合、総額で40万円ほどかかる医療費ではありますが、
3割負担の健康保険で12万円に、
そして、高額療養費制度により、
9万円にまで自己負担額は抑制されました。
アメリカの場合、
私が以前読んだものには600万円と書かれていました。
堤さんは7~800万円ぐらいではないかと話します。
私が以前読んだそのドキュメントによりますと、
アメリカで失業した場合、
まず心配するのは医療費なんだとか。
国民皆保険制度ではない彼の国では、
民間の保険会社との契約が必要で、
それが失業で切れてしまうと、
医療費の支払い能力が失われてしまうことになると説明されていました。

アメリカで夫婦と子供1人の家族の場合、
医療保険に加入すると、
平均月々15万円の保険料を支払うことになります。
日本の場合、同じ家族構成で多くても8万円程度、
しかも、補償される内容はアメリカのほうがずっと低いものです。
月々15万円も支払っているのに、
怪我や病気で入院すると、
200万や300万円ぐらい平気で請求されます。
そもそも、アメリカでは初診の段階から病院、医師の対応が違います。
日本で診察室に入ると、

今日はどうされましたか?
どこが痛みますか?


などと、医師から質問されますが、
アメリカの場合、

あなたはどこの保険に入っていますか?
保険内容に沿って治療内容を決めましょう


と言われます。
アメリカでは無保険の場合も多く、
加入していても、その補償内容は患者ごとに様々です。
これを確認せずに診療して、
患者に支払い能力がない場合は
病院がその債務を負うことになってしまいます。
だから、医師や病院はまずこのことを確認しなければなりません。

ここで番組レギュラーの宮崎哲弥さんからの言葉がありました。

逆に言うと、医者でもなく患者でもなく
治療内容を決めるのは保険会社だということ
保険会社は経済原則に従っているから
充分な治療が行えなくなる可能性がある


堤さんが鳴らしている警鐘がこれです。

医産複合体が日本の医療制度を狙っている!

医産複合体というのは、製薬会社と医療保険会社のこと。
彼らにしてみれば、日本を自国のような
経済原則による医療制度にすれば、
莫大な利益を得ることが出来るため、
何十年も前から、日本に対して、
その要求を続けてきています。
多くの日本国民は知らないだけなのです。
要求そのものはTPP以前からずっと続いていたのです。
具体的には、現在は薬価は国が決めています。
このため、アメリカの高い医薬品と、
民間保険は売れなくなります。
そこで、このTPPを契機に、
薬価決定に製薬会社が関わり、
新薬などの高額な医薬品と民間保険で、
100兆円ビジネスを成立させようという訳です。
HIVの薬が突然1,600円が70,000円になってしまった時のようなことが、
日本でも起こせるようになります。

これは日本国民のみならず、
加盟するであろう全ての国の国民にいえることですが、
TPPの制度面で最も知っておかなくてはならないことが

TPPの規定は各国の法律よりも上位

に位置づけられているという点です。
また、

アメリカにおいては、自国の法律がTPPの規定よりも上位

でもあります。
私たちは様々な政策を行ってもらうべく、
選挙を行い、国民の代表者たる議員が法律を作ります。
TPPの場合はどうでしょう?
そこに国民が選んだ議員が関わる余地はありません。
甘利大臣やマスコミが「大筋合意」としたTPPでも、
ほぼ全ての国会議員はその内容を知りません。
知る術がないんです。
こんなものを、有り難がっている人がいる訳です。

TPPで医薬品の自由化が認められるとどうなるでしょうか?
現在、10,000円ぶんの薬があるとします。
これを使用した場合、3割負担の健康保険の場合、
私たちは3,000円を負担することになります。
TPPで自由化されますと、
アメリカが高額な薬を持ち込み、
その価格決定の主導権を握ろうとして、
それが実現してしまうと、
あのHIVの薬のように、
10倍以上になってしまうことも充分にあり得ます。
仮に100,000円ぶんの薬を使用した場合、
この7割を国が負担し続けることは不可能ですので、
国民皆保険制度は破綻、
私たちは100,000円をそのまま請求されることになるでしょう。
そうすることで、アメリカの民間保険会社も潤います。
杞憂であればと思います。
しかし、

TPPの規定は各国の法律よりも上位

である以上、これはあり得る未来なんです。

それを踏まえた上で、

日本を終わらせるかもしれないISD条項

へと続きます。




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