役者さんが乗っておられるのが伝わってくるドラマで
現場の雰囲気のよさが画面に出ていました。
時代考証でも、画期的な大河ドラマでした。
大河に限らず、時代劇には時代考証、風俗考証担当者が付きますが、
俗説を控えめに、
現時点で事実とされている歴史が基礎となっていました。
ここ数年間の発見が生かされているのも楽しかったです。
脚本の三谷幸喜さん自身、
歴史に敬意を払われる方だということもあるでしょう。
今もなお、新発見が続き、十年後ぐらいに、
今作のような史実を生かした内容の大河ドラマを、
同じ真田信繁で制作すれば、
また違った内容のものとなるでしょう。
実は第一次上田合戦のあたりはまだ不安でした。
ドラマでは信繁正室・梅が説得力のない理由で戦場をうろつき
彼女は命を落とすのですが、
全く感情移入できませんでした。
この頃、特に女性登場人物のオリジナルエピソードは
雑なものが多かったと思います。
笑いを取りに行ったものならともかく、
シビアなシーンでは辛いものがありました。
今作の時代を勉強する中で感じたのは、
事実の中にあるドラマ性です。
嘘くさくて小説家や脚本家には書けないだろうというようなことが
歴史では起きていて、
半端な創作物は太刀打ちできないと感じました。
歴史上の人物をドラマ化する際、
わかっている史実だけでは足りませんので、
その合間を脚本家の想像力が埋めていくことになります。
そうして創作されたエピソードが
史実と不釣り合いですと、
視聴者は違和感を感じ、
つまらないという印象を受けることになります。
ありがちなのは、
「戦はイヤでございます」
などという女性登場人物。
私などはイヤならイヤで、
戦を避けるいい名案でもあるのか、
それとも、殺されたいのかと思うのですが、
今作ではそんな人物は出てきませんでした。
今作では主人公サイドも罪科のない人を殺しました。
戦国のシビアな世界、
そんな世界だからこそ、
ひときわ光る忠義と生き様があったと思います。
次の大河ドラマは「おんな城主 直虎」。
面白いことに、
先日、井伊直虎が女性ではなく男性だったという史料が出てきました。
ドラマ最大の「武家の女当主」という特徴を否定するものですが、
性別すら確定できないのが直虎なのでしょう。
よって、ドラマではオリジナルエピソードの量が多くなるはずです。
そこが史実と上手く噛み合うかどうか、
これまでの女性主人公の大河ドラマでは
その噛み合わせに失敗しているだけに、
心配しています。
近年の女性主人公の作品で納得できたのは、
「八重の桜」の幕末篇ぐらいですから。
私自身、いつか発表できるものをと書き進めているものがありますが、
事実に劣らないものを出すのは、
こういうことを考えると、
怖じ気づいてしまうものがあります。
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