厚生労働省が関東地方の風疹患者数について、
大幅に増加していると注意を呼びかけています。
昨年の年間患者数は93人でしたが、
今年になってからの患者数は既に96人と既に上回っており、
8月5日までの2週間では38人となっています。
この期間の患者は関東地方の30代から50代の男性が多いとのこと。
この後、お盆があり、人の移動が激しいため
既に全国に広がっている可能性もあります。
ウイルスが原因で三日ばしかなどとも呼ばれてきた風疹は
子どもがかかると思われがちですが
近年、日本では成人に患者が多くなっています。
症状は赤い発疹、発熱、
耳や首の後ろにあるリンパ節の腫れ、目の充血、咳などで
成人の場合は、関節痛が現れることがあり
子どもの発症の場合よりも高熱や発疹が長引くことがあります。
感染して発症してしまうと、
特効薬があるわけではありませんので
基本的には対症療法となりますが
比較的、治りやすい感染症ともいえます。
ただ、最大の問題点は「先天性風疹症候群」にあります。
妊娠20週ぐらいまでの女性が風疹に感染すると、
胎児が先天性風疹症候群になるおそれがあります。
先天性風疹症候群は
生まれつきの心疾患、難聴、白内障の三大症状に加え、
緑内障、網膜症、低体重、精神・運動発達の遅れ、
出血の危険が高まる血小板減少性紫斑病、
肝臓や脾臓が腫れる肝脾腫などの危険性があります。
重い障害を避けるためにも
ワクチンの接種が必要ですが、
妊娠中、あるいは妊娠の可能性がある女性は接種できません。
つまり、妊婦が風疹ウイルスに感染しないためには
女性自身が妊娠前に接種しておくか(接種後2か月程度の避妊は必要)
妊婦の周囲に感染者がいない環境が必要になります。
そのためにはワクチン接種が必要になります。
世の中には、身体的要因でワクチンを打ちたいのに打てない人がいます。
そういう人たちは、
自分の周囲の人が感染していないことを願うばかりです。
今、各メディアがこの風疹の感染者の増加を報じ、
ワクチンによる予防を呼びかけていますが、
元はといえば、これらのメディアが
殊更ワクチンの副作用、副反応の危険性を煽り
世論は疑心暗鬼を形成、
及び腰になった国は中途半端なワクチン行政を行ってきました。
アメリカなどでは、風疹や麻疹などのワクチン接種の証明書か
既に感染歴があり抗体があることを証明できないと
幼稚園や学校に入ることはできません。
日本からの留学希望者もここで躓く場合もあります。
ワクチンは自分自身を守るだけのものではありません。
むしろ、感染者がいない環境を作り出すという
公衆インフラの側面が強いと考えるべきでしょう。
これからこの風疹感染者の増加は騒ぎになるかもしれません。
すると、接種希望者が医療機関に殺到して
ワクチンが足りないなんてことが
麻疹なとでも繰り返されてきました。
今なら、多くの医療機関に在庫があるかと思います。
品薄になる前に、風疹ワクチンや
麻疹風疹混合ワクチンの接種を考えてみて下さい。