ビーバップ！ハイヒール関西建造物ミステリー～阪神高速が貫通する大阪ゲートタワービル～

9月22日の放送から。
前回は

http://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-12204783577.html

高さ300m超の眼鏡橋、千本松大橋をご紹介しましたが、
今回はこちら。

以前、大阪環状線福島駅のあたりで、
外国からのかたに話しかけられ、
道を尋ねられたことがあります。
「道路が中を通っているビルを知らないか」とのことで、
聞けば、建築を勉強されているというドイツの方。

この梅田スカイビルもご覧になると仰っていました。

大阪ゲートタワービル(TKPゲートタワービル)

なかなか奇抜な外観で、外国でも話題になっているようです。

明治の頃から製薪炭業をこの地で営んでいた末澤産業は、
約30年前、新社屋として自社ビル建築を計画、
しかし、都市計画ではここを高速道路が通ることになっていました。
阪神高速道路公団(現・阪神高速道路株式会社)では
既にほかの用地買収は済んでおり、
この場所を残すだけになっていました。
末澤産業としても、本社が入る念願の自社ビルであり、
双方、折れるわけにはいかない状況でした。

末澤産業と公団の折衝は5年にもおよび、
公団が土地の強制徴収をちらつかせる中、
末澤産業が出したアイディアがこれでした。
この場所に自社ビルを建てることに変更はない、
しかし、高速道路もここを通って良いとしたのです。

こうして完成したのがこの大阪ゲートタワービル。
公団側もこの一等地を買収するよりも、
安上がりになるというありがたい計画でした。
現在は株式会社ティーケーピーが全館を賃借、
TKPゲートタワービルとして、
貸会議室も利用できます。

この高速道路はビルとは完全に独立した構造であるため、
振動がビルに伝わることもなく、
このあたりのほかのビルと、
騒音もあまり変わりないそうです。

このビルは事務所などがテナントとして入居していますので、
阪神高速道路も

5階から7階に"入居"していることになっています。
もちろん、5階から7階に
阪神高速道路株式会社のオフィスなんかはありません。
この奇妙なビルにはJR福島駅から徒歩5分、
JR大阪駅、各線梅田駅からは徒歩7～10分ですので、
ぜひ、一度、ご覧ください。

高速に乗り、このビルをクルマで梅田側に走り抜けると
梅田スカイビルが見えてきます。