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今も忘れない東京フレンドパークの「クルマ!クルマ!」-三菱自動車燃費偽装事件-

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三菱自動車工業による燃費偽装事件では、
まずは従業員が気の毒ですね。
ほとんどの従業員はこの不正には関わっていないのですから。
そして、下請け。
一蓮托生で経営危機になりそうです。
もしも、三菱自動車が三菱グループの力に助けられたとしても、
こういった下請けには関係ないかもしれません。
今は下請けに対して補償を検討しているということですが、
この長期化必至のこの問題で、
いつまでその対応を続けられるでしょうか。

三菱が補償すべきなのは顧客に対しても。
燃費の数値はクルマ選びの重要なデータで、
特に低燃費が魅力の軽自動車ではその重要性が高くなります。
そういえば、この問題が最初に報じられた翌朝、
中古車販売業者の折り込み広告に件の三菱の軽がたくさん並んでいました。
事件が認知されていない状態での広告制作でしたけれど、
今後はそのまま売ることは難しいでしょう。
価格設定を下げなければなりません。
しかし、既に買い取った金額がありますので、
利益が少なくなるか、悪ければ損をすることになります。
それは三菱自動車はどう考えているのでしょうか。


今も忘れられないのがTBSで放送されていた
「東京フレンドパークII」での出来事。
あの番組では最後に豪華賞品を賭けたダーツが行われ、
その目玉がパジェロIIであることが多かったです。
観客が「パジェロ! パジェロ!」と連呼する中、
挑戦者がダーツを投げるのが定番でした。
2004年のある時、そのコールが
「クルマ! クルマ!」になってしまうことがありました。
しかも、観客の口はその声に合っておらず…
三菱には度重なるリコール隠しがありました。
パジェロシリーズの中にも、
リコールされるべき問題があり、
さらにこの年には三菱ふそうのトラックのタイヤが外れて、
母子3人が死傷するという事件があり、
TBSは映像の差し替えは無理にしても、
音だけでも何とかしようと、
苦し紛れに音だけ別録りしたものをはめたのでしょう。
その後、この番組ではいろいろと目玉が変わったように記憶していますが、
クルマではトヨタのパッソになっていたと思います。

今回の燃費偽装は1991年からだと公表されました。
リコール隠しから始まる一連の事件は2000年から。
これよりも前に、燃費偽装は行われ、
そして、母子死傷事件後、出直しを誓っていましたが、
それよりも前に、不正は続いていたわけです。
しかも、その不正があまりにも常態化していたからか、
悪いことをしているという意識が薄かったのではないかとも思います。
この偽装は日産の指摘により発覚しました。
三菱は日産向けの事実上のOEMを請け負っていて、
偽装している車種を納めていたんですね。
日産もプロですから、気づかれてしまうこともあるでしょう。
そんなことも考えられなくなっていたのかもしれません。

東洋経済によれば、
三菱の2014年12月から1年間の研究開発費は746億円だったとのこと。
同じ時期のトヨタは1兆45億円、
ホンダで6,626億円、日産が5,061億円、
スズキが1,258億円ですが、
スズキは軽自動車のみの研究開発を行っていて、
他は登録車を含む研究開発費です。
当然、対象が広くなれば、その費用も大きくなります。
ホンダや日産などは登録車と軽自動車両方を研究しているために、
これだけの投資を行っている訳ですが、
同じように登録車と軽自動車両方を研究しているはずの三菱が、
軽のみのスズキにも及びません。

軽自動車のシェアでは、ダイハツとスズキがそれぞれ30%超、
続いてホンダ、日産となり、
その次の三菱はわずか3.2%に過ぎません。
おそらく、自社ブランドによる軽自動車の製造販売は
ペイできていないのではないでしょうか。
だから、三菱は生産ラインの過半数を日産のOEMに充てているのでしょう。
いいクルマを作る、安全なクルマを作るという意欲も、
現場から失われていたのではないでしょうか。

自動車の生産は国土交通省による型式指定という認証が必要になります。
今回、燃費偽装を行っていた車種について、
その認証を取り消すこととしました。
既に流通してしまっている車両については、
安全面では問題がないとして、
ユーザーがそのまま乗り続けることは可能なようです。

日本では国内の製造業が海外に仕事を取られ、
厳しい状況が続いています。
そんな中でも、環境分野だけは
日本は世界一クラスの技術を持っていて、
それを製品に生かしているというのが世界の見方でした。
しかし、今回のようなことが起きると、
日本の産業そのものへの信頼が失われてしまいます。
かつてはパリ・ダカールラリーでのパジェロの大活躍、
ランサー・エボリューションも世界ラリー選手権で活躍しました。
昨日発表された4月における
三菱の軽自動車の販売台数は半減していました。
この数字には偽装が発覚する前に販売されたものが含まれているのに、
この有様です。今月はどうなるでしょうか。
今後、三菱自動車がどうなるかはわかりません。
仮に三菱商事以下が再建を図ったとしても、
このままではユーザーが戻ってくることはないでしょう。
失われた信頼を取り戻すことは困難なもの。
それが四半世紀にわたり、
しかも、数々の不祥事からの出直し中でも、
この不正は行われていた訳です。
経営陣を総退陣させても、
メーカーとしての継続は難しいでしょう。
それよりも何よりも、
できる限り、失業率が出ないことを祈るのみです。




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