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珍しい? 小児科の漫画『放課後カルテ』

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昔から医療ドラマ、漫画などが好きな私は
半年ぐらい前から小児科で何かないかと思っていましたら
小児外科のドラマ日本版「グッド・ドクター」が始まり、
山﨑賢人さんと上野樹里の好演により
これはこれで楽しめたのですが
サヴァン症候群の医師が主人公ですので
テーマ的にはちょっと求めていたものとは違っていました。

引き続き探しますと見つけたのが
日生(ひなせ)マユさんの『放課後カルテ』でした。
現在も「BE・LOVE」に連載中のようです。
ただ、これも舞台は小学校で主人公は無愛想な学校医。
養護職員として保健室に詰めているんですが
現在、4巻を読み始めたところながら
続きを読みたくなる作品です。

日生さんは元々幼児教育を志しておられたようで
その後、出版、広告の分野の企業に勤めながら
この連載を開始。プロとしてはこれが本格デビューのようです。

おそらくは長期の連載を想定したものではなかったのでしょう。
養護教諭が産休となり、
産休補助教員として赴任という形ですから、
話を続けていくためには産休補助教員という立場を変えるか
学校を変えるか、
「うる星やつら」などのように時間を止めるしかありません。

あとは医療漫画にありがちで避けられない問題として、
子どもたちが色々な病気にかかりすぎます。
コナン君がどこかに行くと誰かが死ぬのと同じですね。
それを意識してか、『放課後カルテ』には
主人公が毒でも盛っているのではないと
子どもたちが疑う回もあります。
医療ものを読んできた身としては
展開が予想できることもあります。

しかし、そんなことはどうでもいいぐらい
子どもたちの描写がかわいいです。

日生さんは幼児教育を専攻され、
幼稚園へ教育実習も体験されています。
そこでその大変さを思い知ったとのことで
断念されたそうですが、
その時、子どもたちが一番喜んでくれたというのが
絵を描いた時だったんだそうです。

きっと、子どもたちが好きだから
子どもをかわいく描けるのでしょう。
それに、教員の描写にも愛を感じます。

私が小児科の作品を読みたいと思ったのは
その特殊性にあります。
一般的に子どもたちは症状を訴えることが下手だされています。
「お腹が痛い」にしてもどう痛いのか、
どこが痛いのかなど、
上手く伝えられないことがあり、
しかし、そこを軽く考えると
命に関わることがあります。

この『放課後カルテ』では、
症状を正しく伝えない子どもたちが出てきます。
そこがしっかり描かれています。

ここまで読んだ中では、
心因性視覚障害に触れている点にも注目しました。
心因性視覚障害に限らず、
なぜか心因性となりますと
「気のせい」みたいに思われることが多いようで
だから、サボってる、怠けてると思われがちです。

気のせいと心因性は違っていて、
心因性は実際に何らかの症状が現れます。
これを心身症と呼びますが
心因性視覚障害ですと、視力の低下や視野の異常が起きることになります。
治療には心理的ストレスの除去に加え
家庭などの理解と協力が必要となります。

ドラマでも漫画でも医療ものは無数にありますので
様々な分野の医師たちが出てきますが
こういう作品はほかにはないのではないかと思います。
現在も連載中で、単行本としては16巻まで発売されています。
主人公の設定はどうなっているのかも気になりますが
先を急がず、ゆっくりと読みたい作品でもあります。

 

 

 


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