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トリチウムは三重水素 昔からトリチウムは水道水にも含まれている

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福島第一原子力発電所にたまり続けている
トリチウムを含む水の処分が問題になっています。
国や東京電力は海への放出を考えています。

原発事故後、2014年に多核種除去設備「ALPS」が導入され、
放射性物質を除去できるようになりましたが
このALPSでは除去できない放射性物質がトリチウムです。

現在、福一には1,000基弱の処理水があり、
その総量は92万tにもなります。
原子力規制委員会の更田委員長によれば、
敷地内に貯められるのはあと2、3年程度が限界とのことです。

報道では、「トリチウム」という物質について
ほとんど説明されていない状態が続いています。
事故から7年半にもなろうというのに
基本的な知識が共有されないまま、
世論が形成され続けています。


トリチウムを日本語でいうと三重水素になります。
元素のうち、同じ原子番号を持っていながら
中性子数が異なる物質を「同位体」と呼びます。


この同位体のうち、
原子核が不安定で原子核が崩壊し放射線を放出するものを
「放射性同位体」と呼んでおり
トリチウムは「水素」の放射性同位体で
一般的な水素が酸素原子と結びつくことで「水」として存在しているように
トリチウムも酸素原子と結びつき「トリチウム水」として
自然界の水の中に混在しています。


ただ、「トリチウム水」という言い方も、
トリチウム水溶液という話ではありませんので
本当は単に「処理水」とすべきなのでしょう。

これも自然界に存在しています。

自然界にありふれた物質である水素は原子核が陽子1つで構成され
一方、トリチウムは陽子1つと中性子2つで構成されています。
原子力発電ではトリチウムが生成されますので
ほかの原発ではトリチウムを環境基準以下に希釈して放出しており
それが世界の常識です。

1ベクレルのトリチウムによる内部被曝は
1ベクレルの放射性セシウム137による内部被曝の約1/1000で、
元々、海水にはトリチウムが含まれており
福一からの放出でその濃度はほとんど上昇しません。

前述のように、トリチウムは自然界の水の中にも存在していて
これは宇宙空間を飛び交っている宇宙線により生成されたものです。
割合でいえば、1Lあたり2ベクレル程度です。
ただ、1960年代には1Lあたり100ベクレルにまで上昇、
これは世界中で行われた核実験の影響だと考えられています。
昔からトリチウムは水道水にも含まれており
販売されている飲み物にも含まれているでしょう。
ここまで上昇していても、健康上の問題は出ておらず、
今後、福一由来の処理水を海水と同レベルに希釈して放出しても
問題が出るはずはありません。

毒ではない物質は存在しない - パラケルスス「妊婦は爽健美茶を飲むな騒動」
https://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-12400243645.html

こちらで放射性物質も、
害となるかどうかはその量が重要であるとお書きしました。
内部被曝をおそれ、放射性物質を一切口に入れないのであれば
食べられるものはほとんどなくなるのではないでしょうか。
必要なのは「量の概念」なのです。

たとえば、ロシアの元諜報部員で反体制活動家となった
アレクサンドル・リトビネンコ氏は2006年に謀殺されましたが
彼の遺体から大量のポロニウム210が検出されました。
これはポロニウムの放射性同位体で
何者かに大量のポロニウム210を含む何かを飲まされたとされています

一方、ポロニウム210は海産物に多く含まれていることでも知られ、
特に魚の内臓に濃縮されており、
日本人は他国よりも多くの魚介類を消費、
実際、食品由来のポロニウム210の摂取量は
他国よりも高くなっています。
それでも、問題はないのです。
その量が「大量」ではないのですから
私たちが海産物を避ける理由はありません。


福一に処理水が溜まり続け、いずれ限界を迎えることは
何年も前から認識されており
早い段階から海への放出がされてしかるべきところ
メディアはただ恐怖を煽るばかりで
何を恐れるべきか、
恐れるべきではないものについての説明を行ってきませんでした。
逆に恐れなくてもいいものに対しての恐怖を煽りました。

合理的には処理水は海に流すべきだということになります。
現実に放流して、海水を汲み上げて検査してみても、
それが元からあった海水なのか
放流された処理水なのかの区別はつけられないでしょう。
海水にもトリチウムが含まれているのですから。

2013年、IAEA(国際原子力機関)もその検討を勧めています。
それなのに、ここまで結論を先送りしてきたことのツケなのです。

ただ、ここまでのメディアの無責任さを考えれば
トリチウムに対する正しい知識の普及が必要です。
それは国と東電の仕事と考えるべきでしょう。
さらに、海に流す処理水のチェックも必要だと考えます。

 


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