今週の番組も面白かったですね。
「関西と近畿の違いは?尼崎はナゼ大阪06?身近な地理の謎」というお題で、
関西だけでなく、福島県の県庁所在地が
会津若松市ではなく、
なぜ福島市なのかなども知ることができました。
今回の記事では先週の番組から「疑似科学」を。
世の中、まことしやかにつけられた理窟で、
よくわからないものが流行することがありますよね。
最近知ったんですが、
今、「グルテンフリーダイエット」なるものがあるそうで。
グルテンのない食事を食べて痩せるということらしく、
いろいろと調べてみたんですが、
その理窟を読んでみても、
さっぱり意味がわかりませんでした。
この間、ディーン・フジオカさんが
グルテンアレルギーであることを告白されていて、
彼のような方は避けるべきですけれど、
炭水化物抜きダイエットと同じような感覚でしょうか。
それも不合理であり、また、グルテンアレルギーがある人でも、
症状がない人は食べてもよいとされ、
健康な人にとって
グルテンが敵視されなければならないのかがわかりませんでした。
まあ、今後、何か合理的な説明が出てくる可能性は否定しませんが、
現時点での価値については、
目に見えない宇宙人が歩いていたという主張と同じ程度の意味しかありません。
さて、番組です。
ゲルマニウム、デトックス、マイナスイオン…
これまで、健康情報などでよく見られた言葉ですが、
これらに何らかの健康面の効果があるという根拠はありません。
個人的にはデトックスは厄介だと思っています。
「毒素を排出する」と定義されているデトックスですが、
その毒素の定義が不明です。
定義されていないことをいいことに、
商売に使い放題のようになっているような気がします。
~肌のコラーゲンは年齢とともに減少する~
美肌のためにコラーゲン
広告などにありふれている文言です。
しかし、コラーゲンが肌に良いという根拠はありません。
コラーゲンを経口摂取しても、
体内でアミノ酸に分解されます。
ただのアミノ酸ですので、分解されてしまえばもうコラーゲンとは呼べません。
このアミノ酸が人体の各組織の材料となる訳ですが、
食べたコラーゲンが再び肌のコラーゲンとなる確率は0.004%程度とのこと。
ここまでに、それを肯定する実験結果も記事にしてきましたが、
まだまだ立証されたとはいえません。
あくまでも可能性の一つです。
あるといえない以上、それを信じ込む理由はありません。
ただ、この広告の「肌のコラーゲンは年齢とともに減少する」は
事実だったりもします。
そして、食べたコラーゲンが肌のコラーゲンとなるとは書かれていません。
「美肌のためにコラーゲン」の後に続く言葉もありません。
カシコブレーンは明治大学情報コミュニケーション学部の
石川幹人(まさと)教授。彼は
疑似科学とされるものの科学性評定サイト
http://www.sciencecomlabo.jp/
こちらのサイトを立ち上げ、
公平な立場からの検証を行っており、
現在、こちらには国からの研究費が与えられています。
漢字検定1級受験のための参考書があるとします。
その帯に書かれているのが
合格者の80%以上が使っている
という言葉。
一見すると、合格のためには必修のテキストのようですが、
ここに罠があります。
もしも、この参考書を多くの不合格者も使用していたとすればどうでしょう。
この参考書に対する印象は大きく変わるはずです。
こういう確率や統計を用いた誘導は世の中に無数に存在しています。
7月10日には参院選が行われるようですが、
ポスターや広報に書かれる公約実現度のような数字は、
そもそも、その候補者がその政策にどの程度関わったのか、
公約はそこに書かれているものだけだったのかが不明です。
もしかすると、できもしない公約も含めて
下手な鉄砲も数打ちゃ当たるなのかもしれません。
水素水は以前も攻撃していますが、
水素水が体内の活性酸素を排出しやすくするという論文は存在しています。
その効果は特定の病気の人に対して確認されているようですが、
それ以外の人については不明です。
現在、それをあたかも全ての人に
効果があると思わせるような惹句が乱発されています。
それを読んだ人の「誤解」を期待しているのです。
それを大手の飲料メーカーが行っていることが嘆かわしいです。
繰り返しますが、今後、水分補給以外の何らかの価値が実証されるかもしれません。
ただ、現時点では実証されている事実は何もないに等しい状態です。
さらにいえば、何かしらの価値が実証される可能性がゼロではないということは、
何かしらの害がある可能性もゼロではないということでもあります。
おそらく、害はないとは思いますが、
そのことも知っておくべきだとは思います。
さらに、水素水という言葉の定義も一定ではありません。
テレビで「切れ味の変わらない包丁」の通販を紹介しているとします。
これを、研ぐ必要がなく、
ずっと切れ味が良いままの包丁だと思ってしまうのが人間です。
私が思うに、番組で「切れ味の変わらない包丁」の例を紹介したのは、
あの掃除機のCMのことを言いたかったのではないでしょうか。
「変わらない」「掃除機」について、
その「吸引力」がどうなのかについて、
考える人はあまりいなかったでしょう。
水素水にしても、広告を収入源としている民放では
非常に扱いづらい内容です。
様々なビタミンなどが含まれているサプリメントがあります。
マルチビタミンなどと呼ばれていますが、
「たくさんのサプリメントをこれ一つだけで」と考えるのは誤りです。
様々なビタミンなどの成分が含まれているということは、
単独の成分のみのサプリメントよりも、
必然的にそれぞれが含まれている量は少なくなります。
しかし、パッケージには「1日に3粒」のような目安が書かれています。
薬事法の制限を受けないサプリメントは、
健康食品であるため、健康に対する検証の必要はありません。
よって、どのメーカーも、念のため
「目安」を少なく設定しているようです。
多数の成分が含まれているために、
それぞれの成分の量は少なくなり、
さらにメーカーが少な目に表示しているとすれば、
そのサプリメントを摂取する意味はどうでしょうか。
一般に、私たちは数字があると、
それを客観的な評価として、
あるいは評価するための材料として判断しがちです。
番組作成した例では
スーパープラセンタX
1粒に9000mgのプラセンタエキス配合
内容量100粒(100g)
このようなものがありました。
こんなものに騙されるはずはないと思っていても、
意外と騙されてしまうもので、
ここまで極端ではないにしても、
複数の異なる単位や基準を表記して、
正確な評価をさせなくするという手法は大昔から使われています。
そして、これは放射線量の単位を
恣意的な単位を使用して、数字を大きく見せ、
福島に風評被害を与えて続けています。
この後、なぜ人は疑似科学に騙されてしまうのか、
騙されやすい人とはどういう人なのかなどのお話へと続きますが、
それはまた。
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