コリックという言葉をご存じですか?
私も知らなかったのですが、
赤ちゃんが「1日3時間以上、週に3回以上、少なくとも3週間」
泣く場合、コリックと呼ぶそうです。「黄昏泣き」とも。
昨夜、「コリック用ガス抜きチューブ」なるものの存在をTwitterで知り
イタリアでは販売されていて
未知であるためいろいろと調べてみたんですが、
使うべきではないという結論に至りました。
コリックの原因を腸管にガスがたまるからだとして
そのガスを抜くためのカテーテルがこのアイテムのようです。
私は以前、肛門科医師の話をお聞きする機会があり
その時に、性的なお話も伺ったわけですが、
時々、肛門に「ヘンなもの」を入れて抜けなくなったなどの患者が来るそうで
その時の「肛門は排便のための器官」という言葉が印象的で
合わせて、腸管はデリケートなものとも伺いました。
成人でも解剖学の知識と医療の技術が必要なのに
もっともっと腸壁が薄いはずの赤ちゃんの腸管に
素人が長さのあるカテーテルを突っ込んでいいとは思えません。
そもそも、夜泣きなどを含むと思われるコリックの原因は不明とされ、
おそらくはガスが原因の場合もあるでしょうが
そうとも限らないはずです。
赤ちゃんのお腹が張って辛そうならマッサージ、
オリーブオイルなど使用の綿棒浣腸、
イチジク浣腸なら問題ないはずです。
腸にカテーテルを素人が入れようとすると
腸管穿孔、つまり腸に穴が開き、
最悪、赤ちゃんが死んでしまいます。
こういうよくわからない医療行為もどきは
エビデンス、根拠を確認しましょう。
さて、医師・近藤誠が反ワクチン本を書き
先日、発売されました。
ここで書籍名は書きません。
以前、仕事で彼の著作を一冊読みましたが、
聞きしに勝るトンデモ話で、
疑ってかかる限り、騙される人は少ないと思うんですが
現実にはベストセラーです。
統計の取り扱いの誤り、
算数の間違いなどが見られ
特に統計では、間違い以上に
自説に有利なように
「故意に間違っている」と感じました。
そして、言葉も本来の定義とは違う意味で使用。
「なぜこの論説でこの結論?」と思うことしきりです。
彼は元放射線治療の専門家とのことで、
ワクチンは専門外です。
彼のサイトを確認しますと、
37冊の著作が掲載されています。
ここまでよくもまあ、こんなに書くことがあるものです。
そんなに印税が欲しいかと思います。
彼に言わせれば、
「がんと闘うな。医者に騙されるな」という
メッセージを送るためということなのでしょうが。
お金が好きなのは間違いないかと思います。
彼はセカンドオピニオンを実施していて、
その料金は消費税込み3万2000円。
これは診療の代金ではありません。
一律30分間の「相談料」です。
弁護士事務所の場合、
「相談料」では30分間5,000円程度を掲げている場合が多く
1万円台のところはあるものの
売れっ子の場合でも
3万円はなかなかないかと思います。
誰だってがんになったとしても
外科手術はいやですし
放射線治療も抗がん剤などの化学療法も
避けられるものであれば避けたいと思います。
それで完治できない可能性も考えるでしょう。
ワクチンでも、それを接種せずに
病気にかからないのであれば
そのほうがいいに決まっています。
その感情に付け入っているのが近藤誠です。
ベストセラーの著者である彼は
講演料もご立派で、明示はされていませんが
おそらく2桁では済まないでしょう。
本を書くことで、講演に価値を付け続けているのです。
近藤誠に騙されてはいけません。
有名人の中にも、彼の影響で早死にした人がいます。
そちらでも有名になったので
がん以外でも注目されたいのでしょうか。
毎日患者と向き合っている医師たちと
出鱈目本著述と講演活動が生業の医師免許を持っているだけの彼と
どちらがより信用できるかという話でもあります。
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近藤誠の悪魔の書に騙されてはいけない
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