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糖質制限は健康にいい? 寿命を縮める? 議論が尽きないローカーボ

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私が仕事で何かをお書きする時には
当たり前のことを当たり前に書くようにしています。
特に医療分野では、私は医療職ではありませんので、
とりわけコンセンサスを得ているわかりきった情報を取り扱うようにしています。

ただ、医療の分野に近い健康、ダイエット関連の分野では、
インチキや胡散臭い話も多く、
これまでも批判してきた水素水や酵素ダイエット、
デトックスなどは
書かないかネガティブに書くようにしています。

困るのが「糖質」の取り扱いです。

 

 

 

 

 

今「糖質オフ」「糖質制限ダイエット」などの文字が飛び交っていて、
こんなふうに書籍だらけになっており
私も仕事で何度もお書きしてきたんですが
この問題、論争が尽きないんですよね。

日本では、何やら既に疑いの余地なしになってしまっていますが
実際のところ、「糖質オフ」「糖質制限」が
健康面にもたらす影響については今も議論されていて
確定した事実というのはあまりないように思います。
私もこの方面の情報を扱う時にはポジティブな面と
ネガティブな面を書くようにはしています。

おそらく、過ぎた糖質の摂取は糖尿病などのリスクが高まるとして
議論の余地はないかと思います。
問題は極端に糖質を減らした食事で
中には炭水化物はほとんど摂らなくてもいいという医師もいます。
一方、そのような食事を続けていると
体を壊し寿命を縮めるという医師もいます。

流れとしましては、
アメリカの循環器系が専門のロバート・アトキンス医師が
低糖質ダイエットを提唱し、欧米や日本でも広く知られるようになりました。

一方、東北大学大学院・農学研究科の都築毅准教授らが
マウスによる実験を行ったところ、
炭水化物を減らした食事を長期間続けると、
老化が早く進み、寿命も短くなるという結論が得られたと発表しました。

この研究に対し、糖質オフ肯定派から
マウスと人間は食べているものが違うため、
マウスが普段食べているものを食べさせられたのだから、
寿命も短くなくなって当たり前だという反論が出されました。

尤もだと思います。
ネズミの代謝と私たち人間の代謝ではシステムが違います。

ただ、それでも私は
継続的で過ぎた低糖質食は寿命を縮めるのではないかと思っています。
半月ほど前、こんな論文が発表されました。

https://www.thelancet.com/journals/lanpub/article/PIIS2468-2667(18)30135-X/fulltext#%20

英文ですので、面倒ですが
米ボストンのBrigham and Women's病院の
Sara B. Seidelmann博士が主導した研究で、
この研究では米国人1,5000人を25年間追跡、
糖質制限食の人はそうでない人より
1.1年から4年寿命が短いとなっています。
(摂取エネルギーのうち何%が炭水化物なのかによって年数が異なる)

糖質制限食では炭水化物を摂らず
肉類を多く摂ることが推奨されており、
可能性としてはその影響ではないかと考えられます。

糖尿病の人が糖質を控えるのは当然です。
まずは糖尿病の進行を抑えなくてはなりません。
様々な合併症があるのでぐだぐた言っている余裕はありません。

糖尿病でない人は、
炭水化物を食べ過ぎない、
少し減らす程度でいいのではないかと思います。
データとはいえませんが、
長寿国日本において、
現在の高齢者の中で低糖質の食生活をしてきた人はいないでしょう。

砂糖などの精製糖質については別に考慮する必要があるかもしれませんが
炭水化物を目の敵にしている糖質オフに
のめり込みすぎないほうがいいと思っています。

 

 


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