元プロ野球選手・清原和博容疑者の覚醒剤所持と使用の件では、
毎日、彼の行動が伝えられています。
その中には、彼がそれを常用していたこと、
現役時代から使用していた可能性が高いという報道などが含まれています。
普段、私は芸能人は「さん付け」
スポーツ選手は記号的に呼び捨てか「~選手」と呼んでいて、
現役引退を境に「さん付け」にしているんですが、
こうして、彼の呼称を「容疑者」にしなければならないこと、
そして、この記事のカテゴリを
「スポーツ」ではなく「時事」にしなければならないことが辛いです。
彼の内面にある"弱さ"は覚醒剤疑惑以前から伝えられていて、
そんな彼が"番長"を貫こうとしている姿が好きでした。
人間、誰でも他者が見ている自分と、
自分自身が理解している自分には違いがあるものです。
人間は「こうでありたい」と思う人物像を演じ、
その姿は他者が自分に対して見ている人物像、
求めている人物像だったりします。
私も虚勢がなければ体を動かせませんけれど、
彼のような人を惹きつける虚勢は張れません。
そんな彼の虚勢が好きだっただけに残念でなりません。
人間は弱いもので、
今回のことは当然、自業自得なのですが、
その自業自得であるがゆえに、
また新しい傷が出来たり、傷が深くなったりします。
たとえば、離婚だったり、お子さんたちと会えなくなったりしたのは、
おそらくは彼自身の責任によるところが大きいのでしょうけれど、
それが決定してしまった段階では、
もう取り返しがつかない状態で、
その自責の念が向かう先にも、
彼の覚醒剤があったはずです。
西武入団の経緯、巨人時代の起用法と、
移籍先すら探さない球団の姿勢、
それらのどのあたりで覚醒剤が関わってきたのかは不明ですが、
その時々で、彼の周りには手をさしのべてくれる人がいたと思うんです。
俺が花道をつくってやるから大阪に戻ってこい
行き場のない彼を誘った当時の仰木彬オリックス監督。
泉下の仰木さんを裏切ったことについても、
自責の念があるでしょうけれど、
なんとか、その自分を責める気持ちを、
薬物から離れるほうへと向けられなかったのかと思います。
週刊文春の報道で、全てのメディアが出演させなくなってから、
彼の無実を信じ、力を貸した人がたくさんいたはずです。
伝えられるところでは、石橋貴明さん、
後輩の元木大介さんと奥様の大神いずみさんなどの名前が挙がっていますが、
違法薬物使用疑惑のある人物をテレビに戻すには、
まだまだ力が足りません。
おそらく、もっとたくさんの実力者が彼の出演を後押ししているはずです。
それを裏切っていたんですね。
それが自責の念となり、
引き続き覚醒剤に頼る動機になったのでしょうか。
この報道で、田代まさしさんの近況を知ることが出来ました。
今は薬物依存症リハビリ施設「日本ダルク」にいらっしゃるんですね。
以前の彼の芸能界復帰にも、
多数の方々が関わり、それを裏切った過去が彼にもありますが、
その彼曰く、
まだ覚醒剤を使用してしまうのではないかという恐怖があるそうです。
常用していた経験者でないと理解しがたいのですが、
彼らは「おかしくなるため」ではなく、
「正常な状態になるため」に覚醒剤を使用しているようで、
つまり、薬物の影響下ではない状態が異常で、
頭が冴えている薬物使用状態こそが
本当の自分なんだと考えてしまう人もいるんだとか。
おかしなもので、そういった人は、
今後のことを冷静に考えるために、
覚醒剤を使用するなんてことも。
田代さんは以前、
もう一度薬物を使用する可能性はないのかと問われた時に、
一日一日やめ続けている姿を見せていくしかない
と仰いました。
もうやめたから、
やめることが出来たから終わりではないようです。
厚生労働省のサイトで確認しますと、
2012年のデータでは11,842件の覚醒剤事犯検挙者のうち、
7,232件が再犯者となっていて、
その割合は61.1%にもなっています。
田代さんは覚醒剤の経験者が覚醒剤を見ると
梅干しを見た時の唾液のような条件反射で欲しくなるとも語っていました。
意志は脳で形成されるものですが、
その脳の反応に逆らわなくてはならないのですから、
覚醒剤などから離れるのは並々ならぬ覚悟が必要なのでしょう。
清原容疑者はやがて執行猶予付き判決により、
社会生活を再開することになるでしょうが、
その前に、いかに薬断ちをするか、
「死ぬまでやめ続けられる」かが問題になります。
多くの方の信頼と尽力を裏切ったこと、
それは自らを苦しめるものとなるでしょうけれど、
逆に力にもならないでしょうか。
そういった方々に彼が出来るとすれば、
「やめ続けている姿」を見せることしかないのですから。
この逮捕で、お子さんたちはとても苦しんでおられると思います。
それも含めて、再び面会し謝罪するその日を迎えるためにも、
それを力にして欲しいと思います。
使用者は覚醒剤が手に入るとわかると、
条件反射のように欲しくなります。
だから、その線につながる一切の人脈は絶たねばなりません。
現在、彼は入手経路については話さないと報じられていますが、
それがもしも、売人などや仲立ちをした人への義理立てなどだとすれば、
今後、それが禍となる可能性が高いです。
非合法組織が付け入る隙にもなります。
芸能人などの有名人は目立つため、
一般よりも薬断ちはさらに困難かもしれません。
一方で、彼が逮捕までに非合法組織から、
お子さんたちの安全について、
脅迫のような因果を含められている可能性もあります。
警察などは、責任を持ってお子さんたちや
元奥様たちの安全に重々配慮している姿勢を、
被疑者に伝えていただきたいと願います。
この逮捕で、現在、
一人の覚醒剤常用者を検察庁で取り調べを行っている訳ですが、
まさか、これが警察や検察の本願ではないはずです。
彼と同じように常用している人はたくさんいるでしょうし、
このままの状況であれば、
これからも無限に生まれ続けるでしょう。
もうそういう人たちが生まれないようにしなければなりません。
密売ルートを潰すことこそ、
警察や検察の本願ではないでしょうか。
その本願が果たされることを願っています。
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清原和博容疑者へ ~死ぬまで覚醒剤をやめ続ける姿を見せてください~
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