ビーバップ!ハイヒール「知識ゼロでも楽しめる!森村流美術鑑賞術」 その3 ~フェルメールにエロスを見る~
こちらからの続きです。
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-12160312299.html
http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-12160939821.html
「この絵をどう思う?」
そう問われて、私たちは何を考えるでしょうか。
その絵の主題でしょうか。
時代背景でしょうか。
構図でしょうか。
色彩でしょうか。
森村泰昌先生は
だから美術は面白くない
と感じてしまうのだと話します。
17世紀のオランダの画家、
ヨハネス・フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」。
(Wikipediaより)
日本でも人気のフェルメール。
この作品を思い浮かべる人も多いかと思います。
この絵を見たとき、何を感じるでしょうか。
それは人それぞれだと思います。
違っているのが当然で、
皆が皆、同じ感想になるほうが不自然です。
特にこの絵はモデルが誰なのかも含めて、
わからないことだらけです。
フェルメールが何を意図して制作したのかもわかりません。
だから、なおのこと、
絵に対する感想は人それぞれであるべきなんです。
フェルメールのよく知られた形容に「光の魔術師」というものがあります。
たしかにそうかもしれませんが、
頭の中にこの言葉があることで、
見えなくなるものもあるのではないでしょうか。
(Wikipediaより)
これらフェルメールの5枚の作品から、
何を感じるでしょうか。
物静かな、落ち着いたといった印象もあるでしょうが、
多くの人がフェルメールに惹かれているのは
そんなことだけではないはずです。
ドキドキさせる何か、心動かされる何かがあるはずで、
それはこれらにエロスがあるからだ、
森村先生はそう話します。
女の元へ手紙が届きました。
差出人は男でしょうか。
その男がやって来ました。
男は女に酒を勧めます。
そして、意味ありげな笑みをこちらに向ける女。
女は男の企みを見透かしており、
自らの欲望を自制しているようです。
それを暗示するのが窓のステンドグラス。
そこには女性が描かれており、左手には手綱が。
手綱は抑制を暗示していると読みます。
女を弱そうとする男、
そして、そんな男と自分の中の欲望に耐えている女です。
ついに、女は男の言葉と欲望に負けて酒を飲みます。
前の絵から時間が経過したのでしょうか。
女は眠ってしまっています。
男はいません。
彼女はただ遊ばれてしまったのでしょうか。
森村先生はこの5枚の作品を
このような男女の物語として読み解きました。
おそらく、フェルメールはこんなことを考えて制作したのではないでしょう。
ただ、先生はそういう解釈をして、
私たちもそれぞれの解釈をすべきだというお話でした。
先生はそれが美術鑑賞というよりも、
それこそが美術鑑賞
と話すのでした。
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