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『幸』は本当に幸せ?「背筋も凍る!恐ろしき漢字のルーツ」(2) ビーバップ!ハイヒール

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『方』『号』の起源は?「背筋も凍る!恐ろしき漢字のルーツ」(1) ビーバップ!ハイヒール
https://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-12351949157.html


こちらからの続きです。
前回は「方」と「号」の起源についてお書きしましたが、
漢字の由来におどろおどろしいものが多いのは
最古の漢字である甲骨文字が卜占に使われたからと考えられます。

古代中国のこの種の話に触れていますと
当時の人たち価値観について考えることになります。
人間の死体に霊力が宿り
魔除けの力があると考えていた彼らですが、
日本でもそういう価値観はあったのでしょうか?
日本神道では死や血は穢れとされ
遠ざけるべきものと考えられています。
調べてみたいですね。


さて、戦がありますと、兵たちは戦果を競うようになります。
手柄が大きい方が戦後優遇されるからです。
その証となるのが首でした。
敵兵を討ちますとその首を落として持ち帰ります。
その敵が敵勢力の有力人物などですと
首実検ののち、その首を持ち帰った者に多くの褒美が下されたでしょう。
ただ、誰だかわからない首の場合、
数が大切になります。

とはいえ、如何に勇猛果敢な兵でも
たくさんの首を持ち帰るのはたいへんです。
そこでかさばる首のかわりに
持ち帰ったのが耳でした。
耳の数が多い兵が出世できたのでした。
そうしてできたのが


でした。偏は耳そのもので
旁はその耳を持つ人の手を現しています。

そして、持って帰るのは首や耳だけではありません。
生きている人間である場合もあります。
連れてきた捕虜などは自由を奪うため
両眼をつぶされることがありました。
その上で奴隷として重労働を課されることになります。
そんな奴隷たちの姿を現しているのが


です。
元々、この漢字の上の「口」の中には
縦棒が繋がっていて、それが目つぶしの針と

流れる血を現していました。
奴隷は権力者に支配される存在ですので
後に被支配者層を指す漢字として「民」が使われるようになります。
現在政治の根幹である「民主主義」という言葉と合わせて考えますと
なかなか趣のある起源といえるでしょう。

色を示す漢字でも恐ろしい起源を持つものがあります。
「赤」は火あぶりにされている罪人の姿から、
「白」は頭蓋骨の象形です。
霊力が宿ると考えられた人の死体ですが
中でも権力者の死体には強いパワーがあるとされました。
特に頭蓋骨は崇拝の対象となり
「白」という漢字が今も伝わっています。

無実の人に火刑を命じたかもしれない権力者がいる一方で
残酷な方法で処刑される人のことを思うと
「自分はまだましだ」と思う人たちもいました。
手枷足枷ははめられているものの
黒炭になるまで火に焼かれることはありません。
そんな捕虜、罪人の姿を現しているのが


という漢字。

手枷と足枷をはめられ

自由を奪われた人たちが

自分よりも酷い目に遭っているのを見て思う「幸」。
幸せという価値観は
今も昔も絶対的なものではないことが多く
誰かと比べた上での相対的価値観なのかもしれません。
 

 

 

 


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