新聞、テレビ局、書籍など、
ありとあらゆる分野で
好む人だけ
を相手にしている媒体やコンテンツが増えています。
中でも音楽業界は典型的で
アリーナクラスを数日間埋められるアーティストでも、
ほとんどの人は、その人が何を歌っているのかを知りません。
安室奈美恵さんの引退では
ニュースなどでも大きく採り上げられましたが、
彼女のここ数年の曲について知っている人のほうが少ないでしょう。
平成を代表する安室奈美恵さんですらそうなのですから、
ほとんどのアーティストのここ数年の代表曲を
私たちは知らないことになります。
そんな中、痛快なヒットとなったのがDA PUMPの「U.S.A.」です。
現時点で9千万回以上再生されていて、1億は確実のようです。
音楽に興味がない人でも
一度は耳にしたことのある曲となるでしょう。
今年の新譜では唯一無二のヒット曲ではないかと思います。
先日、NC9にISSAさんが出演され、
DA PUMPサイドが断らない限り、
紅白歌合戦に出演されることでしょう。
この「U.S.A.」がリリースされた時、
強い反応を見せたのが私を含むHello! Projectのファンたちでした。
Twitterでは、ハローのファンのアカウントから
延々とこの曲についての賛辞があふれかえっていました。
6月6日、DA PUMPは池袋サンシャイン広場でリリースイベントを開催。
ここはハローの各ユニットも頻繁に利用する会場で、
当日はたまたまモーニング娘。'18が舞台公演中で、
モーニングなどのハローのファンが
DA PUMPのリリースイベントに押しかけ、
ハローのライブでお馴染みのコールで盛り上がりました。
DA PUMPのファンもハローのファンに好意的な反応を見せ、
「こんな楽しそうなISSAさんは久しぶり」と語るなど
双方で盛り上がるという事態になっています。
ISSAさんはハローのファンが押しかけてくるというのは予想されていたようで、
これまでにはないコールが来ると予想されていたようで、
さらに盛り上げるためにイントロで一回止めたそうです。
その後もハローのファンがあまりいない状態でも、
この曲ではこのコールが使用されているそうです。
そして、7月25日にDA PUMPはモーニングとコラボ、
ついには8月5日、中野サンプラザホールで行われた
ハローの20周年記念コンサートに
DA PUMPがサプライズ出演、
ハローにもこの曲にハマったメンバーが多く、
皆が皆、その登場に驚き、感動していました。
ハローのライブで男性にパフォーマンスさせた例はあるのでしょうか?
「U.S.A.」にはハローの曲、
それも少し前のハローの曲には
共通点があります。
それは視覚的にジャケットや
メロディ、リズムの刻み方などもありますが、
歌詞も重要です。
元はイタリアのJoe Yellowの同名曲らしく、
日本語詞はshungoさん。
ご自身も楽曲をリリースされていますが
プロデュース、作詞、作曲の提供もかなりの数されています。
私が好きなKさんの「over...」もそうですね。
ちゃんとした歌詞を書かれている方ですが、
「U.S.A.」ではさっぱり意味がわかりません。
部分部分でわかるようなわからないようなことを言いつつ、
トータルでは「で?」の歌詞です。
これはリズムを優先した結果でもあるのでしょうが、
狙って「ダサ」くしているのだと思います。
どっちかの夜は昼間
地球は丸いのでそこにとっての夜は
反対側では昼間ということなんでしょうが
結局「で?」になります。
もちろん、意味を探ろうと思えば探れるのですけれど
つんく♂さんは今、ハローのプロデュースから身を引かれ、
一人の楽曲提供者として活動されていますが、
旧来のハローのファンには
つんく♂さんならではのダサさが恋しくもあります。
つんく♂さんはわざわざ
選挙の日って ウチじゃなぜか投票行って 外食するんだ
(モーニング娘。「ザ☆ピ~ス!」)
帰りにうどん食べてくわ
(℃-ute「Danceでバコーン!」)
などのように、なくても成立するはずの歌詞に
もやっとしたダサさを放り込んできます。
それがファンには強い記憶として残っています。
同じ時給で働く友達の美人ママ
なんて、タイトルからダサい。
しかも、意味はわかるものの
歌詞がどうでもいい。
何度も繰り返しお書きしていますが、
がんばれ、がんばれる、
ポジティブになれる曲と謳う楽曲なんて
腐るほどあります。ありすぎて個性が出せなくなっています。
私はそういう曲が好きではありませんので、
ラジオの楽曲紹介で
「背中を押してくれる曲です」なんて言いますと
もう聞く気が半減してしまいます。
数がありすぎるため、
そのアーティストのファンには特別でも、
ほかの人にとってはありふれた曲になりがちです。
好きな人だけを相手にしているから、
こういうことが起きます。
そんな中、「U.S.A.」が「ダサかっこいい」として
ファン以外の人からの支持され人気となりました。
もう少し、どうでもいい歌詞を含め、
もっと幅広い歌詞の曲が増えればと思います。
配信を含めて、ずっと不況続きの音楽業界ですので、
できることはやるべきだと思います。
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