終わってみますと、
各紙には「改憲勢力2/3」という文字が並びました。
実際、改憲は国民投票で決められるので、
そう簡単にはいかないでしょう。
国民投票で否決されれば内閣総辞職。
そうならないためには、かなりの準備が必要であるはずです。
私は日本国憲法に過剰な期待も評価もしておらず、
意味のわからない前文だけでもなんとかしろと思っていますが、
もしも、現在の自民党案を基礎とするなら、
私は「反対」に投票します。
今回、「改憲勢力」に投票した人でも、
そういう人も多いかと思います。
今回の選挙も、改憲の是非が争点になった訳ではないでしょう。
自民はいつものようにそれを避けて経済面でのアピールに終始し、
民進が憲法を争点にしたがっていたのも、
まともな経済政策がなかったからに過ぎません。
国民、皆、目の前の生活が大切で、
多くの人にとって最重要視したのも経済だったと思います。
ただ、アベノミクスが信任されたというのも事実ではないでしょう。
何しろ、経済政策と呼べるものをアピールしていたのは与党で、
それとて、政策というにはギリギリライン。
突っ込みどころがあるものでしたが、
そこに突っ込めないのが
お馴染みの野党でした。
現政権への批判はしても、
自党がどうしたいかは言えません。
「反安倍」なんていう政策はないんです。
野党共闘では共産党が割を食ったのではないかと思っています。
従来通りの候補者の立て方をしていたら、
もう少し獲得議席が多かったはず。
しかし、志位委員長は「衆院選でも」と話しているとか。
共産党支持者はそれに納得するのでしょうか。
まあ、この種の共闘は小選挙区制でこそ、
意味がありそうですが。
今回の1人区、事実上の小選挙区がそうでしたから。
しかし、正しい政策を述べている候補者を
議会に送り込むことよりも、
その候補者がどこの馬の骨であろうが、
血迷った意見を述べていようが、
現政権打破のほうが優先するというのも異常な考え方です。
この選挙では18歳、19歳の国民が初めて投票権を得ましたが、
もう一つ、都道府県を単位としない選挙区が初めて生まれた選挙でもありました。
鳥取県・島根県、高知県・徳島県が合区となり、
この隣り合った2県で1名の議員を選出しました。
しかし、高知県では白票などの無効票が増え、
無効票の中には「合区反対」の文字もあったとか。
投票率も鳥取、高知、徳島で過去最低となっています。
もしも、鳥取と島根で利害の対立があった時、
それぞれの意見を中央に届けるのは誰でしょうか。
法の下の平等を謳う憲法ですが、
こういった地域の声を殺す合区こそ、
憲法違反なのではないかと思います。
こうして、地域の声が生かされなくなり、
東京一極集中は加速することになります。
それを是としているのが暇な弁護士たちです。
この合区により、最大で4.77倍だったいわゆる一票の格差は3.07倍となりました。
しかし、早速、3.07倍という格差も問題だとして、
全ての選挙結果を無効とすべしという訴えを
暇な弁護士たちが起こしました。
ほかにすることはないのでしょうか。
それとも、これが彼らの営業活動なのでしょうか。
国民も、一票の格差を1に近づけることが、
本当に平等なのかについて考える必要があります。
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第24回参議院議員通常選挙終了
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