『方』『号』の起源は?「背筋も凍る!恐ろしき漢字のルーツ」(1) ビーバップ!ハイヒール
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こちらからの続きです。
前回は「方」と「号」の起源についてお書きしましたが、
漢字の由来におどろおどろしいものが多いのは
最古の漢字である甲骨文字が卜占に使われたからと考えられます。
古代中国のこの種の話に触れていますと
当時の人たち価値観について考えることになります。
人間の死体に霊力が宿り
魔除けの力があると考えていた彼らですが、
日本でもそういう価値観はあったのでしょうか?
日本神道では死や血は穢れとされ
遠ざけるべきものと考えられています。
調べてみたいですね。
さて、戦がありますと、兵たちは戦果を競うようになります。
手柄が大きい方が戦後優遇されるからです。
その証となるのが首でした。
敵兵を討ちますとその首を落として持ち帰ります。
その敵が敵勢力の有力人物などですと
首実検ののち、その首を持ち帰った者に多くの褒美が下されたでしょう。
ただ、誰だかわからない首の場合、
数が大切になります。
とはいえ、如何に勇猛果敢な兵でも
たくさんの首を持ち帰るのはたいへんです。
そこでかさばる首のかわりに
持ち帰ったのが耳でした。
耳の数が多い兵が出世できたのでした。
そうしてできたのが
取
でした。偏は耳そのもので
旁はその耳を持つ人の手を現しています。
そして、持って帰るのは首や耳だけではありません。
生きている人間である場合もあります。
連れてきた捕虜などは自由を奪うため
両眼をつぶされることがありました。
その上で奴隷として重労働を課されることになります。
そんな奴隷たちの姿を現しているのが
民
です。
元々、この漢字の上の「口」の中には
縦棒が繋がっていて、それが目つぶしの針と
流れる血を現していました。
奴隷は権力者に支配される存在ですので
後に被支配者層を指す漢字として「民」が使われるようになります。
現在政治の根幹である「民主主義」という言葉と合わせて考えますと
なかなか趣のある起源といえるでしょう。
色を示す漢字でも恐ろしい起源を持つものがあります。
「赤」は火あぶりにされている罪人の姿から、
「白」は頭蓋骨の象形です。
霊力が宿ると考えられた人の死体ですが
中でも権力者の死体には強いパワーがあるとされました。
特に頭蓋骨は崇拝の対象となり
「白」という漢字が今も伝わっています。
無実の人に火刑を命じたかもしれない権力者がいる一方で
残酷な方法で処刑される人のことを思うと
「自分はまだましだ」と思う人たちもいました。
手枷足枷ははめられているものの
黒炭になるまで火に焼かれることはありません。
そんな捕虜、罪人の姿を現しているのが
幸
という漢字。
手枷と足枷をはめられ
自由を奪われた人たちが
自分よりも酷い目に遭っているのを見て思う「幸」。
幸せという価値観は
今も昔も絶対的なものではないことが多く
誰かと比べた上での相対的価値観なのかもしれません。
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