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コスタリカの虫こぶに驚かされる「ダーウィンが来た!」

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久しぶりにこの番組のお話。
中米・コスタリカの昆虫たちの見事な擬態が紹介されていたんですけれど、
これも擬態というのか、何なのか…

「虫こぶ」というものがあります。
漢字では虫瘤、虫癭(ちゅうえい)などともいいます。
虫が植物に寄生することで、
植物の外見が変形してしまうことがあり、
これを虫こぶと呼んでいます。
(広義の虫こぶには菌類など昆虫以外が原因のこぶも含みます)

蚊に近い分類のタマバエやタマバチ、
アブラムシなどが作ることが知られ、
虫こぶ自体は日本でも珍しくないものです。

ただ、番組で紹介された虫こぶは
花の形をしていたんですよね。

まさしく花でした。
ただ、この植物の本物の花は全く違う姿をしています。
アカバナキバガの一種の蛾が作ったものらしいのですが、
なぜ、こんなものを作るのでしょうか?
その虫こぶについては以下の
「ナショナルジオグラフィックス」のサイトをご覧下さい。2枚めの画像です。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20120227/300446/

この虫こぶについて何か情報がないかと探していましたら、
全て番組に登場しておられた研究者の西田賢司先生による解説でした。
肩書きは「探検昆虫学者」となっていますね。
 

 

 


成虫が植物の葉など中に産卵し
孵化した時にはたいした大きさにはなりませんが、
成長するにつれ、こぶが目立つようになります。
これが一般的な虫こぶです。

虫こぶは育嚢でもあり、周囲の壁は食料でもあります。
幼虫にとっては絶好の環境です。

ただ、程度の差はあれど、目立つんですね。
鳥などに狙われやすいように思います。
さらに、ほかの虫に寄生されやすくなります。

虫こぶを作る種の昆虫は植物に寄生するわけですが、
その昆虫の幼虫の体内に卵を産み付ける種もいます。
寄生が二重に行われているわけですね。
西田先生によれば、かなりの割合で寄生されているらしく、
寄生された幼虫はじわじわと体内を養分にされながら
さなぎになるころには食い尽くされてしまうことになります。

 

 


こんな動画がありました。
これはヌルデにアブラムシの一種が寄生したものらしいです。
なぜ、こんなに目立つ虫こぶを作るのでしょうか?
食べられない仕組みとして虫こぶを作っているのに
あえて目立とうとするのはなぜでしょうか?
私の認識が間違いで、
実は目立った方が食べられないという事実でもあるのでしょうか?
実は食べられたい理由が…何も思いつきません。

それにしても、この特殊な能力。
虫こぶは幼虫が何からの物質を分泌し、
あるいは植物に物理的な刺激を与えることで
異常な形を作らせています。
花に似せることに意味はなんでしょうか?
どのような利益を得ているのでしょうか?
疑問は尽きません。

生物学には「なぜ」が溢れていますが
特に面白いのは寄生ですね。
本来、鳥の目を避けて歯の裏を好むはずのカタツムリなのに、
レウコクロリディウムに寄生されたカタツムリは
葉の表に出てきます。
行動を支配されているんですね。

カマキリムシに寄生するハリガネムシは
カマキリに水辺へ向かわせます。
お尻の先を水に浸けさせて、
カマキリの体内から脱出。水の中へと「帰還」します。

きっとこれらの寄生でも化学物質などか利用されている事でしょう。
虫こぶではどのようなことが行われているのでしょうか。
虫こぶを開けてしまうと幼虫は死んでしまうため
なかなか研究が進まないとのことですが、
真実を知りたいところです。
 


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