今回の番組からはこの疑問から。
考え事をするとき上を向くのはなぜ？
なんでも知っているチコちゃんは
情報をシャットアウトするため
としました。
解説は金沢工業大学情報フロンティア学部の
伊丸岡俊秀教授でした。
人間は考え事をするときに
考え事に集中するため
視覚の情報を少なくする目的で
物が少ない上のほうを見るというお話でした。
人間の五感から得られる情報では
聴覚11.0％、嗅覚3.5％、味覚1.0％、触覚1.5％なのに比べ、
視覚は83.0％も占めているそうです。
如何に人間が視覚を頼りにしている動物であるかがよくわかります。
伊丸岡先生は、
脳の多量の情報が送り込まれてくる視覚からの情報を減らすため
私たちは情報が少ない上を見ているのだと解説されていました。
番組では「顔ですら脳は情報として処理する」と説明していましたが、
「顔ですら」という表現はやや軽すぎで、
それが誰であるか、どのような感情なのかを判断することで
高度な社会性を獲得した人間だからこそ、
「顔だからこそ」特に顔の情報はより重く捉えられているはずです。
なお、心理学の仮説
「未来のことを考えるときは左上を
過去のことを考えるときは右上を見る」
という話を耳にしたことがある方も多いでしょうが
実証はされておらず、
番組の実験では(サンプル数が少ないが)
肯定的な結果は得られませんでした。
番組としてはだいたいこのようなものでしたが、
「視覚の情報」というのは暗闇でも脳に届けられています。
よって、天井や空を見ても少ないとはいえ
脳はその情報を処理することになります。
もしも考え事に集中したいのであれば
「目を閉じる」ことをおすすめします。
たとえば、真っ暗な部屋の中にいるとして、
そこで行動しようとした場合、
ごくわずかでも光があるなら
目が慣れることを待つという方法もありますが
本当に一切の光がないなら
目を閉じるべきです。
目を閉じても視覚情報がゼロにはならないとは思いますが
目を開いているよりさらに情報を減らすことができます。
目を閉じることで触覚や聴覚、嗅覚などに
脳の機能をより多く割り当てることができるはずです。
この考えを応用しますと、
暗くなくても見えない場所を手探りするとき、
たとえば、家具の隙間などでも
目を閉じたほうがいい場合もあるかもしれません。
私の場合、シャツのボタンの首に近い部分は
目を閉じるようにしています。
ボタンの掛け違いをなくすことができているのは
そのほうが手の触覚から得られる情報を
よりよく処理できているからかもしれません。
余談ですが、もしも、視覚に頼ったボタンの掛け違い防止を図るのであれば
ボタンを下からとめていくようにすればよいとされています。