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スマホで子守りはいけない? 「なんとなく」決めつける日本小児科学会に異議

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国会では詐欺師に対する証人喚問が行われ、
どれだけの人が
この証人喚問に約7億円が費やされていることを知っているのかが気になります。
予算委員会からこの問題で時間を無駄遣いしていますので
少なく見積もっても10億円以上。
検察と警察に任せていれば10億円は不要であるはずなのに。
あらゆる法案が廃案になろうとしています。

さて、昨年後半ぐらいから、
お母さんが赤ちゃんの子守りに
スマートフォンを使うことの是非が話題になりました。
そして、12月、日本小児科学会がこのようなポスターを制作、
メディアでも採り上げられ、
やっぱり駄目なのか、という雰囲気ができあがりました。
私も仕事で何を書こうかと考えている時に
面白いものを見つけたと思ったんですが、
これは拡散すべきではないと判断しました。


http://www.jpa-web.org/dcms_media/other/smh_poster.pdf
(公益社団法人日本小児科学会より)

ただ、当時からこの学会のメンバーでもある小児科医の一部から
異議が上がっていました。

このポスター、なかなかおどろおどろしいものがあります。

「赤ちゃんと目と目を合わせ、語りかけることで
 赤ちゃんの安心感と親子の愛着が生まれます」
「ムズがる赤ちゃんに子育てアプリの画面で応えることは、
 赤ちゃんの育ちをゆがめる可能性があります」
「親子が同じものに向き合って過ごす絵本の読み聞かせは、
 親子が共に育つ大切な時間です。」
「親も子どももメディア機器接触時間のコントロールが大事です。
 親子の会話や体験を共有する時間が奪われてしまいます」
「散歩や外遊びなどで親と一緒に過ごすことは
 子どもの体力・運動能力
 そして五感や共感力を生みます」
「親がスマホに夢中で、赤ちゃんの興味・関心を無視しています。
 赤ちゃんの安全に気配りが出来ていません」

この中の文章を引用させていただきましたが、
尤もらしい言葉でもツッコミどころが見つかるかと思います。
何よりも根拠が不明なんです。
このポスターの右半分にはタブーがイラスト付きで紹介されていますが、
物事は質と程度次第です。
左半分の推奨されている事柄にしても、
「赤ちゃんと目と目を合わせ、語りかけることで」
の文章とともに、授乳シーンが描かれているものの、
さすがに授乳中ずっと目を見て語り続けるわけにはいかないでしょう。
右下のように「夢中」であれば問題でしょうが、
少しの息抜きや赤ちゃん、子育てのことについて
スマートフォンで調べることぐらいは問題ないかと思います。
「スマートフォンを手にしている」イコール
「娯楽」という発想が小児科学会にあるのではないでしょうか。

私たちはなんとなく、
子どもにとって絵本の読み聞かせは良いものだという印象があり、
そして、なんとなく、
スマートフォンが悪いものだという印象があります。
実際に読み聞かせが
子どもの脳の発達に良い影響を与えうるという論文は複数あり、
多くの論文と同じように、
どの程度検証されてきたかは疑問ながら、
私も読み聞かせは価値のある行為ではないかと思っています。

逆に乳幼児の脳とスマートフォンに関して、
それが悪影響を与えるという論文はあるのでしょうか。
私にはその根拠らしいものを見つけられませんでした。
私は何事も質と程度だと考えています。
育児アプリの中には優れたものもあるでしょうし、
電車の中など、公共の場所で子どもが泣きわめいていたとすれば、
一つのアプリで静かにしていてくれるなら、
こんなにありがたいものではないでしょう。

日本の台所に欠かせない醤油にしても毒になります。
あらゆる物質は毒になり得るのです。
問題はその性質と量次第であるはずです。

なぜか不寛容な社会になっていっているこの日本では、
子どもに対しても不寛容になっていっています。
電車の中で賑やかな子どもたちも、
もしも、その時、親御さんたち無関心で放置していれば別ですが、
どうしようもなく泣いている事もあります。
それで、親御さんたちが白い目で見られるのはあまりに気の毒です。
この「スマホで子守り」に対する批判も、
スマートフォンを子守りに使用してきた親御さんたちを
適度に肩身の狭い思いをさせることにならないでしょうか。

赤ちゃんに限らず、
子どもとスマートフォンの関係は質と程度で考えるべきであるはずです。
そして、それを決めるのは親御さんです。
そこを説くべきなのに、
小児科学会自身は根拠も示さず
「なんとなく」決めつけてこんなものを作り
皆が「なんとなく」持っている罪悪感を増大させる脅しに出てきました。

日本小児科学会といえば、
それがどういう組織なのか知らなくても、
「なんとなく」小児科学の権威的団体なんだろうなと思う人が多いでしょう。
そんな団体が発表したものだから間違いないと。
だから、その名前でおどろおどろしく
「スマホに子守りをさせないで!」と発表しますと、
電車の中でスマートフォンを触っているお母さんや
触らせているお母さんを見たときに、
白い目で見てしまう人が増えるのではないかと懸念します。
そのお母さんがどんなつもりで、
何を目的にスマートフォンを使っているか、
使わせているかは、
傍目からはなかなかわからないはずなのに。
この小児科学会の発表は
そんな危険をはらむのではないかと思っています。


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