Quantcast
Channel: テレビ番組 時事ネタなど書いていきます。はい。
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2031

「天皇陛下 退位ご意向」の報道に考える

$
0
0

昨日、Twitterで時事関連のためのリストを眺めていましたら、
NHKのアカウントに第一報があり、
その後、ほかの各メディアも同様の報道をしていました。

そして、宮内庁は「そんな事実はない」と否定、
ただ、このコメントの後も各メディアは論調を変えていないことから、
よほど情報源に自信があるのでしょう。
それも、各メディア共通の情報源です。
宮内庁の某だということですが…

何らかの意図があり、この情報が流されたのでしょう。
それは、報道にあるとおり、
陛下ご自身のご意向かもしれませんが、
正確なところは不明です。

この種の情報を管理しているのが宮内庁で、
今回も強い反応を示しているわけで、
宮内庁というと、天皇家の方々のお考えを代弁しているように思いがちですが、
基本的には役人で構成されている組織ですので、
天皇家の方々のご意向とは違う動きを見せることもあります。
よって、宮内庁から出てくる話というのも、
鵜呑みにはできないでしょう。

問題の第一は皇室典範の不備にあろうかと思います。
譲位というべきかもしれませんが、
現行の皇室典範には生前退位の規定がなく、
それは、上皇となって権勢を振るわれるおそれや
権力闘争に利用される可能性を考えたためだとされています。
しかし、現行憲法では象徴天皇というお立場であり、
このような危惧は不要でしょう。
おそらくは、時の天皇が国事行為などを行えなくなれば、
摂政を設ければ問題ないぐらいの考えなんだと思います。

もしも、陛下が憲法が定めている象徴天皇としての全ての責務を
果たすことは難しいとお考えであるなら、
皇室典範を改正しないといけませんが、
象徴天皇は憲法の規定、法改正には意見できません。
だから、宮内庁は否定するしかないともいえます。


この問題から離れて考えますと、
実際に天皇陛下は激務だと思います。
おそらくは、国民の多くがそう感じているとは思いますが、
多くの人が認識しているよりも、はるかに激務です。

まず大切なのは、憲法に規定されている国事行為。
内閣総理大臣や最高裁判所長官の任命のほか、
国務大臣と各法律の定めるその他の官吏の任免、
衆議院解散と総選挙の施行を公示など多岐にわたります。
海外からの賓客の来訪には日本国を代表して、
もてなさなければなりません。
きっと陛下は被災地訪問も責務だとお考えのことでしょう。
その他、海外にもいらっしゃり、
海外における戦没者慰霊もされています。
これらは基本的にはご公務である訳ですが、
その中には、ご公務としてではなく、
陛下ご自身の時間を費やして行われているものあります。

これらのお姿は私たちも報道で知ることができ、
それだけでも大変なお立場であることを窺い知れる知れるわけですが、
実際は、それだけではないのです。
天照大神の子孫とされる天皇陛下は
日本神道の最高祭司者でもあられます。
そのために、陛下ご自身により多数の祭祀が行われています。

たとえば、四方拝。
元日の午前5時30分、平安の頃より続く束帯のお姿により、
天皇陛下は国の安泰や農作物の豊作を祈念し、
国民や国家が被るその災厄の全てを
陛下が御身一身にお引き受けになるという決意を示されます。
その儀式は時の天皇にのみ許されたもので、
唱えられる呪文も、天皇以外が唱えても意味がないものです。
この四方拝は天皇ただお一人で行われるもので
その様子を目にした者はいません。
元日の夜明け前の祭祀であり、
それに備えて陛下は大晦日の夜からその玉体を清められ、
儀式に臨まれます。
皇后陛下はこの儀式には関わりませんが、
天皇陛下の祭祀が無事完了するまで、
戸外にてご自身も祈念されつつ、お待ちになっているとのこと。
飛鳥時代から連綿と、歴代天皇が継承してきた儀式です。

その後には年始を祝うための歳旦祭、
皇族の方々からの年始の挨拶、
総理大臣、各国務大臣、官房長官、副大臣からの祝賀、
衆参両院議長、各副議長、各議員からの祝賀、
最高裁判所長官と判事などからの祝賀、
各省庁事務次官、各都道府県知事からの祝賀、
それが終わると、お昼になりますが、
午後からも各国の駐日大使の新年挨拶があります。
そして、さらには翌日に一般参賀もあります。
正月の宮中祭祀は特別ではありますが、
一年中、祭祀とその準備が繰り返されています。
いつも私たちが拝見している陛下のお姿はごく一部に過ぎないのです。


82歳というご高齢で、
秋篠宮殿下が仰る定年制であってもよいかと思います。
今回の生前退位についてはともかく、
天皇という位は、
陛下ご本人が退きたいとお考えになってていたとしても、
ご本人にはどうにもできないということは認識しておくべきだと思います。








Viewing all articles
Browse latest Browse all 2031

Trending Articles